シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

村山新治監督「故郷は緑なりき」(1961年、91分)☆☆★

2023-05-29 19:56:11 | 日本・1960年~

原作は富島健夫による同名小説。学園もので、若い二人の青春の恋愛をあつかった佳作です。21歳の佐久間良子の初々しい演技が印象的です。

冒頭、「アイタシ スグカエラレヨ ユキコ」という電報を読む海彦(水木㐮)。

遡って4年前。高校一年の三学期、海彦は父と二人で長兄の住む海辺の町の学校に転校してきました。最初の朝、海彦は通学する汽車の中で、座席に座っているセーラー服の少女(佐久間良子)をみとめます。少女もまた、じっと海彦を見つめていまいた。
二人は汽車通で毎朝のように会います。言葉を交わすことなく。海彦が二年に進級したある日、満員の列車に乗れないでいた少女をかばって乗せことが縁で、二人は親しく言葉をかわすようになります。

少女の名前は志野雪子。裕福な家庭に育った彼女は、海彦に大学受験にそなえ勉強するように励まします。しかし、海彦の家は貧しく、それどころではありません。

雪子との交際を狙っていた不良学生の和田が、二人に難癖をつけてきます。二人にとって、和田の行動は耐えがたいものでした。
夏休みの終り、突然、海彦の父が亡くなります。兄夫婦はK市に小さな店を開いて引越し。海彦一人きりの家に時折、雪子がたずねてきます。二人の行動を憂慮した組主任の竹田先生(三國連太郎)は、女教師の小沢先生(藤里まゆみ)とともに二人を呼び、自重をうながしますが・・・。
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石井輝男監督「黄色い風土」(1961年、89分)☆☆☆

2023-05-28 19:57:50 | 日本・1960年~


原作は松本清張による同名小説。ただし、本映画作品では原作と異なる設定が多々あります。一例ですが、キーワードになるカトレアが原作では沈丁花。

舞台は東京、横浜、熱海、そして名古屋、犬山、真鶴。(←清張らしくあちこち)

「週刊東都」の記者若宮(鶴田浩二)は女性問題の権威、島内輝秋(柳英二郞)の談話を取るため熱海に向う車中、沈丁花の匂いを漂わせ隣に座っている美貌の女(佐久間良子)に興味を惑かれます。また、見送人が誰もいず双方そらぞらしい感じの新婚夫婦に疑問をもちます。

熱海で村田通信員に迎えられた若宮は「鶴屋ホテル」に宿泊。その晩、431号室の彼の部屋に間違って黒い洋服を届けた男がいました。翌日、島内を訪ねた若宮は、室内で沈丁花の匂いを嗅ぎ、車中の女を思い出します。

その矢先、錦ケ浦で自殺事件。現場にとんだ若宮は、その死体が例の新婚夫婦で妻は失踪したと聞きます。また、その部屋は481号室。昨夜の男は自分の部屋と間違えたのだと知ります。この自殺に疑問をもつ若宮。

編集長、木谷(丹波哲郎)も若宮と同感。若宮と同僚の田原は社会部を外され、この事件を追うことになります。

数日後、「鶴屋ホテル」のフロント係春田が、名古屋の西山旅館で殺されました。やはり、連れの女がいました。

名古屋に飛んだ若宮は島内と偶然に逢います。その部屋には微かな沈丁花の匂いが・・・。

帰京した若宮は、新聞をみて驚きます。倉田という男が真鶴岬でニセ札をポケットに入れて惨殺され、その男は、若宮の部屋に洋服を間違えて届けた男だったからです。

事件の行方は・・・。
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澤井信一郎監督「福澤諭吉」(1991年、123分)☆☆☆★

2023-05-27 19:59:47 | 日本・1990年~


幕末から明治の激動の時代を生きた福澤諭吉(1835-1901)の半生を奥平外記との葛藤を軸に描いた作品です。

1835年、豊前(大分)中津藩の下級武士の家に生まれた諭吉は、同じ年に生まれた家老の息子・奥平外記に下士として扱われ、言い知れぬ屈辱を味わい、封建体制の矛盾に由来する差別を憎んで育ちます。

21歳、兄の勧めで蘭学を志した諭吉(柴田恭兵)は、奥平(榎本孝明)の供という形で長崎に留学。

さらに蘭学を学ぶため、大阪へ向かった諭吉は緒方洪庵の「適塾」に入門。ここで諭吉は頭角をあらわし、塾長となります。
1858年、25歳になった諭吉は、家老となった奥平から蘭学塾の塾長になれと呼び出され、江戸に向かいます。

