シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

村野鐵太郞監督「富士山頂」(石原プロ、1970年、124分)☆☆★

2022-12-31 19:53:08 | 日本・1970年~


富士山頂にレーダーを取り付けた男たちの物語。

原作は新田次郎による同名小説です。

一口に富士山頂にレーダーを設置するといっても、それは途方もない難題です。設置の作業期間は夏場の気候が安定した4カ月ほどに限られます。それ以前に大きな資材をどのようにして頂上まで運ぶのでしょうか。標高3700㍍を超える過酷な環境にレーダーを、人力で設置できるのでしょうか。

このレーダーを設置すると、日本列島の南方800km先の台風の動向を察知し、進路を予測できるのです。気象庁測器課長の葛木(芦田伸介)は、台風の被害を少しでも減らすべく、このプランに情熱をたぎらせていました。

大蔵省へ歩を運ぶこと3年、葛木の夢は実を結び、予算2億4千万円を確保します。すぐさま、始動。三菱電機技術部員・梅原(石原裕次郎)、大成建設・伊石(山崎努)とともに2年予定の工事が始まります。

極寒・高山病で、作業は難航。親方・朝吉(勝新太郎)は、資材を運ぶための馬を売ってブルドーザーを揃え頂上を目指します。
レーダーを設置するドームはヘリコプターで運びます。山頂は乱気流が発生しやすく、気象条件が難しい中、操縦する加田(渡哲也)は、直径9m、総重量600kgのドームを吊り上げ輸送しました。

レーダー設置の一大事業の結末は?
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森永健次郎監督「君恋し」(日活、1962年、68分)☆☆☆

2022-12-29 19:57:54 | 日本・1960年~


フランク永井のヒット曲をもとに映画化された佳品。作品のなかで、フランク永井は銀座の流しの役で美声を震わせて唄っています(しびれます[笑])。

グライダーにのっていて墜落し怪我で入院した宮坂裕之(小高雄二)は、森近財閥の社員。療養中、看護にあたってくれた清楚な津村明美(清水まゆみ)に心をよせます。彼にはフィアンセがいて、彼女は森近の娘。名前は由美子(明石桂子)。

実は裕之の父親は森近庫二(清水将夫)が起こした不祥事の身代わりになって自死し、庫二はその責任をとるかのように裕之の世話をやき、娘との結婚をとりはかっていたのです。

場面が変わって、銀座裏のバー、シャトウ。連夜客でいっぱいです。常連の客の眼をひくのは、津村明美です。彼女は田舎の病院の看護婦でしたが、そこで知り合った裕之を追って上京して来たのです。叔母・澄子(東恵美子)のバーで、看護婦の仕事がみつかるまで働いているのです。

名刺を頼りに裕之を訪れた明美は彼の母親(高野由美)から、裕之には婚約者がいるということでした。ショックで毎夜泥酔する彼女に、叔母は明美に田舎へ帰るようすすめますが、明美は承知しません。

裕之は、明美への愛と、婚約者由美子の家への義理との板ばさみで悩みますが・・・。
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森永健次郎監督「星のフラメンコ」(日活、1966年、84分)☆☆☆☆

2022-12-27 20:01:20 | 日本・1960年~


西郷輝彦による同名のヒット曲からイメージして、脚本家の倉本聰がストーリーを書き、作品に結実しました。

主要な舞台は東京・調布市、台湾の台北、高雄。

商船学校の学生である英司(西郷輝彦)は、夏休みに東京・調布に住む妹・チノ(松原智恵子)のもとに帰ってきました。ふたりは20年前に台湾で生まれましたが、数年後には母を残して日本へ帰国、間もなく父が亡くなり、一緒に暮らしています。

「母はきっとどこかで生きている…」。英司はそんな希望をもっていましたが、チノは同じ思いを口に出しません。

そんなある日、英司はチノの婚約者で、彼の先輩であるボート船員・林哲(川地民夫)の計らいで、台湾行きの航海を任されます。亡き父の親友でふたりの親がわりになってくれた作曲家・財前公之助(嵯峨善兵)は英司の門出を祝います。

