奇想天外な大金強奪計画と恋の三角関係がもたらす騒動が、ユーモラスかつスリリングに展開されます。
舞台はある冬のパリ。2人の青年、フランツ(サミー・フレイ)とアルチュール(クロード・ブラッスール)は、推理小説マニアの親友で、性格は正反対です。
二人は英語学校で学ぶ美しい女性オディル(アンナ・カリーナ)に一目ぼれしてしまいます。
オディルは北欧の国からおばが住むパリにやってきたのですが、どうやらその家に大金が隠されているようです。
フランツとアルチュールは、オディルを巻き込んで、大金を盗み取る計画を練ります。いざ犯罪決行の日が来ましたが、三角関係の恋のもつれから、次々に事態はおかしくなり・・・・。
そしてあろうことか、アルチュールが撃たれ、フランツとオディルは貨物船に乗り南米へ逃走します。
旧約聖書のカインとアベルの確執の物語を下敷きにしたスタインベックによる同名の長編小説の映画化です。
舞台は1917年のアメリカ・カリフォルニア州サリナス。
農業を営むトラスク・アダム(レイモンド・マッセイ)には双子の兄アロン(リチャード・タヴァロス)と弟キャル(ジェームス・ディーン)がいました。父は恋人アブラ(シェリー・ハリス)と交際するアロンを可愛がりますが、問題児キャルを忌避します。キャルは父に愛されようと努力しますが、やることなすことが裏目にでるばかりです
ある日、キャルは死んだと聞いいていた母が東部で生きていると父に教えられます。キャルハは母らしき女性ケイトが営む酒場を見つけ、会いますが話に応じられず追い返されます。
キャルは「父から愛されていない」という自分の悩みを、兄アロンの恋人アブラに打ち明けます。すると、彼女も同じ悩みを抱えていたことがあっと語り、二人の心が近づきます。
アロンとキャルはことあるごとに対立しますが兄弟喧嘩で、キャルはアロンに母が生きていること、場末の酒場で働いていること教えると・・・。
「スクリューボール・コメディ」の代表的作品です。この用語は、男女の恋がいろいろな事件のなかでどこに飛んでいくかわからない(今で言うハラハラドキドキ)、という意味です。アメリカで1930年から40年代にかけてはやったコメディの型です。
この作品は、大富豪の父親から望まぬ結婚を押しつけられたことを嫌って家出した娘エリー(クローデット・コルベール)が、上司とウマが合わず失業中の新聞記者ピーター(クラーク・ゲーブル)と一緒に逃避行する羽目になり、恋におちいるというものです。
身分違いの男女の恋の行方、スピード感ある展開、気の強い女性が男性と対等の立場で交わす軽妙な会話といった要素がもりこまれています。
キャプラ監督は、映画製作がトーキーの時代になってわずか5年で、そのリテラシーを習得し、鮮やかなストーリー・テラーとしての才能を開花させました。
アカデミー賞では主要5部門を独占しました(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞)が、この記録はその後 1975年の「カッコーの巣の上で」まで達成されませでした。