シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

アルバート・ブルックス監督「あなたの死後にご用心(原題:Defending Your Life)」(アメリカ、1991年、111分)

2023-11-30 20:13:47 | アメリカ・1990年~
主要舞台は、ジャジメント・シティ。

映画はある意味で、なんでもありの世界。この作品もそうです。霊界コメディと呼ばれています。

交通事故が原因で死んだダニエル(アルバート・ブルックス)が送られてきたのはジャジメント・シティ。そこではひとりひとりの審判が行われ、合格すれば天界に進めますが、不合格となれば下界に戻され、現実の生活をやりなおすことになります。ポイントは「恐怖」を乗り越えられる力をもっているかどうかです。

弁護人と検事がいて厳しく審判され、ふたりの裁判長が判決をくだします。

面白いところは、被告ダニエルの現世での生活が断片的に映し出され、検事、弁護人がそれぞれ、被告ダニエルの人格をはかる、幼少から死ぬ直前までのシーンをとりあげ、彼の性格を実証するシーンです。

ところでダニエルは、この審判の最中に知的な女性ジュリア(ジュリア・ロバーツ)と会い、彼女に惹かれます。既に天界に行くことが決まっている彼女と一緒になるには、何としてでも裁判に勝たなければならないのですが・・・。
 
 
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カーステン・シェリダン監督「奇跡のシンフォニー(原題:August Rush)」(アメリカ、2007年、114分)

2023-11-29 20:18:30 | アメリカ・2000年~
主要舞台はNY。

原題の「オーガスト・ラッシュ」は、たまり場の親分ウィザード(ロビン・ウィリアムズ)が主人公の孤児エヴァンにつけた名前です。

生まれた時からNYの郊外にある孤児院で育ち、両親の顔を知らない男の子エヴァン(フレディ・ハイモア)は、ルイス(ジョナサン・リース=マイヤーズ)とライラ(ケリー・ラッセル)の子です。

ルイスはロックミュージシャン、ライラはチェリスト。二人は出会ったその日に恋に落ち、結ばれますが、ライラの父親が強引に二人を引き裂き、以来、互いに別れ別れになってしまいました。

しかし、ライラはルイスの子どもを宿していましたエヴァンです。レストランで父親と口論になり店を飛び出した彼女は自動車事故に合い、瀕死の状態で病院へ運ばれます。目覚めたライラに父親は、子どもは死産だったと告知します。

離ればなれになったルイスとライラは、エヴァンの存在を知りません。

孤児院で暮らしていたエヴァンは、ある日不思議な音に導かれ、そこを抜け出します。孤児院の外の世界には様々な音があふれ、彼の耳にはすべてがメロディに聞こえます。

離ればなれのエヴァン、ルイス、ライラの三人は、偶然が重なって引きつけられるかのように、・・・。
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ゲイリー・デヴィッド・ゴールドバーグ監督「晩秋(原題:Dad)」(アメリカ、1989年、117分)

2023-11-28 20:20:38 | アメリカ・1980年~
若い頃に観た「アパートの鍵、貸します」(ビリー・ワイルダー監督、1960年)で、女優シャーリー・マックレーンとともに主役をはったジャック・レモンが老人役で出演しているので興味をもちました。

仕事一筋人間でNY在住のジョン(テッド・ダンソン)はある日、母親ベティ(オリンピア・デュカキス)が心臓発作で倒れたとの知らせを妹のアニー(キャシー・スペイシク)から受け、帰郷します。ジョンが駆けつけると、母親の症状は回復していましたが、その矢先、今度は父親のジェイク(ジャック・レモン)が病院に担ぎ込まれ、検査の結果、癌であることがわかります。本人に告知をしないようにジョンが頼んだにもかかわらず、担当医師はそれを無視。病院側に裏切られたと知ったジョンは激怒し、自ら介護する決意をし、父親を自宅に連れ帰ります。

ジェイクはジョンの献身的な介護で、ジョンは次第に元気を取り戻しました。アニーとマリオの娘夫婦、ジョンの息子ビリー(イーサン・ホーク)も集まり、久々に家族全員で過ごすジェイクでしたが、彼には解離性同一性障害に近い症状を発症し、農場で暮らす活発なもう一つの人格が現れ・・・。

家族の信頼関係が常に「抱擁」で確認されるアメリカ人気質が印象的でした。また、ジョンの提案で「日本」を知ろうと、和食を囲み相撲などの話しなどをしているシーンが面白かったところ。妻ベティは「こんなの嫌」と逆上しますが・・・。
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アイヴァン・ライトマン監督「ファーザーズ・デイ(原題:Fathers' Day)」(アメリカ、1997年、98分)