台湾に着くと、英司はかねてから計画していた母親探しを始めます。母探しの唯一の手がかりは、母が終戦直後、台北の小学校で音楽教師をしていたこと、そして「田道間守」という小学唱歌を愛唱していたという財前の記憶だけでした。

母が以前勤めていたという小学校に着くと、そこで華琴(汪玲)という美しい女性教師に出会います。華琴に協力してもらい、何とか母の以前の住所を記した戸籍台帳を見つけましたが、そこに書かれていたのは華琴の現住所と全く同じ場所で…。
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柳瀬観監督「花咲く乙女たち」(日活、1964年、95分)☆☆☆

2022-12-26 20:03:34 | 日本・1960年~


街にのりこんできた若者が、働くことの美しさ、勉強することの楽しさを同じ世代の女工たちから教えられるという青春物語です。タイトルは舟木一夫のヒット曲♪。

愛知県尾西市は多くの女工が織物業で働く町。時代は昭和30年代末。

山口昌次(山内賢)が子分のサブ(堺正章)を連れてやってきます。組長(金子信夫)の命を受け、一人でも多くの女工を辞めさせ、高く売り込もうという魂胆です。

汁粉屋「満月」に落ち着きウエイターとなった昌次は、店に来た女工たちのなかの林田サツキ(西尾三枝子)を好きになり、お汁粉代をサービスしますが、サツキは同じ定時制に通う脇村太一(舟木一夫)の忠告で、昌次の人となりを知り、翌日、激憤して汁粉代を返しに来ます。

昌次は、かつての仲間の太一が自分の素性をサツキにもらしたものと思い込み、太一を神社に呼び出して喧嘩を売りますが、言い合いをしているうち気心がわかり仲直りします。

太一とサツキは昌次を更生させようとハイキングに誘いますが、歌もほとんど知らない昌次には面白くありません。

そんなある日、サツキの父が胃ガンとわかり、入院費の必要に迫られたサツキは女工を辞め、組長の組織に就職をまかせようと決心しますが・・・。
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蔵原惟繕監督「銀座の恋の物語」(日活、1962年、93分)☆☆☆★

2022-12-24 20:06:23 | 日本・1960年~
大ヒットした「銀座の恋の物語♪」をモチーフに山田信夫・熊井啓が脚本を書き、出来上がった作品です。昭和37-8年頃の銀座の街並み、雰囲気が偲ばれます。

伴次郎(石原裕次郎)は銀座で人力車のバイトで生活をたてながら画家を目指す青年。恋人・秋田久子(浅丘ルリ子)の肖像画作成に没頭。音楽家志望でジャズ喫茶のピアノひきの宮本修二(ジェリー藤尾)と同居しています。

久子は銀座高級洋装店「銀座屋」で働くお針子。二人は一緒につくった「銀座の恋の物語」を胸に秘め、互いに結婚を望んでいました。ところが、次郎が美術会社の就職を蹴ったことで久子は落胆。生活が成り立たないことを悲しみ、別れることを決意。

反省した次郎は久子のため就職の道を選びます。次郎は久子を連れて故郷の信州に住む母にあわせるために、新宿駅のホームで待ち合わせたものの、仕事が立て込んであわてて駅に向かった久子は車にはねられ、そのまま姿を消します。

次郎は働きながら絵を描続け、婦警の関口典子(江利チエミ)と久子を探します。

ある日、次郎は銀座のデパートのアナウンス係の女性の声が久子だと気づきます。しかし彼女は井沢涼子と名乗り、記憶喪失症になっていました。次郎は久子の記憶回復を願い、ふたりの記憶を呼びおこそうと懸命の努力を重ねますが・・・。
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斉藤武市郎監督「若い東京の空の下」(1963年、98分)☆☆☆

2022-12-23 19:32:24 | 日本・1960年~


タイトルは橋幸夫・吉永小百合のヒット曲で、本作品の主題歌です。(この頃の作品のなかでの吉永小百合さんは、おしなべて「正義の味方」で、だらしない大人を「説教」しているシーンが多いです。そして、戦後民主主義の象徴?)