そんなある日、適塾の後輩・岡本周吉と物見遊山に出掛けた横浜で英語の存在を知ります。諭吉はオランダ語がすでに過去のものとなっていることに衝撃を受けますが、気持ちを切り替えて英語の習得につとめます。そこから西洋文明へ開眼していき、咸臨丸にて渡米。帰国後、塾を福沢塾と改名し、英語を中心に教えます。

1866年、第二次長州征伐に幕府が大敗し、倒幕の動きが激化する中、諭吉は幕府海外使節団の通訳として再び渡米。帰国後「西洋事情」を著し、その出版料を元手に塾を芝・新銭座に移転。その名を「慶応義塾」とし、諸国の人材の養成を目指しますが、上野では旧幕府軍(彰義隊)と新政府軍の戦いで塾生が抜けていき・・・。
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森永健次郎監督「恋人をさがそう」(1967年、81分)☆☆☆

2023-05-25 20:01:42 | 日本・1960年~


FB故障時(ほぼ一週間)にも続けていた映画鑑賞記録を貼り付けています。

原作は『平凡』に連載された大林清による同名小説です。

舞台は東京、そして九州の天草。

大学受験を目前にひかえた高校三年生でラグビー部のキャオウテン、伊地知哲夫(西郷輝彦)。母あつ子(奈良岡朋子)が交通事故で入院。幼時に父親をなくし、母の手一本で育った哲夫は、手術費を稼ぐためアルバイトを探します。

クラスメートで、自称、哲夫の個人的マネージャー、桂木田鶴子(梓英子)の父の世話で、彼は毎朝新聞の発送部でアルバイトの職を得ます。

哲夫は新聞社近くの喫茶店で受験勉強をするうち、ウェイトレスの佳子(五月女マリ)と顔なじみになります。そんな哲夫に嫉妬した同じ発送部で働く猿金(前野霜一郎)が、ある日突然いちゃもんをつけてきます。これを機会に、田鶴子の父は哲夫を発送部から編集局へ異動させます。哲夫にとって夢のような話でした。

その矢先、東京の女子大に通っている九州出身の鮫島幾子(松原智恵子)が哲夫を訪ねてきます。母と絶縁している義理の祖父・達之助(花沢徳衛)が哲夫に会いたいというのです。

哲夫は天草一の財閥・伊地知家を訪れます。頑迷な達之助の目論見は、哲夫を伊地知家の後継ぎにし、幾子と結婚させようというものでしたが・・・。
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澤井信一郎監督「早春物語」(1985年、96分)☆☆☆☆

2023-05-24 20:03:37 | 日本・1980年~
高校生の女の子が42歳の独身中年サラリーマンに寄せる想いが恋に変っていく過程を、みずみずしいタッチで、しかしシリアスな物語展開で描いた作品。シリアスというのは、このサラリーマンがかつて女の子の母親と恋愛関係にあったという契機が挿入されていることです。

原作は赤川次郎の同名小説。

舞台は鎌倉、東京(銀座、原宿、神田のあたり)、そして箱根。

サラリーマンの梶川(林隆三)は金属関係の商社に勤務。男女の恋愛に疎い女子高校生の沖野瞳(原田知世)は写真クラブに属し、春の鎌倉をテーマに撮影していたところ、偶然に梶川に会います。ものおじせずはっきりモノを言うタイプの瞳は彼に関心をもち、その後、彼の会社を訪れます。

そのうち家にあった母親の写真を見て、その後わかったのは、梶川がかつて瞳の母親と恋愛関係にあったにもかかわらず、会社が彼を海外派遣したおりに、別れたということ。衝撃を受ける瞳。

真実をつきとめたい瞳は、かつて梶川と母親がデートに使っていた神田の喫茶店に呼び出し、出世のために母を捨てたのかと梶川に迫り、捨て台詞をはいて喫茶店を飛び出します。

後日、瞳は梶川が再びアメリカに行くことを知って・・・。
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森崎東監督「喜劇・女は男のふるさとヨ」(1971年、91分)☆☆

2023-05-15 19:45:13 | 日本・1970年~



金沢(森繁久弥)と竜子(中村メイコ)が営む「新宿芸能社」は踊り子斡旋業。そんなふたりを慕う踊り子たち。

全国の小屋をひとりで渡り歩くのは「またたび笠子」。「かあさんアタシ結婚するわよ」「誰と?」「誰かと」笠子(倍賞美津子)の呑気な婚活宣言。男に惚れやすいのが母親、4竜子の心配の種です。