2023-11-26 20:49:31 | アメリカ・1990年~


ロビン・ウィリアムズが主演なので、観ました。コメディ。

17年ぶりに現れた元恋人コレット(ナスターシャ・キンスキー)に、あなたの息子かもしれない16歳のスコット(チャーリー・ホフハイマー)が夫のボブと家を出てしまったので探してほしいと嘆願された、弁護士のジャック(ビリー・クリスタル)と脚本家のデイル(ロビン・ウィリアムズ)[このこと事態が変ですね(笑)]。

ふたりはが息子探しの旅に出かけます。抱腹絶倒のこの展開を描いた作品です。
ジャック、コレットはスコットとは、スコットと一緒に出て行った父親ボブに会いに行き、体よく追っ払われますが、さらに息子を捜しの旅にでかけ、そこにいるかも知れないとの情報を得たライブ会場で、運良くスコットを見つけ、泥酔の彼をホテルに担ぎ込みますが・・・。
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ケン・クワピス監督「ロング・トレイル(原題:A Walk in the Woods)」(アメリカ、2015年、104分)

2023-11-25 20:51:46 | アメリカ・2000年~
原作はノンフィクション作家、ビル・ブライソンによる紀行本『ビル・ブライソンの究極のアウトドア体験:北米アパラチア自然歩道を行く』。ただし、主人公の年齢が原作の40代から70代に改変されている他、異なる部分があります。

舞台はニュー・ハンプシャー、ハノーヴァー、そしてアパラチアン・トレイル(アメリカ東部のジョージア州からメイン州にむか14州に至る長距離歩道、約3500キロ)。

イギリスから10年ぶりに帰米した人気紀行作家、ビル・ブライソン(ロバート・レッドフォード)。老齢になったことでセミリタイア状態のビルは、妻キャサリン(エマ・トンプソン)とともに平穏な日々を送っていました。しかし、何かしらもの足りない日々で、密かにアメリカを代表する長距離自然歩道「アパラチアン・トレイル」の踏破に挑戦する気持ちをもっていました。

そんなビルの気持ちをそぐように反対していたキャサリンでしたが、彼の熱意に押され、同行者を一人付けるならば挑戦してもいいと譲歩します。

早速、ビルは一過酷なロング・トレイルの同行者をもとめますが、誰一人相手にしません。

そんな彼に電話してきたのは、40年前に仲違いで別れ、以来音信不通だった旧友スティーヴン・カッツ(ニック・ノルティ)でした。

珍道中にも似た二人の老人の冒険が始まりますが、ビルは期待と不安を隠しきれず・・・。二人の踏破は果たして?
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デヴィット・ロウリー監督「さらば愛しきアウトロー(原題:The Old Man & the Gun)」(アメリカ、2018年、93分)

2023-11-24 20:53:50 | アメリカ・2000年~
 
誰ひとりも傷つけることなく16回の脱獄と銀行強盗を繰り返した実在の伝説的紳士強盗フォレスト・タッカーがモデル。物語の筋、展開の仕方などは全く違いますが、アウトローにシンパシーを感じながらのレッドフォードの演技は、どこか「スティング」(1973年)の香りがすると感じるのはわたしだけでしょうか?

レッドフォードは本作品を以て俳優を引退すると明言し(当時82歳)、その意気込みが感じられますが、この作品のあとにも映画出演しています(「アドベンジャース/エンドゲーム」2019年)。

時代は1980年代初頭のアメリカ。フォレスト・タッカー(ロバート・レッドフォード)は、ポケットに入れた拳銃をチラリと見せて、ほほ笑みながら人を傷つけることなく目的を遂げる74歳の銀行強盗。彼は仲間の二人と「デカいヤマ」を計画します。

1981年、74才のフォレスト・タッカーは単独での銀行強盗に成功し、逃走中、警察をまくために、未亡人で牧場主のジュエル(シシー・スペイシク)のトラックに便乗。

強盗仲間のテディやウォラーと組み、ダラスはじめ各地の銀行を襲うタッカー。

ダラスでは、市警のハント刑事(ケイシー・アフレック)は私用で銀行に居たものの、逃走後に支店長が声を上げるまで強盗に気づきません。スマートなタッカーの犯行です。

老人の強盗は「黄昏れギャング」と名付けられました。事件が州を跨いでいるためにFBIに捜査権を奪われるハント刑事。そのハント刑事の元に中年女性ドロシーから、自分の父親が犯人だと情報提供の手紙が届きましたが・・・。

タッカーとシシーの高齢者の淡い恋心は素敵です。
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カレン・シャフナザーロフ監督「アンナ・カレーニナ: ヴロンスキーの物語(原題:Анна Каренина)」(ロシア、2017年、137分)