源氏鶏太による小説「緑に匂う花」の映画化。

舞台は東京・大田区久が原。

主人公の桑野蕗子(吉永小百合)は19歳のBG、品川のガラス工場の会計課の事務員です。家庭は停年を控えた父親の謙太郎(伊藤雄之助)と母親・ふみ(三宅邦子)、高校生の弟の(太田博之)4人暮し。兄の太郎(下元勉)は重役の娘・達枝(山岡久乃)と結婚し、次郎(近藤宏)は姉さん女房の夏子(朝風みどり)と共働きのアパート暮し。姉の律子(初井言栄)は薬局の利夫(小沢昭一)と結婚して娘もいますが、姑とのいざこざが絶えない様子です。おまけに、早稲田の学生・三上良平(浜田光夫)が桑野家に下宿するようになり、ひと悶着を起こします。

桑野家が急に賑かになります。父親の誕生日に、太郎は所用で欠席。他の子供たちは集まりますが、席上、蕗子は分相応に両親の生活費をみなで分担して捻出することを決め、彼女が月末に集金に廻ることになります(現在だったら、振り込みか、引き落とし、なのに。集金で廻るというのが時代を感じさせます)。

蕗子が同窓の幸吉(山内賢)たちと恩師(内藤武敏)を病院に見舞った後、偶然知りあった良平と幸吉の間で、引く手あまたの蕗子をめぐって諍いが起こります。蕗子は良平をかねてから敬遠していましたが次第に心のなかに微妙な変化が起り・・・。そして父親の再就職の道が速攻で決まり事態が急変します。
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神山征二郎監督「ラストゲーム 最後の早慶戦」(2008年、96分)☆☆☆☆

2022-12-21 19:34:18 | 日本・2010年~


アジア・太平洋戦争最中の1943年。

野球は戦争の敵国であるアメリカのスポーツであるとして、東京六大学野球連盟は解散します(4月)。また、学生に対する徴兵猶予は、9月に停止となりました。

出征する前に野球をやりたいと願う学生たち。慶應義塾の小泉塾長(石坂浩二)は早稲田の野球部合宿所を訪れ、顧問の飛田穂洲(柄本明)に試合を申し出ます。しかし、早稲田大学総長(藤田まこと)はこれを拒絶します。この時期に神宮球場に何万もの観客をあつめて試合を行うなどもってのほかというわけです。

主人公は戸田順治(渡辺大)。彼の兄(後に戦死)も野球をしていましたが陸軍へ志願していて、かなわなかった夢を弟に託しています。父親役に山本圭、母親役に富司純子。

この戸田一家が話の中心にすえられ、その他、順治と同室の黒川(柄本祐)が食堂の娘(原田佳奈)に恋心をいだく話、飛田部長の熱心な交渉と腹を決めた決断による出陣学徒壮行早慶戦開催にいたる話が展開されます。

最後の早慶戦は飛田部長の全責任の下(大学当局は最後まで難色を示しました)、10月16日、早稲田大学の戸塚球場でプレーボールとなりますが・・・。

この実話は、岡本喜八監督『英霊たちの応援歌/最後の早慶戦』(1979年)で一度映画化されています。
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岡本喜八監督「結婚のすべて」(東宝、1958年、85分)☆☆☆★

2022-12-20 20:11:57 | 日本・1950年~


結婚観の相違からくる姉妹の確執と彼女たちの現実の行動と生活が引き起こす顛末が描かれています。

土井康子(雪村いずみ)は、姉の垣内三郎・啓子夫婦(上原謙、新珠三千代)の生活ぶりに我慢がなりません。啓子の夫・三郎は哲学を講義する大学助教授。刺激のない退屈な主婦家業に満足している啓子に腹をたてています。