笠子を慕う「アオカン星子」は踊りズブの素人で、素顔が泣きべそ顔。それと男に対してオープンすぎる、と竜子は心配します。

笠子は旅先で知り合った照夫(河原崎長一郎)と車で東京から四国へとともに旅をするうちに、自分に対する誠意が本物であることを知って結婚を決意します。ところがふたりが上京し、みんなから祝福を受けた夜、寝物語に聞いた彼の話では実は女房子供持ちであり、遺産相続をめぐって係争中であることが分かります。失意の笠子はまたひとり旅へ。

星子(緑魔子)は踊りが上達し、目覚めたプロ意識から整形手術。ケチ権という50も年の離れたボーイフレンド(伴淳三郎)もできます。自殺願望の青年を助けようとした無垢な真心が誤解され警察沙汰になりますが、その星子の純真さに惚れたケチ権が求婚すると、あっさり承諾。みんなに祝福されて幸せな星子。そして笠子も早くかあさんが祝福してくれるような、いい男に巡り会えるよう今日も旅を続けるのですが・・・。

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斉藤耕一監督「小さなスナック」(1969年、87分)☆☆☆★

2023-05-14 19:49:20 | 日本・1960年~



斉藤監督の歌謡青春映画です。

主要舞台は東京青山のあるスナック。

ひと夏が終り、初秋の小雨降るある夜、小さなスナックに三橋昭(藤岡弘)と仲間たちがたむろしていました。そこは、若者のたまり場。

昭はスナックの片隅にレインコート姿の、可憐な美樹(尾崎奈々)を目にとめます。彼女は人を待っている様子です。その夜は夏へのお別れパーティで、美樹は誘われて加わります。彼女に関心を持った昭は、パーティの後、美樹を家に送っていこうとしますが、何故か彼女は、名前以外は何一つ教えません。

昭はそんな美樹に次第に恋心を抱くようになります。何度かデートするようになったある日、昭は不意に逃げるように駆け去った美樹の後を追い、彼女の家をつきとめます。そこは「ミキ美容院」。昭は、美樹のような若い年齢で美容院を経営していることに、不審の念を抱きます。その日から、美樹は昭の前に現われなくなりました。

そんな時、仲間の江島が富士サーキットで行なわれたグランプリ・レースに優勝。祝賀会の後、美樹を忘れられない昭は霧雨の街を歩いていると、前に美樹が。二人はその夜、初めて口づけを交します。しかし、またしても美樹が昭の前から姿を消し・・・。

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斉藤耕一監督「落葉とくちづけ」1968年、87分)☆☆☆

2023-05-13 23:20:26 | 日本・1960年~



斉藤監督得意の歌謡青春映画です。

タイトルはヴィレッジ・シンガーズの持ち歌。

信子(尾崎奈々)と仲間の五人組(ヴィレッジ・シンガーズ)は、学園祭で舞台にたち、それ以来、俳優になろうとします。しかし、信子に来る仕事は怪獣の着ぐるみかぶってCMに出るものばかり。

漫画家志望の田舎から出てきた純(藤岡弘)は、純情傾向の漫画を編集部に持ち込むものの、時代にあわないと追い返されます。優しく話を聞いてやるのは、編集部の亜紀(香川美子)。

純は恋人の信子を追って東京へ出てきたのでした。ペンキ塗りのバイトしながら漸く信子をみつけますが、信子自身は彼をしらないと言います。

純は五人組をモデルに漫画を描きます。五人組が髭を剃ると本物のヴィレッジ・シンガーズそっくりになり、取り違えられる事件が起こります。それも純の漫画の中のことらしく、現実と幻想の境界は次第に曖昧になり・・・。

信子は純に連れられて田舎へもどりますが、そこは荒れ果て、純のほうが記憶喪失だったらしいことがわかり・・・。

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斉藤耕一監督「虹の中のレモン(1968年、87分)☆☆☆

2023-05-12 20:27:49 | 日本・1960年~



タイトルは本作品の準主演、5人組のヴィレッジ・シンガーズのナンバー。

舞台は、鎌倉にある前田邸。

前田邸は閑散としています。それというのも、主人、剛造(加藤大介)が出奔し、息子、健(竹脇無我)は家出。四年も消息がありません。この大邸宅の往人は老僕、吉岡(美川陽一郎)とその娘、民子(葉村エツ子)、それに彼女の友だちエミ(尾崎奈々)の三人だけでした。