2023-11-23 20:55:19 | ロシア・ソ連
 


原作はトルストイの長編小説で、19世紀後半のロシア帝国の貴族社会を舞台に、青年将校アレクセイ・ヴロンスキーと激的な恋をした人妻アンナ・カレーニナの悲劇を描いた物語ですが、本作品はその後、日露戦争の戦地でアンナの息子で軍医のセルゲイと出会ったヴロンスキーが当時を回想する、という驚きのストーリーです。

舞台はアンナが鉄道に投身自殺してから約30年後、1904年の日露戦争が始まった満州。

成長したアンナの息子セルゲイ・カレーニン(キリール・グレベンシチコフ)は、軍医として戦地に赴いていました。ある日、重症の大佐が彼のもとに運ばれてきます。彼はその人物がアレクセイ・ヴロンスキー(マクシム・マトヴェーエフ)と聞いて、驚愕します。ヴロンスキーは、母アンナのかつての愛人だったからです。

一時は殺意を抱くほど憎んだ人物でしたが、30年たった時点で、母の真実を知りたいと願うセルゲイ。その問いに答えるかのように、ヴロンスキーはアンナとの過去を語り始めます。

1872年の冬。母親を迎えるためにモスクワ駅を訪れたヴロンスキーは、政府高官アレクセイ・カレーニンの妻アンナ・カレーニナ(エリザヴェータ・ボヤルスカヤ)と偶然、出会います。後日、舞踏会で再会したアンナとヴロンスキーは、急接近し・・・。
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ネメシュ・ラースロウ監督「サンセット(原題:Napszallta)」(ハンガリー・フランス、2019年、141分)

2023-11-21 20:57:28 | ハンガリー


本作品の惹句には、「第一次世界大戦直前、ヨーロッパの繁栄と闇を描くミステリー」とあります。

時代は1913年。

オーストリア=ハンガリー帝国が栄華を極めたブダペストが舞台。

主人公はレイター・イリス(ヤカブ・ユーリ)。ハンガリーでは姓名の順序が日本と同様です。彼女がほとんど、でずっぱりです。そしてカメラは彼女によりそい、映像が彼女の視線の対象です。

開巻、彼女がブダペストにあるレイター帽子店で働こうと希望してやってきました。そこは高級帽子店で、彼女が2歳の時に亡くなった両親が遺した店です。

求人広告を見てやってきたとイリスが話すと、当初、彼女をお客と思っていた女店員の態度が変わり、彼女を奥の部屋に連れて行きます。女店員をまとめるゼルマ(ドボシュ・エヴェリン)が、オーナーのブリル(ヴラド・イヴァノフ)の前で質問攻めです。

イリスは、両親がこの店を経営していたこと、この店が火事になった2歳の時に、孤児の斡旋屋に引き取られ、トリエステという町で帽子屋の修行したことを話します。

その夜、イリスは店の部屋で泊まることになります。夜中イリスの部屋に、見知らぬ男が突然やってきます。

ガスパールと名乗る彼は、レイター家に息子がいたとイリスに伝え、彼女自分に兄がいたことを初めて知り愕然とします。兄・カルマンは伯爵殺しという大事件を起こしていました。彼女はカルマンの行方を捜し始めますが…。
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ヘニング・カールセン監督「黄金の肉体 ゴーギャンの夢(原題:Wolf at the Door)」(デンマーク・フランス、1986年、90分)

2023-11-16 20:44:51 | デンマーク


1893年から94年にかけての、ポスト印象派の画家ゴーギャンの生活を描いた作品です.

舞台はパリそしてコペンハーゲン。

1893年、タヒチからパリに戻ってきた45歳のゴーギャン(ドナルド・サザーランド)。すぐに個展を開きますが思うように売れず(ドガがゴーギャンの作品を買っているシーンがあります)、成功しません。

愛人ジュリエット(ファニー・バスティアン)との関係が続いていました。
下宿先の14歳の娘ジュディット(ソフィー・グローベール)は、彼を慕って、モデルになっていました。

その矢先、叔父の財産を相続してタヒチに理想の国をつくろうと計画。それも束の間、深い仲だったジャワの女性アンナ(ヴァレリエ・モレア)が彼の全財産を持ち逃げします。

途方にくれた彼は、自作品をオークションに出品したり、大切に手許においておいたゴッホの絵を売り、ようやく旅費をつくります。

ゴーギャンは愛人シュリエットとジュディットをパリに残し、再びタヒチに去って行きます。

周囲の人たちとの確執、冷たいパリ画壇などのシーンが印象的です。
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ジュリー・ペルトゥチェリ監督「アンティークの祝祭(原題:La derniere folie de Claire Darling)」(フランス、2018年、94分)