康子はモデルでバイトしながら、演劇集団「素顔座」の研究生として活動しています。芸術ズイて恋愛結婚を志望。姉の夫三郎の教え子、浩(山田真二)にあい好意を抱きます。彼は真面目な学生で、夜はアルバイトでバーのバーテンをしています。

そんな最中、雑誌編集長の古賀(三橋達也)は、啓子の容姿にほれ、彼女の写真をとり、記事にしようと追っかけはじめます。
康子は浩といい関係になりますが、彼の下宿へ行くと別の女性と懇意になっている様子です。せっかく、すばらしい恋愛結婚をして、情熱的な結婚生活をする気になっていた矢先、啓子はショックを受けます。

古賀の誘いを断りつづけていた啓子は妹の影響も受け、若い人たちを見習う気になります。結婚相談所や、花嫁教室を見て回ったりします。その帰途、古賀と酒をのみ、ダンスをし、彼から誘惑されかけそうになりますが、驚いて逃げ帰ります。夫にはウソをつきますが、それがバレ・・・。
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井田探監督「可愛い花」(日活、1959年、49分)☆☆☆

2022-12-19 16:56:12 | 日本・1950年~


ザ・ピーナッツのデビュー曲をテーマに製作された作品です。ふたりの歌うシーンがあり、愉しめます。

ユミ(伊藤ユミ)の母親は化粧品会社の女社長・荒谷しずえ(相馬智恵子)。娘のユミは歌手志望ですが、しずえは許しません。しかし、テレビのCMで歌っているのを知り、烈火の如く怒ります。ユミは母親が怖くて姿をくらましますが、しずえは興信所の腕利き調査
員・岡本ミヤ(白木マリ)を雇いユミの行方を探します。

ミヤの夫、岡本信一(岡田眞澄)はレコード会社のディレクター。業績が芳しくありません。人気最高の当社の看板歌手・平田昌彦(平尾昌晃)がまだ芽の出ない頃、テストを受けに来たにもかかわらず、岡本が追い帰した前歴がありました。株気違いの岡本はラジオの株式市況に熱中し、平田の歌をろくに聴きもしなかったのです。怒った社長は岡本に新しいタレントを発見しないとクビにすると宣告。

その時往年の人気歌手・竹下竜一(松下達夫)が娘のエミ(伊藤エミ)をつれてテストを受けに来ました。岡本はまたしてもテストのエミの歌を聴かず、株式市況にのめりこんでいます。しかし、その時エミにそっくりのユミが飛びこんで来ました。

ユミとエミは竹下としずえ双子の娘。両親が早くに別居したため、彼女たちも離れ離れに育ったのです。

うり二つのユミとエミは服装を交換し、ユミは父親のもとに、エミは母親のもとに行きますが・・・。
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舛田利雄監督「上を向いて歩こう」(日活、1962年、91分)☆☆☆

2022-12-18 16:53:52 | 日本・1960年~


大ヒットした坂本九の「上を向いて歩こう♪」に着想を得て製作された作品です。

少年鑑別所を脱走した河西九(坂本九)と友田良二(浜田光夫)。

監視員に追われた二人は、走って来るオート三輪に飛び乗ります。運転していた永井(芦田伸介)は、二人を病院へ連れていきます。

翌朝、病院に少年係の刑事が来たのを知って、二人は永井の娘・紀子(吉永小百合)のとめるのも聞かず逃亡します。しかし九は足を痛め、二人ははなればなれに。

ジャズ喫茶店に現われた良二。昔、ここのドラマーのジェシー・牧(梅野泰靖)にその基本を教わった彼。ドラマーとして更生しようと思い立ちます。しかし牧はヒロポン中毒にかかっていました。一文無しの良二が放り出されようとしたとき、永井をゆすろうといい出した男がいました。ジャズ喫茶店の用心棒・松本健(高橋英樹)です。

その永井は鑑別所出の少年を自らの運送店で働かせ、更生をはかっていました。健もかつてここにいたのです。九は永井の家に引き取られ、更生の一歩を踏み出します。失敗を重ねながら懸命に働きます。紀子の妹で小児マヒの光子(渡辺トモ子)とも仲良くなります。

