シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

リー・H・カツィン監督「栄光のル・マン(Le Mans)」(アメリカ、1971年、109分)☆☆☆

2021-09-30 21:00:51 | アメリカ・1970年~


TVで放映されていました。録画で観ました。

舞台はフランスの小都市ル・マン郊外で毎年開催される苛酷な「24時間耐久レース」。モータースポーツの祭典です。

アメリカ人のレーサー・マイク(スティーブ・マックイーン)は、ポルシェチームの一員となり「ル・マン」に参加。

前年の大会では一台のフェラーリと衝突し、リタイア。相手のドライバーが死亡するという悲劇を経験しました。その妻リサ(エルガ・アンデルセン)が姿をみせ、フェラーリチームのオーラックの傍にいることに、マイクは戸惑います。

マイクはポルシェ20号車に乗りスタート。降りしきる雨の中、好敵手、スターラーが乗るフェラーリ8号車と首位を争います。ドライバー交代中、食堂でリサに声をかけるマイク。ここへなぜ戻ってきたかを尋ねると、彼女は自分の居場所を確認するため、と答えます。

夜が明けた頃、大事故が発生。フェラーリ7号車のオーラックがコース外へ飛び出し、マシンが爆発、彼は重傷を負います。その事故に気を取られたマイクは周回遅れに絡んでクラッシュ。20号車は大破する。

レースはポルシェとフェラーリが接戦のまま最終盤を迎え、マイクは選手交代して21号車をドライブするようチーム監督から要請されます。激しく競い合い、勝負は最終周回までもつれ込み、・・・。
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ヘンリー・キング監督「キリマンジャロの雪(The Snows of Kilimanjaro)」(アメリカ、1952年、117分)☆☆☆★★

2021-09-29 20:55:47 | アメリカ・1950年~


ヘミングウェイによる同名小説の映画化です。

主な舞台はキリマンジャロの麓。内容は主人公ハリーの女性遍歴ですが、数奇な人生のテイストが作品に結晶しています。

キリマンジャロ山の麓で狩猟中、脚の壊疽が悪化し、救助隊を待っていた小説家ハリー(グレゴリー・ペック)が自身の人生を回顧します。

最初の恋人コニーとの辛い別れ。そして、パリのモンパルナスでの美人のモデル・シンシア(エヴァ・ガードナー)との出会い。この恋が切掛で小説家の第一歩を踏み出したハリー。

ハリーはその後、狩猟のため、シンシアとアフリカに飛びます。そこでシンシアは流産。わけあって彼女はハリーの元を去ります。

ハリーはその後、リヴィエラで伯爵夫人リズ(ヒルガード・ネフ)と出会います。しかし、シンシアを忘れられず、パリの路上で見知らぬ女性に彼女と間違え声をかけました。その女性が、今の妻ヘレン(スーザン・ヘイワード)でした。リズとの情熱的な恋は、長続きしませんでした。

リズと分かれハリーは、スペイン人民戦線に参加。シンシアが従軍看護婦であるとの噂を耳にしたからでした。激戦のさなか再会した彼女は重傷で、息をひきとります。

シーンは再びキリマンジャロの麓。危篤におちいった夫を救おうと、ヘレンは懸命の手術を試みますが・・・。
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マーヴィン・ルロイ監督「若草物語(Little Women)」(アメリカ、1949年、121分)☆☆☆★

2021-09-28 21:00:41 | アメリカ・1940年~
  

オールコットによる同名小説の映画化です。

舞台は南北戦争下のアメリカ東北部の町、コンコード。

マーチ家のメグ(ジャネット・リー)、ジョー(ジューン・アリソン)、エミイ(エリザベス・テイラー)、ベス(マーガレット・オブライエン)の四人姉妹の物語です。

父は南北戦争に出征。留守宅は貧しかったけれども、娘たちは優しい母と平和に暮らしていました。マーチ家の隣には大金持ちのローレンス家。老人が独り暮らしです。交際はありませんでした。

クリスマスの朝、ジョーは二人の青年に会いました。ローレンス老の孫ローリイと、その友人ブルックでした。快活なジョーはローリイの部屋の

窓に雪玉をぶつけたことを切掛に、友達になります。以来、マーチ家とローレンス家の親交が深まりました。

出征中の父が負傷しワシントンで入院。母が看護のためにでかけます。留守中、ベスは猩紅熱にかかり、命はとり止めますが衰弱します。

ベスの病の最中、ローレンス家との交際が進み、メグはブルックと結婚することに。ジョーはかねてからの希望だった作家としての勉強のためニューヨークへ出発、叔母の家に引きとられていたエミイは欧州へ旅立ちます。その矢先、かねてから病に伏していたベスが他界しました。

ジョーは楽しかった四人姉妹の生活を「私のベス」と題する小説として書きあげます。
 
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小栗康平監督「死の棘」(松竹、1990年、114分)☆☆☆★★

2021-09-24 11:17:51 | 日本・1990年~
 
 
原作は、島尾敏雄による同名小説です。タイトルは新約聖書『コリントの信徒への手紙一』第15章の第55-58節にある使徒パウロの言葉に由来している、とのことです。

夫の浮気で破綻した夫婦関係と、その救いを扱った深刻な物語です。

結婚生活10年の、ミホ(松坂慶子)とトシオ(岸部一徳)。

時代は遡って太平洋戦争末期の1944年。ふたりの出会いは、奄美大島・加計呂麻島。トシオが海軍震洋特別攻撃隊の隊長として駐屯しているときのことでした。トシオは島の娘ミホをみそめます。特攻の青年が出撃する時には自決して一緒に死のうと決意していた娘。それは夢のような恋でした。