2023-11-15 20:46:44 | フランス
 


原題は「クレール・ダーリングの最後の愚行」。

カトリーヌ・ドヌーブが主演で、実の娘のキアラ・マストロヤンニが共演しています。劇中でも母と娘の役です。

人生の終焉を悟った主人公が、半生をかけて蒐集したアンティークを処分し、彼女が人生で本当に残したかった想いは何だったのか、を伝えるヒューマンドラマです。

現在と過去が切れ目なく往還するので、気を抜くことができません(一回観ただけではわかりにくいところも)。

クレール・ダーリング(カトリーヌ・ドヌーブ)は、意識や記憶がおぼろげになることが時々起こる高齢者。

ある夏の朝、(神の啓示のように?)今日が人生最期との想いにうたれた彼女は、長年かけて蒐集してきたアンティークの人形や仕時計、肖像画などのコレ
クションをガレージセールと称して処分することを決断します。

早速、若い男の子たちをアルバイトで雇い、庭先にコレクションを並べます。セールに大勢の人たちが訪れ、品定めをしていきます。なかには貴重な品物もありましたが、クレールは気にすることなく低価で売りさばきます。

疎遠になっていた娘マリー(キアラ・マストロヤンニ)は、母のこの奇妙な行動を友人のマルティーヌ(ロル・カラミー)から聞き、20年ぶり に帰ってきますが・・・。
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フランク・ペリー監督「泳ぐ人(原題:The Swimmer)」(アメリカ、1968年、95分)

2023-11-14 20:48:46 | アメリカ・1960年~
原作はジョン・チーヴァーによる同名の短編小説(1964年)です。

不思議な映画です。主人公の会社重役メリル(バート・ランカスター)が最初から最後まで海パン姿という姿で、プールをハシゴして家に帰るという奇妙な行動をとります。

本作品の狙いは、富める者が市民の生活のなかにおりたっていくと、相手にされなくなるということを象徴する、ことにあったのでしょうか?

舞台はNY州マンハッタン島の裕福な高級住宅地。ほとんどの家には広い庭、大きなプールがあります。

ある夏の日、ネッドは海パン姿で友人の邸に現れます。引き締まった体で、エネルギッシュ。二日酔いの友人を意に介せず、プールに飛び込んで泳ぎます。
友人たちとのしばしの会話の後、ネッドは丘に点在する邸を見おろしながら、「これから邸のプール伝いに移動し家に帰る」と宣言。

彼はすぐに行動し、友人宅を出てグラハム家に入りますが、その家の母親に怒られて屋敷を追い出されます。

このようにして、彼はかつて自分の娘のベビーシッターをしてくれた女性ジュリー、スティーブの屋敷の住人と会い、プールで泳ぎます。最初に会った人は彼と比較的打ち解けていたのですが、次第に皆よそよそしくなります。

かつての恋人宅のプールでは、元恋人につれなくされ、次に訪れる安い入場料の市民プールでは誰も彼のことを相手にしてくれません。

そして、彼が家に着くと・・・。
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ジョゼフ・ロージー監督「召使(原題:The Servant)」(イギリス、1963年、115分)

2023-11-13 20:51:21 | イギリス
イギリスの階級社会を風刺的に描いた作品です。主人と召使の主客転倒、貴族の哀れな末路が白日のもとにさらされています。

舞台はロンドン。

ロンドンの高級アパートを借りた裕福な貴族青年トニー(ジェームズ・フォックス)は、貴族の娘スーザン(ウェンディ・クレイグ)と結婚するために南米からロンドンに戻ってきました。召使いバレット(ダーク・ボガート)を雇い、住み込みで料理と家事の万端を任せます。

バレットは、トニーの食事や身の回りの世話を手際よくこなし、大助かり。しかし、婚約者のスーザンはなぜかバレットを毛嫌いし、あげくのはてに辞めさせることを企んでいま。

一方、バレットは恋人ヴェラ(サラ・マイルズ)を、妹と称して館に住み込ませ、予定通り(?)トニーを色仕掛けで誘惑します。トニーの生活は次第に破滅状態になっていきます。

ある夜、トニーとスーザンが一緒に館に帰宅すると、トニーの部屋でバレットと二ヴェラが仲睦まじい関係になっていることを察知し、激昂したトニーは二人を解雇。そうはしたものの、トニーはスーザンに、ヴェラとの関係が暴露され、ふたりの関係も破綻。

