原題は主人公の女性の名前、ウンディーネ。
「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して水に戻る」という宿命を背負った水の精ウンディーネの神話がモチーフ。ウンディーネの神話をもとにした過去の作品のほとんどは、男性目線で描かれているのに対し、本作品は女性のそれで描かれます。
要所で繰り返し挿入されるバッハ「協奏曲ニ短調(マルチェッロのオーボエ協奏曲による) 第二楽章アダージョ」が効果的。
博物館で働く歴史家・ウンディーネ(パウラ・ベーア)は、恋人のヨハネス(ヤコブ・マッチェンツ)が別の女性に心変わりし悲しみにうちひしがれていました。ある日、彼女はカフェの大きな水槽が大破する事故が切掛で、潜水作業員のクリストフ(フランツ・ロゴフスキ)と親しくなります。幸せな日々を過ごすようになったふたり。
そんなある日、ウンディーネがクリストフと交際していることを知ったヨハネスから復縁を迫られます。彼女は彼の申し出を拒否します。その夜、ヨハネスとの関係を疑う電話がクリストフから彼女の携帯電話にかかってきます。電話は一方的に切られ、彼女が折り返しの電話をしても通じません。
翌日、ウンディーネは思いあまってクリストフが働く作業現場を訪れると、彼が水難事故にあい、脳死状態にあることを知らされます。そして前夜の電話の時点で、すでに脳死判定されていて、電話をかけられる状態ではなかったことがわかります。
打ちのめされたウンディーネは・・・・。