エミと民子はこの前田邸を児童福祉に役立てようと考え、近所の子供を集め楽しい生活を始めます。子供たちは、当時の人気バンド、ヴィレッジ・シンガーズの演奏がききたいと難題を提案します。

その頃、ヴィレッジ・シンガーズの面々は、ボーナス休暇で鎌倉海岸に遊んでいました。彼らはそこで雑誌記者(中山仁)から音楽の勉強をしている前田健(竹脇無我)を紹介され、アルバイトのかたわら黙々と作詞作曲にうち込む健に好感を抱きます。

その日、令嬢に扮しグループ・サウンズを探していたエミはヴィレッジとも知らず、彼らに話をもちかけます。それから数日、健がふらりと帰って来ました。前田邸に滞在していたヴィレッジはびっくり仰天。エミの驚きはそれ以上でした。

やがて健とエミの間に恋が芽ばえます。

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李闘士男監督「体脂肪計タニタの社員食堂(2013年、100分)☆☆☆★★

2023-05-11 19:49:07 | 日本・2010年~



レシピ本のベストセラーになった『体脂肪計タニタの社員食堂〜500kcalのまんぷく定食〜』の映画化。健康機器メーカーの「タニタ」が社員の健康維持を目的に食堂のメニューの改善をはかった実話。

世界初の体脂肪計の開発に成功した「タニタ」。しかし、社長・谷田卯之助(草刈正雄)の息子で副社長の幸之助(浜野謙太)を筆頭に、社員は肥満体型の者ばかりで、モニタの評判は芳しくなく、売り上げは頭打ちでした。

そんなある日、卯之助が病気で倒れます。卯之助に代わり新商品発表会のプランを任された幸之助は、卯之助の厳命に従い、社員自らダイエットを行い、その経過を発表するプロジェクトを提案します。

幸之助自身は高校時代の同級生で、その頃、肥満体型だった栄養士の春野菜々子(優香)を社員食堂の管理栄養士として雇い、プロジェクトを軌道にのせます。

菜々子は肥満社員たちを叱咤激励し、自らは食事の満足度を上げるダイエットメニューを模索します。当初はその成果を疑問視していた社員たちはメニューの質の高さを評価、菜々子を見直します。ところが、恋人に浮気された肥満の女性社員・福原(小林きな子)がダイエットによるストレスもわざわいして、会社で飛び降り自殺騒ぎを起こし、プロジェクトは中止。幸之助は新商品発表会の担当をはずされ・・・。

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角川春樹監督「みをつくし料理帖(2020年、131分)☆☆☆☆

2023-05-09 20:34:52 | 日本・2000年~



高田郁による同名小説の映画化です。

舞台は江戸時代の大坂、そして江戸。キーワードは「旭日昇天」「雲外蒼天」。

享和2年の大坂、8歳の澪と野江は仲の良い幼なじみ。

数年後、大洪水がこの地におしよせ両親を亡くし、野江とも離ればなれになった澪(松本穂香)は大坂随一の料理屋「天満一兆庵」の女将、芳(若村麻由美)に助けられ、奉公人として働きます。

その後、江戸に出て蕎麦処「つる家」の店主・種市(石坂浩二)に見込まれ、天性の料理の才能を見いだされた澪は女料理人としてつとめ、さまざまな困難に立ち向かいながら、店の看板料理を生み出します。とくに上方の昆布と江戸の削り節を調合した出汁を使った茶碗蒸しが評判になります。

その味が江戸中の評判になっていったある日、吉原・翁屋の又次(中村獅童)が「つる家」にやってきました。その用件は、吉原で頂点を極めるあさひ太夫(奈緒)のために澪の看板料理を作ってほしいということでしたが・・・。

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久保田直監督「家路」(2014年、118分)☆☆☆☆

2023-05-08 19:35:17 | 日本・2010年~



主要舞台は福島県、とくに東日本大震災の原発事故以降、除染地域となった双葉郡川内町。現地ロケです。

除染地域で立ち退きの目にあった家族。その絶望的な状況下で、希望に向かって踏み出す姿が描かれた作品。

先祖代々の土地を守って暮らしていた総一(内野聖陽)は、東日本大震災後の原発事故で立ち入り禁止区となった故郷を離れることを余儀なくされ、やり場のない怒りを抱えながら妻(安藤サクラ)と娘、そして母(田中裕子)とともに仮設住宅で、先の見えない毎日を送っていました。