しかし、発動命令がおりたものの敗戦。死への旅立ちは、免れました。ふたりには子どもができ、しあわせな暮らしが始まったその矢先・・・。ミホとトシオの夫婦関係に破綻が訪れました。トシオの浮気が発覚したのです。

ミホは精神の発作に見舞われます。トシオは彼女の狂態に、かつての死の危機を垣間見ます。生きることの危機でした。

トシオはすべてを投げ出し、ミホに奉仕します。心を病むミホと二人の子を抱え、ある時は転居し、ある時は故郷の田舎に帰ろうと試み、考えうるあらゆる手段を講じたトシオでしたが、事態は好転しません。

そしてあろうことか、浮気の相手・邦子(木内みどり)が眼の前に現われ、・・・・。
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ブラッドリー・クーパー監督「アリー/スター誕生(A Star Is Born)」(アメリカ・WB、2018年、135分)☆☆☆★

2021-09-13 10:21:19 | アメリカ・2000年~
レディ・ガガ主演のミュージカル作品です。

カントリーロック歌手として飛ぶ鳥を落とす勢いだったジャクソン・メイン(ブラッドリー・クーパー)の私生活は、酒におぼれ乱脈をきわめていました。支えていたのは兄のボビーでした。

カリフォルニア州でのコンサートの後、ジャクソンは立ち寄ったとあるバーでアリー(レディ・ガガ)の歌声を耳にします。

アリーは、バーのウェイトレスでした。彼女の才能にインスピレーションを感じたジャクソンは、彼女を自分のコンサートで起用しようとします。話を持ちかけられたアリーは、一旦、断りますが、ジャクソンの熱意にほだされ出演することに。

コンサート当日、ジャクソンとアリーのデュエットは、大喝采を浴びます。

二人の間に、恋愛感情が芽生えます。その後、二人はジャクソンが生まれ育った牧場を訪れましたが、その土地はすでに兄・ボビー(サム・ジャクソン)によって売却されていました。背信行為に怒り狂ったジャクソンは、それまで援助を受けていたボビーと決裂。

やがて、アリーはメジャーデビューの機会をえてポップ歌手へ転身し、瞬く間にスターダムをかけあがります。ジャクソンはアリーの転身を快く思わず・・・。
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ケネス・ブラナー監督「オリエント急行殺人事件」(アメリカ、2017年、114分)☆☆☆★

2021-09-09 11:32:11 | アメリカ・2000年~
 
原作はアガサ・クリスティです。

舞台はオリエント急行の列車内。

オリエント急行の車内で殺人事件が発生します。私立探偵のポアロ(ケネス・ブラナー)が乗車していました。

被害者は前日にポワロに身辺警護を依頼した大富豪、エドワード・ラチェット(ジョニー・デップ)。ラチェットは、体の12カ所を刺されていました。

ポアロの聞き込み調査によると、乗客乗員の全員にアリバイがありました。

捜査は暗礁に乗り上げます。ポアロは直観と丹念な推理をはたらかせ、事件の真相にせまります。

予想外の犯人。しかし、わたしは観ていて、4分の3ほどで、なんとなく推測できました。
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シドニー・ルメット監督「オリエント急行殺人事件」(イギリス、1974年、128分)☆☆☆★

2021-09-09 11:27:38 | イギリス


アガサ・クリスティによる同名小説の映画化です。

イスタンブールで事件を解決した私立探偵エルキュール・ポアロ(アルバート・フィニー)はオリエント急行に乗車し、ロンドンに向かいます。2日目の夜、大雪に遭遇し、列車はバルカン半島内のある場所で停車し、動けなくなります。その翌朝、一等車の寝台でアメリカ人の乗客ラチェット・ロバーツ(リチャード・ウィドマーク)が刺殺死体で見つかりました。死亡推定時刻は深夜1時半前後。

ポアロは早速、フランス人車掌ピエール・ミシェルと共に捜査にあたり、犯人の究明にかかります。

容疑者は寝台車に乗っていた12人。しかし、それぞれにかっこたるアリバイがあります。

著名な俳優が多数。被害者の秘書兼通訳でアメリカ人青年のヘクター・マックイーン(アンソニー・ホプキンス)、英国軍大佐のアーバスノット大佐(ショーン・コネリー)、教師のメアリー・デブナム(バネッサ・レッドグレイブ)、中年のアメリカ人女性のハッバード夫人(ローレン・バコール)、中年のスェーデン人女性のグレタ・オルソン(イングリット・バーグマン)、外交官でハンガリー人のアンドレイ伯爵(マイケル・ヨーク)、その夫人(ジャックリーヌ・ビセット)。

事件には数年前のアメリカでのイギリス人資産家家族の死亡事件が関与していました。

犯人は意外にも。
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クァク・ジェヨン監督「猟奇的な彼女」(韓国、2001年、122分)

2021-09-01 11:36:51 | 韓国
 


この映画の下敷きは実際の話で、ある男子大学生が地下鉄で出会ったタフな女性とのエピソードです。

女の子のように育てられた優しい性格の法学部男子学生・キョヌの語りで,話しは展開します。

キョヌ(チャ・テヒョン)がたまたま出会った「彼女」(チョン・ジヒョン)は、地下鉄のプラットフォームの端で,泥酔状態でした。「彼女」を助けた大学生のキョヌ。気立ての優しい彼が「猟奇的な彼女」に翻弄される話しの始まりでした。

何をやっても強い彼女。スカッシュでも剣道でも、キョヌは彼女に太刀打ちできません。

ふたりの関係はしだいに親密になりますが,恋人としての幸せな結末をもとめるには限界があり、別れの準備となっていきます。

双方,気持ちを書き記した手紙をカプセルの中に封印。見事な姿の樹木の根もとに、それを埋めました。2年後の再会を約束して。
しかし、2年後、彼女は約束をたがえます・・・。
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