良二もバンドボーイに加わりました。人が帰ったあとの舞台でドラムを叩く良二の顔に、精彩の色が。九、良二は前を向いて歩き出しますが…。
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野村孝監督「いつでも夢を」(日活、1963年、89分)☆☆☆

2022-12-17 16:58:19 | 日本・1960年~


1960年~70年代の映画をときどき観ます。わたしが小学校高学年から中学校時代です。昨晩も観ました。「いつでも夢を」です。リアルタイムでは観ていませんが、この時代の雰囲気が懐かしいです。

ストーリーは単純ですが、この時期の生活、家族関係、風俗がわかります。また、その後、有名になった俳優の若い頃がまぶしいです。

橋幸夫のヒット曲から生まれた映画です。主人公は定時制に通う木村勝利(浜田光夫)、トラックの運転手・岩下留次(橋幸夫)、医者の娘・三原ひかる[愛称:ピカちゃん](吉永小百合)です。

勝利は働きながら定時制高校に通っています。全日制の生徒に負けないで、大手の会社に入るのが夢です。成績がよく、性格もあかるいので、黒木先生(内藤武敏)は太鼓判を押しています。勝利は定時制の同級生で、町医者の娘ひかるに憧れています。

勝利が働く工場に資材を運ぶトラックの運転手・留次は、ひかるに一目惚れ。ピカちゃんをめぐって勝利と留次が火花を散らします。

ところが勝利は大手の就職試験で不合格。落ち込んでふて寝しているところにピカちゃんが見舞いにきて、ふたりの関係は・・・。
勝利の家族、いなくなった父親(織田政雄)、夜なべ仕事で生活する母親(初井言栄)、そして弟(市川好郎)、長期入院中の同級生・松本秋子(松原智恵子)との関係など、辛いけど健全に(!)、爽やかに(!)描かれています。
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井田探監督「こんにちは赤ちゃん」(日活、1964年、1964年)☆☆☆

2022-12-15 17:00:17 | 日本・1960年~


梓みちよの大ヒット曲をベースに製作された作品です。

舞台は横浜。

日本と東南アジアを結ぶ貨物船・月光丸が横浜に寄航。

船員たちは家族に久しぶりにあえるのが楽しみです。停泊時間は24時間。船員たちと家族、知人の、悲喜こもごものドタバタ劇です。

船員の五郎(山内賢)と実(杉山俊夫)は、いつもの定宿する「カモメホテル」に直行。ホテルの娘・とも子(和泉雅子)をめぐって、ふたりは恋がたきでした。

五郎の所へ、光子(有田双美子)と母親が郷里から出て来ます。五郎に好意をもっていたとも子はとたんに不機嫌に。

一等航海士の谷村(川地民夫)は服飾デザイナーの妻と別居中。生後10ヶ月の子ども母親に預けていましたが、いとこの洋子(芦川いづみ)が連れてきます。

三好無線士(桂小金治)の妻は出産間近で、夫と会いたくてやって来ましたが、出航間際になって産気づき大騒動になります。
「こんにちはあかちゃん」の映画はもう一本あります。東宝版で、松林宗恵監督です。梓みちよ本人が主演らしいです。未見です。
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伊藤俊也監督「花園の迷宮」(1986年、118分)☆☆☆★

2022-12-13 17:02:22 | 日本・1980年~


山崎洋子によるミステリー小説「花園の迷宮」(第32回江戸川乱歩賞受賞)の映画化です。

舞台は昭和17年の横浜のホテル・福寿楼。

このホテルに冬実(工藤夕貴)と美津(野村真美)という二人の女の子がやってきました。ここの女主人は美貌の持主、秋元多恵(島田陽子)。

このホテルで次々と殺人(未遂)事件がおこります。さながら乱歩ワールドです。多恵の夫・市太郎(中尾彬)が浴槽で惨殺され、ボイラーマン・三谷荘介(内田裕也)は脇腹を刺されて重体。さらに運河には地下溝を修理中の職人が殺されていました。

