おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
6月5日の日本経済新聞オンラインに「元球児の学者、体罰連鎖絶つ 選手尊重の指導法を追求」(文 佐藤淳一郎氏)という記事が載っていました。
https://www.nikkei.com/article/
DGXZQOUE183N10Y3A410C2000000/
概要はこんな記事です。
エースで4番。1989年の甲子園のマウンドに立った高校時代は、指導者の威圧的な言動に選手が耐えることが当たり前でした。
それが今では、選手を尊重した指導方法をスポーツ指導の現場に伝える橋渡し役を担う渋倉崇行さん。
スポーツ心理学を桐蔭横浜大学の教授として講じる傍ら、学校の部活動や地域のスポーツ少年団などのコーチを対象にしたセミナーを開いています。
指導者のエゴに陥らない「選手主体」の教え方を説き、感情的に怒らない指導法も伝え続けていると、5年ほど前からは大手を含む一般企業からもセミナー依頼が舞い込むようになっています。
パワーハラスメントによって組織が萎縮してパフォーマンスは低下することを回避し、古い指導から抜け出し、自主性を引き出して成長を導く指導方法は企業など多くの組織が模索するテーマでもあります。
「スポ根」の世界でも手荒な指導法を「愛のムチ」と捉えられていた世代を生きた人でした。
しかし、高校時代にどこか気づいていた「恐怖で支配する指導は、選手が監督の顔色をうかがって失敗ばかり恐れる。自分で課題を分析しながら挑戦を繰り返す成長サイクルは描けない」という境地に達して、2000年ごろから研究者として、選手を尊重した指導方法について論文で発信していました。
2013年に大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将が自殺したニュースが転機になります。
多くの人たちに記憶に残る、指導者の暴力に追い込まれた末に17歳で命を絶った事件です。
安心して選手がスポーツに取り組める環境をつくらなければという痛切な反省をもとに2014年に一般社団法人「スポーツフォーキッズジャパン」(横浜市)設立。
指導者向けのセミナーを開き、実践的な指導理論と指導現場をつなぐことを目的としています。
「一方的に指示するのではなく、まずは選手の考えに耳を傾けることから始めることが大事」としてこれまでの指導者に欠けがちだったコミュニケーションスキルの学びこそが、スポーツの未来を開くと信じて活躍中です。
「時代によって適切な指導方法はどんどんアップデートされていく」。
スポーツは誰のために、何のためにあるのか。自らも学び、指導者とともに問い続ける日々のようです。
とても感激したので、【体罰連鎖】を絶つことを強く願う気持ちを込めてお伝えしました。
◆4月24日にはYouTubeアドラー心理学専門チャンネル で【アドラー心理学】で体罰撲滅!」のタイトルで私が語っています。
動画リンクはこちらから
↓
https://youtu.be/cVXZn179h8c
表紙の私の怖い写真は【体罰】に対する私の強い憤りを表現しています。
私は小学4年生の時期に担任だった教師による【体罰】で「世の中にはこんなに憎むべき存在がいるのだ」ということを知りました。
身体的には円形脱毛症、心理的には人間不信、学業面では極度の成績低下に陥った被害者でした。
確実に「トラウマ」になっていました。
その立場から【体罰】撲滅を願い、その代わりにアドラー心理学の立場から【尊敬(リスペクト)】【信頼】を浸透する意図で配信したものです。
◆私は、体罰についてブログで次のように書いています。
2013年1月12日付けブログ 体罰のもたらすもの ― 大阪市立桜宮高校体罰事件を巡って(1)
2013年1月13日付けブログ 体罰のもたらすもの ― 大阪市立桜宮高校体罰事件を巡って(2)
2013年1月14日付けブログ 桑田真澄さんの『体罰考』について
2016年8月14日付けブログ お盆で回想したこと:宮沢先生が寄せてくれた信頼
2017年8月2日付けブログ お尻たたくのは逆効果:子どもへの影響
【体罰】とまでは至らないけれどお尻を叩くくらいならば、と思う方は2017年8月2日付けブログ お尻たたくのは逆効果:子どもへの影響 だけでもご覧ください。
【体罰】は「絶対に」容認してはならないのです。
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