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シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

ヘニング・カールセン監督「黄金の肉体 ゴーギャンの夢(原題:Wolf at the Door)」(デンマーク・フランス、1986年、90分)

2023-11-16 20:44:51 | デンマーク


1893年から94年にかけての、ポスト印象派の画家ゴーギャンの生活を描いた作品です.

舞台はパリそしてコペンハーゲン。

1893年、タヒチからパリに戻ってきた45歳のゴーギャン(ドナルド・サザーランド)。すぐに個展を開きますが思うように売れず(ドガがゴーギャンの作品を買っているシーンがあります)、成功しません。

愛人ジュリエット(ファニー・バスティアン)との関係が続いていました。
下宿先の14歳の娘ジュディット(ソフィー・グローベール)は、彼を慕って、モデルになっていました。

その矢先、叔父の財産を相続してタヒチに理想の国をつくろうと計画。それも束の間、深い仲だったジャワの女性アンナ(ヴァレリエ・モレア)が彼の全財産を持ち逃げします。

途方にくれた彼は、自作品をオークションに出品したり、大切に手許においておいたゴッホの絵を売り、ようやく旅費をつくります。

ゴーギャンは愛人シュリエットとジュディットをパリに残し、再びタヒチに去って行きます。

周囲の人たちとの確執、冷たいパリ画壇などのシーンが印象的です。

ガブリエル・アクセル監督「バベットの晩餐会」(デンマーク、1987年)☆☆☆☆

2019-10-02 20:39:39 | デンマーク


豊かな郷土食、極上の食卓がテーマになる映画は、そうありません。この映画は、そうした稀な作品です。あまり知られていませんが、人間的ぬくもりの感じられる佳品で、好きです。

アイザック・ディーネセンの同名の小説の映画化です。

19世紀の後半。舞台はデンマーク、ユトランド地方の片田舎です。

二人の姉妹マーチーネとフィリパが、清貧な生活をしていました。牧師として尊敬されていた父の教えを守り、祈りと節約の日々でした。この二人がまだ若かったころには、男性(後にふたたび登場するローレンスとパパン)からの求愛もありましたが、厳格な父の教えが災い(?)し、実りません。

それから50年。牧師の父はなくなり、娘二人は相変わらず祈りの日。家政婦の女性がひとり住み込みで働いています。この女性がバベットです。バベットはかつてパリの有名なレストラン「カフェ・アングレ」で料理長をしていました。バベットがここに居るのには訳がありました。バベットはパリ・コミューンで混乱したパリから亡命し、この村にたどり着いたのです。