そんなときアメリカから市太郎の姉・秋元キク(江波杏子)が帰ってきました。キクは多恵を犯人と決めつけ、警察もまた多恵が市太郎に睡眠薬を飲ませた証拠から彼女に狙いをつけました。しかし、意識を取り戻した荘介の偽りの証言で多恵は救われます。

ある夜、多恵はボイラー室の排気ロダクトから、館のすべての部屋の声が聞こえることを知ります。荘介は館の秘密を知りつくしていたのでした。

さらに多恵を執拗にいじめていたキクが殺され、美津は自殺。真相は不明。そして、さらにエレベーターの中で、美津の不倫の相手だった武官中尉(名高達男)が百合(黒木瞳)と折り重なるように死んでいました。

すべての殺人が荘介の仕業であることを知った多恵は愕然とします。荘介は多恵に真相を告白しつつ、彼女を殺そうとしますが・・・。
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野村芳太郎監督「真夜中の招待状」(1981年、125分)☆☆☆★

2022-12-12 17:04:32 | 日本・1980年~


遠藤周作による小説「闇のよぶ声」の映画化です。ミステリー・タッチ。

稲川圭子(中村久美)は結婚をひかえていますが、フィアンセの田村樹生(小林薫)は三人の兄が蒸発しノイローゼ気味。病院(精神科)を訪れ、医師の会沢(高橋悦史)に相談します。

樹生は熊本の原田家から東京に来て、田村家の養子になりました。熊本の長兄・順吉(藤田まこと)と沼津の三兄・捷平とはほとんど交流がなく、東海村の次兄・和生(渡瀬恒彦)とだけは親しかったのでその失踪がショックでした。

会沢はノイローゼの原因を解明するため、樹生の夢を記録してくれと頼みます。夢が近未来の事態を予見することがあるからです。それを聞いて、樹生は和生が失踪前に見た、長いトンネル、線路、城跡の出る夢の話をします。

会沢、圭子、樹生は、和生の夢の謎を追い樹生の兄たちの家々を訪ねます。和生が沼津に住む捷平の失踪の謎を探りに行くと、そこには捷平が失踪前に、熊本に住む彼と長兄の妻が写っている写真を持ちかえったことがわかります。その写真には、二人の背後に謎の老人が写っていました。和生はその写真を捷平の家から持ち出した後に、蒸発したのです。

熊本を訪れた圭子は、長兄の順吉の妻ミツ(宮下順子)の兄だという久世豊吉(米倉斉加年)が順吉の描いた絵を保管していました。そこにも、捷平の写真に写っている老人が描かれていて無気味そのもの・・・。
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黒木和雄監督「祭りの準備」(1975年、117分)☆☆☆★

2022-12-11 10:53:01 | 日本・1970年~


舞台は昭和30年代の高知県中村市(現:四万十市)。

脚本家・中島丈博の半自伝的作品です。シナリオライターになる夢をもつ信用金庫勤務の青年が、地縁・血縁のしがらみのなかで苦しみ、東京に旅立ちの日を迎えるまでが描かれます。

主人公はこの作品でデビューした江藤潤さん。21歳の竹下景子さんも出演しています。

沖楯男(江藤潤)は、地元の信用金庫に勤めながら上京してシナリオライターになるのを夢みる青年。

楯男は村の赤裸々な男女関係に汲々としています。母・ときよ(馬淵晴子)は夫(ハナ肇)の女道楽に嫌気がさし、楯男、祖父茂義(浜村純)と三人で生活しています。母の過剰な愛情に息苦しさを感じる楯男。

幼馴染で大阪のキャバレーで働いていたタマミがヒロポン中毒にかかって村に戻ってきました。これを契機に次々に事件が起こります。

楯男には涼子(竹下景子)という憧れの存在がいました。うたごえ運動に熱心だった彼女は、東京からオルグにきた男にのめりこんでいきます。涼子との縁を切りたい楯男は、東京へ向かう決心を固めますが・・・・。
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