その後、昼間のパブでトニーとバレットが偶然に顔を合わせ、バレットは裏切りを詫び、ヴェラと別れたのでもう一度使って欲しいと頼み込みます。身の回りの世話をしてくれる人を失っていたトニーは喜んで、彼を再び雇い入れますが、二人の主従関係は崩れ始めたばかりか、逆転し、とうとう・・・。
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ミカ・カウリマスキ監督「世界で一番幸せな食堂(原題:Mestari Cheng)」(フィンランド、2019年、114分)

2023-11-12 20:54:02 | フィンランド
 


全編を支えるヒューマンな視点、フィンランドの美しい景観が印象的です。
原題は「マスターのチェン」、邦題は上記のようです(違和感あり、そういうことはないです)。

舞台はフィンランド北部の小さな村、ポホヤンヨキ。

ここで食堂を開いているのは、シルカ(アンナ=マイヤ・トゥオッコ)という若い女性。地元の人たちのための食堂で、メニューは少なく、マッシュポテト、ソーセージのスープなど。

上海から来たというチェン(チュー・パック・ホング)がこの食堂にやってきます。息子と一緒です。チェンは何か食べにきたというのではなく、フォントロンを捜しているが、知らないか、とシルカにたずねます。彼女は「わからない」と。するとチェンは、食堂のお客にも同じことをたずねます。返ってくるのは同じ応え。

チェンと息子はその日、泊まる場所も決まってなく、ホテルもかなり遠い不便なところしかないので、シルカは食堂の近くの小さな家屋で寝るようにすすめます。

チェンは上海ではプロの料理人でした。シルカの食堂のメニューが粗末なので、お礼として食堂に中華料理のメニューを提供します。これがとてつもなく美味しいのです。すぐに評判になります。

そのうちチェンが捜していた「フォントロン」は「フォンストロム」であることがわかります。上海で世話になった人の名前でした。

次第にチェンとシルカのそれぞれの過去が明らかになり・・・。
 
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フォルカー・シュレンドルフ監督「パリよ、永遠に(原題:Diplomatie)」(フランス・ドイツ、2014年、88分)

2023-11-11 20:56:18 | フランス
 
絶対に観ておくべき大事な映画です。

原題は「外交官」。

第二次世界大戦の終盤、ドイツ軍を統括するヒトラーは、レジスタンスと連合軍の支援によって追い詰められ投降寸前のそのとき、パリのランドマークを爆破し、廃墟にする命令を下しました。この命令は、コルティッツ将軍によって執行中止となりました。この経緯は、ルネ・クレマン監督「パリは燃えているか」(1966年)で映画化されたことで、よく知られています。(「パリは燃えてるか」は受話器からのヒトラーの声です)

本作品は、コルティッツ将軍がヒトラーの絶対的命令があったにもかかわらず、パリ破壊中止を決断した過程を描いています。

連合軍がパリに迫るなか、ヒトラーにパリ破壊を命じられたコルティッツ将軍(ニエル・アレストリュプ)は、ヘガー少尉(トーマス・アーノルド)を責任者とし、捕虜にしたパリの技術者・ランバンの助言をえて、パリのランドマークの破壊とセーヌ川の氾濫を画策します。爆破の対象はポンヌフを除く33の橋の破壊(その他郊外にある10本)、エッフェル塔、ルーブル美術館、コンコルド広場、ノートルダム大聖堂など。

コルティッツ将軍が執務するホテル・ムーリスに忍び込んだスウェーデンの外交官ラウル・ノルドリング(アンドレ・デュソリエ)は、将軍にパリの破壊で罪のない人々の命が失われることを訴え、破壊命令を実行しないように将軍に要請しました。将軍はこの要請を断固、拒否しますが・・・。
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クロード・ピノトー監督「ラ・ブーム2(原題:La Boum)」(フランス、1982年、108分)

2023-11-06 23:27:27 | イギリス


「ブーム」は「若者が自宅で開くダンス・パーティ」の意。
本作品は前作の続編。それから2年後、15歳になったヴィック(ソフィー・マルソー)の青春物語です。

ホームステイ先のドイツザルツブルク郊外の田舎町からの帰り、ヴィックは列車車内でパスポートを取り違えられてしまいます。それが切掛でフィリップ(ピエール・コッソ)と再会し、恋模へと発展していきますが、それはなめらかには進みません。

話しは歯科医から研究者に転身した父・クロード(フランソワ・ベレトン)とアニメーション作家として成功した母・フランソワーズ(ブリジット・フォッセー)の単身赴任騒ぎ、曾祖母・プペット(ドゥニーズ・グレイ)の44年間想い続けた男性との結婚、などのストーリーを織り込んで、展開します。
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