シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

アルフレッド・ヒッチコック監督「鳥(The Birds)」(アメリカ、1963年、120分)☆☆☆★

2021-08-26 23:19:59 | アメリカ・1960年~


原作はダフニ・デュ・モーリエによる同名短編小説の映画化です。

黒い鳥の大群が人間を襲ってくる作品で,ヒッチコックの代表作です。

舞台はカリフォルニア州、サンフランシスコ。

金髪の美女、メラニー・ダニエルズ(ティッピ・ヘドレン)は、ペットショップで弁護士、ミッチ・ブレナー(ロッド・テイラー)に会います。
ミッチは11歳になる妹の誕生日プレゼントに、つがいのラブバードを探していました。ミッチに興味を持ったメラニーはラブバードをある店で購入し、カリフォルニア州ボデガ・ベイのミッチの家に届けます。そこで一羽のカモメが突如彼女を襲い、額に怪我をします。小さなこの事件は、

その後の展開の発端でした。

次々に鳥が人間を襲うシーンが続きます。

キャシーの誕生パーティで、子どもたちがカモメの大群に攻撃され、夜には大量のスズメが暖炉の煙突からミッチの家に飛び込んできたり、アニーの小学校で鴉の群れが子供たちを襲ってきたり、メラニーが港近くのレストランでミッチと落ち合ったところでカモメの大群が人々を襲い、街はパニックに陥ったり・・・。

メラニーとミッチ・ブレナー一家は、窓やドアに板を打ちつけて家に立てこもるものの、次から次へと鳥が家を攻撃し、メラニーは気絶し、精神のバランスを崩します。

そして、・・・。
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成瀬巳喜男監督「あらくれ」(東宝、1957年、121分)☆☆☆☆

2021-08-23 11:51:47 | 日本・1950年~


徳田秋聲による同名小説の映画化です。脚本は水木洋子で、原作のストーリー展開をかなり自由に書き換えているようです。
勝ち気で転婆で働き者の女性・お島の半生です。

ラストのほうで、主役のお島(高峰秀子)が自分の働いている洋服店の宣伝ビラを大学の正門前で学生達に配っているシーンがあります。ロケは「立教大学」の正門付近です(下記画像、右に並ぶ3葉)。

時代は大正初期の、主として東京(神田、下谷、本郷)。

庄屋の娘・お島は子供の時、農家にもらわれ結婚話を忌避し東京に逃げ出します。

植源の世話で神田にある罐詰屋の若主人・鶴さん(上原謙)の後妻に入りますが、女出入のはげしい主人と勝ち気なお島との間には悶着がたえません。とうとう大喧嘩になり、彼女は家出します。

行き着いた先は寒村の旅館浜屋。そこの女中となります。若旦那(森雅之)は病弱の妻と別居しています。しかし、いずれ妻が戻ってくれば、彼女は浜屋をさらなければなりません。それを承知の彼女はそうそうに、東京へ帰り、洋服店につとめます。

この洋服店で、同業の職人小野田(加藤大介)と知り合いになり、彼女はミシンを習って下谷に店をもちます。小野田は怠け者ですが、勝気で働き者のお島の力で、商売は軌道に。

しかし、ゴタゴタは絶えません。お島は自力で本郷に店をかまえます。店は繁昌しますが、小野田は仕事一方のお島が気に入りません。そんな彼が不満のはけ口としたのは・・・。
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川島雄三監督「青べか物語」(東宝、1962年、100分)☆☆☆☆

2021-08-18 21:25:36 | 日本・1960年~
山本周五郎による同名随筆の映画化です。脚本は新藤兼人。

舞台は昭和30年代前半の江戸川河口の浦粕(現・浦安)集落。

題名の「ベカ」とは「貝や海苔採りに使われる一人乗りの平底舟」です。

「沖の100万坪」と呼ばれる風景が気に入って漁師町・浦粕にやってきた小説家の「先生」(森繁久弥)は、芳爺さん(東野英治郎)の勧めにほだされて「べか舟」を買わされます。「青べか」と名付けられたその舟で日々釣りをする「先生」。

貧しくも素朴、常識外れの人々の行動が「先生」の目を通して描かれます。登場人物がユーニークな人ばかり。

堤防に程近い、しもた屋の二階では、怖い顔をした増さん(山茶花究)と、根はやさしく、足の悪い女房・きみの(乙羽信子)が貧しくもけなげに暮らしています。わけあり夫婦です。

