本作品の惹句には、「第一次世界大戦直前、ヨーロッパの繁栄と闇を描くミステリー」とあります。
時代は1913年。
オーストリア=ハンガリー帝国が栄華を極めたブダペストが舞台。
主人公はレイター・イリス(ヤカブ・ユーリ)。ハンガリーでは姓名の順序が日本と同様です。彼女がほとんど、でずっぱりです。そしてカメラは彼女によりそい、映像が彼女の視線の対象です。
開巻、彼女がブダペストにあるレイター帽子店で働こうと希望してやってきました。そこは高級帽子店で、彼女が2歳の時に亡くなった両親が遺した店です。
求人広告を見てやってきたとイリスが話すと、当初、彼女をお客と思っていた女店員の態度が変わり、彼女を奥の部屋に連れて行きます。女店員をまとめるゼルマ(ドボシュ・エヴェリン)が、オーナーのブリル(ヴラド・イヴァノフ)の前で質問攻めです。
イリスは、両親がこの店を経営していたこと、この店が火事になった2歳の時に、孤児の斡旋屋に引き取られ、トリエステという町で帽子屋の修行したことを話します。
その夜、イリスは店の部屋で泊まることになります。夜中イリスの部屋に、見知らぬ男が突然やってきます。
ガスパールと名乗る彼は、レイター家に息子がいたとイリスに伝え、彼女自分に兄がいたことを初めて知り愕然とします。兄・カルマンは伯爵殺しという大事件を起こしていました。彼女はカルマンの行方を捜し始めますが…。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます