おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(9月19日)は、福岡市内で3社ほどに営業に回り、その後、鹿児島県の霧島温泉に入りました。

(ホテル京セラ)
北京の黄建明さんから『勇気づけの心理学 増補・改訂版』の中国語版が届いた、との連絡が入りました。
黄建明さんは、この本のプロデューサーでもある人で、黄さんのご尽力がなければ、この本が中国で出ることはありませんでした。

間もなく私のところにも現品が届けられるはずです。
中国でも「勇気づけ」が広まるのが楽しみです。
10月10日の発売が決まっている『7日間で身につける! 「アドラー心理学」ワークブック』 (仮題、宝島社)の原稿が最終段階に入っていて、博多から鹿児島中央の向かう新幹線の中でもゲラのチェックをしていました。

霧島温泉のホテル京セラに入っても、温泉でゆっくりしていることができず、ゲラのチェック結果をパソコンンから編集者にご連絡しました。
さて、幸福につながるアドラー心理学の知恵 のカテゴリーで「幸福ってなんだろう?」の4回目です。
今までの記事を読みたい場合は、幸福につながるアドラー心理学の知恵 の部分をクリックしてください。
前回に私なりの幸福論のまとめを書きましたが、ブログの読者からこんなご質問をいただきました。
「私には、岩井さんや他の人と違って、お金も知識も経験もありません。アドラー心理学や岩井さんの説く幸福論では、幸福の条件としてさかんに『貢献』の言葉が出てくるのですが、私は貢献できそうにもないので、こんな私に幸福は訪れないのでしょうか?」
私は今からこのご質問に対して真摯にお答えします。
あなたにも貢献できます。貢献には、お金も知識も経験も必要ありません。
このことに関して、私は『失意の時こそ勇気を―心の雨の日の過ごし方』(コスモス・ライブラリー、1,500円+税)で次のように書いています。
無財の七施
貢献というと、金銭的・物的なことをイメージしがちですが、金銭や物以外にもたくさん貢献のチャンスがあります。仏教では、そのことを「無財の七施」と言います。
無財の七施というのは、次の七つの布施(施しの心)です。
(1)捨身施(しゃしんせ) …… 自分の身をもって、体を使って人のためにする施し
(2)心慮施(しんりょせ))…… 他人のために心を配る施し。共に喜び、共に悲しんで、その人の幸せを願う施し
(3)和 顔施(わげんせ) …… いつも和やかな顔をもって人に接する施し
(4)慈眼施(じげんせ)…… 慈しみの目をもってすべてを見る施し
(5)愛語施(あいごせ)…… 和やかな、喜びを与えるような言葉で話しかける施し
(6)房舎施(ぼうしゃせ)…… 急に雨が降ってきたときなど、雨に濡れる人にさりげなく傘を差し出すような施し
(7)床座施(しょうざせ)…… そっと席を譲るような施し
こうしてみると、お金がなくてもできる「無財の七施」は、そのいくつかをどんな人でもできることがわかります。
また、無財でなくわずかなお金でもできることは、その機会が数限りなくあります。
そして、この項を次のように結んでいます。
心の雨の日は、あなただけではないかもしれません。
他者もまた、あなたと同じように心の雨の日の体験をしているのかもしれません。
そんな場面であなたがささやかな勇気を発揮して他者に貢献することが、他者の心に潤いを与え、与えたはずのあなたも潤いを得られるのです。
困難を克服する活力である勇気は、与えたからといって目減りするものではなく、与えれば与えるほどあなたを充たしてくれるのです。
いかがですか? あなたにもできそうですか?
<お目休めコーナー> 9月の花(19)

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