理髪店・浦粕軒に集まる人々は変人、奇人揃い。消防団の親父・わに久(加藤武)、五色揚げの惣菜屋・勘六(桂小金治)、芳爺さん(東野英治郎)。この町の噂は、すべてこのオヤジたちから発信されています。

「ごったく屋」では、おかみ(都家かつ江)はじめ、酌婦のおせいちゃん(左幸子)と朋輩のおきんちゃん(紅美恵子)とおかっちゃん(冨永美沙子)がはじけています。

これらの下町の面々がすさまじいバイタリティで、人間くさい生活をしていて、「先生」はそれを観察しながらエッセイにしたためるのでした。
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マルガリータ・ビリヒナ監督「アンナ・カレーニナ」(ソ連、1976年、79分)☆☆★★

2021-08-14 20:24:34 | ロシア・ソ連


レフ・トルストイの小説をベースにしたバレエ映画作品です。

振付はマイヤ・プリセツカヤ自身が担当し、主役のアンナ役を演じています。アンナの恋人役の青年貴族・ウロンスキーを演じているのはアレクサンドル・ゴドゥノフです。

ボリショイ劇場の代表的メンバーが総出演です。

全体は基本的に舞台の場割と振付けを踏襲しながらも、群舞のシーンなどで映画的手法をいかした構成です。

【第1幕】(1)プロローグ、(2)舞踏会、(3)マズルカ、(4)4人のパートナー、(5)吹雪、(6)ペテルブルグ、(7)カレーニンの非難、(8)カレーニンとアンナとの会話、(9)ウロンスキーの夢、(10)アンナとウロンスキー。
【第2幕】(11)競馬場、(12)ウロンスキーの落馬、(13)アンナの二重生活、(14)アンナの病気と夢、(15)イタリーへの旅立ち。
【第3幕】(16)イタリーでのアンナとウロンスキーのデュエット、(17)宮殿での儀式、(18)アンナの息子との面会、(19)イタリー・オペラ、(20)アンナとウロンスキーの最後のデュエット、(21)アンナの死。
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セルゲイ・M・エイゼンシュテイン監督「ストライキ(Стачка)」(ソ連, 1925年、81分)☆☆☆★

2021-08-04 20:46:00 | ロシア・ソ連


「戦艦ポチョムキン」で著名なエイゼンシュテイン監督の最初の作品です。サイレント(無声)映画です。日本公開はずっと遅れて1970年です。

全体は6部構成です(「工場すべて異状なし」「ストライキの理由」「工場の稼働停止」「ストライキ発生」「挑発と失敗」「駆除」)。

舞台は1900年代初め、帝政ロシア治下のある大きな鉄工場。

苛酷な労働条件と低賃金に不満を持つ労働者は、ロシア社会民主労働党の組織を中心にストライキを計画。不穏な動きを察知した経営者側は、警察と軍隊と協力して対策を練ります。

変装したスパイの労働者グループへの潜入、労働者達による「ストライキ」の決行、資本家の反撃と挑発が劇的に描かれます。
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アルフレッド・ヒッチコック監督「私は告白する(I confess)」(アメリカ・WB、1952年、95分)☆☆☆★★

2021-08-02 23:23:12 | アメリカ・1950年~
 


先日、BSPで放映されていたのを録画し、観ました。

原作はポール・アンセルムによる戯曲「私たちの2つの良心(Nos Deux Consciences)」。

舞台はカナダ・ケベック市。

実際の強盗殺人犯から告解で、その事実を聞いた神父が、事件後、自身に容疑がかけられるも、戒律により真犯人を明かすことができないために、追い詰められる物語です。

敬虔な神父・マイケル・ローガン(モンゴメリ・クリフト)は、ある夜、教会で働くオットー・ケラー(O・H・ハッセ)から強盗殺人を犯したとの告解を聞きます。

事件を担当するラルー警視(カール・マルデン)は、犯行時、犯人が僧衣をまとっていたことを突き止めます。疑いがかかったのは神父・マイケルです。

マイケルは戒律によって、ケラーの告白を他言できません。犯行のあった夜、マイケルは国会議員の妻・ルース(アン・バクスター)と会っていてアリバイがありました。

ルースは法廷でマイケルの無実を証言します。そして、マイケルが聖職を志す以前、彼と恋愛関係にあったことを打ちあけます。

事件の被害者であったヴィレット弁護士は、脱税発覚を免れるために、過去の彼らの恋愛関係をもちだし、脅迫した事実が判明します。

マイケルは起訴されます。しかし、確証がないため無罪。ところが、世間の人々はこの判決を承服せず、マイケルを糾弾しますが・・・。

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