シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

ルネ・クレマン監督「禁じられた遊び」(フランス、1952年)☆☆☆☆★

2020-05-27 21:39:01 | フランス


フランソワ・ボワイエ(フランス語版)の小説が原作です。戦争で孤児となった5歳の少女の運命を描いた作品。全編を通してナルシソ・イエペスがギターで演奏。この「愛のロマンス」は、一躍、有名になりました。

「愛のロマンス」はポピュラーな映画音楽として、ひとり歩きしている感じがありますが、映画作品そのものの中身は深刻です。

1940年6月。ドイツ軍から街道を逃げる人々の中に、幼い少女ポーレット(ブリジット・フォッセー)がいました。そこに戦闘機の機銃掃射があり、ポーレットは一緒にいた両親、愛犬を失います。

ポーレットは愛犬の死体を抱きさまよっていたところ、牛追いの少年ミシェル(ジョルジュ・プージュリー)と出会います。ミシェルの家庭は貧しかったのですが、両親を亡くしたポーレットに優しくせっします。ミシェルはポーレットに親近感を持ち、ポーレットもミシェルを頼ります。

ポーレットは死というものがよくわかりません。ポーレットはミシェルから「死んだものにはお墓を作るんだよ」と教えられ、愛犬の死体を人の来ない水車小屋に埋葬し、祈りをささげます。この思いが募り、モグラやヒヨコなどの動物の死体を集め、次々に墓を作ります。二人の墓を作る遊びはエスカレート。とうとう、十字架を盗んで自分たちの墓に使おうと考えます。 この計画は、とんだ事件を引き起こします。
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吉田喜重監督「秋津温泉」(1962年)☆☆☆☆

2020-05-25 21:20:59 | 日本・1960年~
 
日本映画の源流には黒澤明、溝口健二、小津安二郎、成瀬巳喜男、木下恵介が巨匠として並び称される。𠮷田喜重もその中に入る。なかでも評価の高い作品。

太平洋戦争中、結核に冒され生きる気力を失った東京の大学生、河本周作(長門裕之)は死に場所を求め、秋津温泉にくる。温泉に来て倒れたところを、温泉宿の女将の娘、新子(岡田茉莉子)の介護で回復する。

そして、終戦。純粋な新子に惹かれた河本は、生きる力をとりもどす。互いに 意識しあう二人だったが、女将が河本を追い出してしまう。

数年後、秋津に再び現れた河本。しかし彼は酒におぼれ、堕落していた。新子はいらだちを覚える。河本が結婚したことを知った新子は、苦しい河本への思いを捨てきれない。

一途なまでに河本を思う新子、そして、優柔不断でだらしない河本。ふたりは抜き差しならない状況にはまっていく。
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エリア・カザン監督「波止場」(アメリカ、1954年)☆☆☆☆

2020-05-11 10:11:45 | アメリカ・1950年~
舞台は、ニューヨークの港湾。マフィアのボスに立ち向かう一人の港湾労働者の姿が描かれる。この作品は1954年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞などを受賞した。

ストーリーは?

テリー(マーロン・ブランド)は元ボクサー。今は波止場の荷役労働者であった。波止場を牛耳っていた悪漢ジョニー(リー・J・コップ)は、自分の立場を脅かすものに制裁をくわえ、テリーも逆らえずにいた最中、死んだ友人の妹イディ(エヴァ・マリー・セント)に出会う。
兄の死の真実を求める彼女の姿に心動かされ、テリーは次第に信念に基づいて生きることに目覚める。

その様子を知ったジョニーはギャングの一味である兄のチャーリー(ロッド・スタイガー)に、テリーを黙らせるよう指示する。テリーはそれを拒み、そのことが思いもよらぬ惨憺たる結末を導く。
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アルフレッド・ヒッチコック監督「北北西に進路をとれ」(アメリカ、1959年)☆☆☆★★

2020-05-09 23:07:52 | アメリカ・1950年~


巻き込まれ型サスペンス。面白すぎる。

60年以上前に作られた作品であるが、そのインパクトは圧倒的である。

冒頭のソール・バスによるタイトルバック、バーナード・ハーマンの音楽に乗せて、ニューヨークのビル群から大量に吐き出されてくる人、人、人。

その中に、主役の広告会社の重役ロジャー・ソーンヒル(ケイリー・グラント)の姿がある。彼がタクシーで向かった先のホテルで発生するジョージ・キャプランなる人物との「人違い」を切掛けに、究極の追いかけっこが始まる。

ソーンヒルはある邸宅に連れていかれる。そこで待っていたタウンゼントという男は、彼をスパイのキャプランと決めつけ、情報をどれくらいもっているのか、と迫る。

人違いだと訴えるが、受け付けられない。抵抗するソーンヒルを男の手下たちが酒を飲ませて車に乗せ、崖から転落させようとする。ソーンヒル辛くも逃れるが、・・・・・。

サスペンス映画なのでストーリーや結末を語るのは無粋。是非、一見を。
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アルフレッド・ヒッチコック監督「裏窓」(アメリカ、1954年)☆☆☆☆

2020-05-09 23:04:02 | アメリカ・1950年~


ヒッチコックのサスペンス映画のなかで、何回も見た作品。ジェームズ・スチュアートとグレース・ケリーが好演。

ストーリーのあらましは?

カメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュアート)は事故で足を骨折し、今はギブスをはめた車椅子生活。退屈な生活を余儀なくされた彼のひそかな楽しみは、隣のアパートの住人達の私生活をカメラの望遠レンズで裏窓から見ることだった。

その矢先、事件がおこる。口喧嘩が絶えなかった中年夫婦の妻が突如として姿を消した。セールスマンらしい夫の怪しい挙動を観察していたジェフは、状況証拠から殺人事件と確信。恋人リザ(グレース・ケリー)と調査に当たる。事件を認めない友人ドイル刑事を納得させるため、確たる証拠を掴もうとする2人に危機が迫る……。

ヒッチコックの作品には多く、本人がこっそり出ている。さて、どこに・・・。
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ロバート・ワイズ監督「サウンド・オブ・ミュージック」(アメリカ、1965年)☆☆☆☆★

2020-05-05 21:21:00 | アメリカ・1960年~


1938年、オーストリアのザルツブルグが舞台。ドイツによるオーストリア併合及び第二次世界大戦前夜の物語である。

開巻のアルプスの山々と、丘の上で歌うマリア(ジュリー・アンドリュース)に空から近づく撮影は圧巻!

「ドレミの歌」「エーデルワイス」「ひとりぽっちの羊飼い」などの歌で世界的に有名になったミュージカル作品。数々の名曲が挿入され、その高い評価が先行している感があるが、ストーリーは深刻である。実話にヒントを得た構成をとっている。

ザルツブルクのトラップ大佐(クリストファー・プラマー)の邸宅に、若い修道女見習いのマリアがやってくる。大佐の7人の子どもたちの家庭教師として、である。前半はマリアと子どもたちの交流。

後半はナチスから召集がかかったトラップ大佐が子どもたちそしてマリアとアルプス越えの脱出をはかる展開となる。そのために、一計が案じられる。さてその一計とは・・・。
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