そんなある日、20年近く前に故郷を出た弟・次郎(松山ケンイチ)が帰郷します。弟といっても、腹違いの子で、総一と暮らしている母の子です。

総一のもとに、次郎が警戒区域にある生家に住み着いているという連絡が入ります。いまや無人となった村に戻った弟は、ある思いに突き動かされてたったひとりで苗を育てていました。

次郎は20年前に、父親の政敵の田んぼの水を抜いた総一の身代わりとなって、故郷を離れ、上京していたのです。以来、音信不通となっていました。

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松岡錠司監督「続・深夜食堂」(2016年、107分)☆☆☆☆

2023-05-07 20:38:12 | 日本・2010年~


本作品は、前作品「深夜食堂」の文字通り続編です。「焼き肉定食」「焼きうどん」「豚汁」がキーワード。

東京新宿の路地裏にたたずむ「めしや」。開店時間は深夜の零時、朝7時頃閉店です。豚汁定食意外にはお酒(ビール、日本酒、焼酎)のみ。あとはマスター(小林薫)が時々作る料理。いつも常連のお客で一杯です。

深夜、「めしや」に喪服姿の常連客が次々とやってきます。同じく喪服を来た範子(河合青葉)も。編集者の彼女は、喪服を着ることがストレス発散になるという変わった趣味の持ち主。通夜の席で出会った喪服の似合う渋い中年男性(佐藤浩市)に惹かれますが・・・。

一方、近所にあるそば屋の息子・清太(池松壮亮)は、子離れしてくれない母親・聖子(キムラ緑子)に、15歳年上の恋人さおり(小島聖)との結婚を言い出せずにいますが・・・。

また、お金に困った息子に頼まれて福岡から来た夕起子(渡辺美佐子)は、息子の同僚を名乗る男性に200万の大金を渡します。詐欺ではないかと心配する常連客たちに、夕起子の義弟(井川比佐志)が彼女の身の上について話しはじます。

他に常連客役で不破万作さん、巡査役でオダギリジョーさんが出演しています。
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松岡錠司監督「深夜食堂」(2015年、119分)☆☆☆☆

2023-05-06 20:35:47 | 日本・2010年~


本作品は、深夜の零時から朝の7時まであいている「めしや」に集まる個性的な面々が、悲喜こもごもの人生を繰り広げます。「ナポリタン」「とろろご飯」「カレーライス」の3つメニューがキーワード(?)。

舞台は東京の新宿界隈の路地裏に佇む「めしや」。決まったメニューは豚汁定食と酒(ビール、日本酒)のみ。あとは時々の思いつきの惣菜。マスター(小林薫)の作る料理が評判で、常連のお客がいつも。

・ナポリタン
久しぶりに一人で来た女性客の「たまこ」(高岡早紀)。愛人が亡くなり遺言状には自分の名前がなかった、と愚痴ります。その後、彼女は隣で飲んでいた常連客の「はじめ」(江本時生)と親密な仲になりますが、愛人の遺言状が本妻によって書き換えられていたと知って・・・。

・とろろご飯
ネットカフェを転々とし、公園で水を飲み空腹を紛らわせているワケあり女子、みちる(多部未華子)が、「めしや」に現れ「とろろご飯」を注文。お腹の音が鳴るほど空腹だった みちるは注文品が出来るまで、マスターが用意してくれた料理を食べ始めます。ところが「とろろご飯」が出来上がると、彼女の姿はなく・・・

・カレーライス
「めしや」の常連客で、福島の被災地にボランティアにも行っているバスガイドの小夜とあけみは、福島の津波で妻を亡くした謙三(筒井道隆)に出会います。ボランティアとしてあけみに親切にされた謙三は、彼女に夢中になり・・・。
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黒土三男監督「星めぐりの町」(2017年、108分)☆☆☆☆

2023-05-05 20:33:59 | 日本・2010年~


監督は立教大学法学部出身。代表作は「蝉しぐれ」。本作品が遺作となりました(本年3月に他界、合掌)。

また、脇役として長く活躍してきた小林稔侍の初主演映画でもあります。「いぶし銀」の味を出しています。

舞台は愛知県豊田市。

若き日々、京都で豆腐作りの修行した島田勇作(小林稔侍)は 豆腐店を経営(「平野屋豆腐」)。妻を早くに亡くし、一人娘の志保(壇蜜)との暮らし。評判のおいしい豆腐を作っていますが、手作りゆえに少量生産です。

ある日、警察官(神戸浩)が、東日本大震災で家族全員を失くした少年・政美(荒井陽太)を連れてきます。聞くところによると、政美は亡き妻の遠縁にあたるとのこと。押し黙ったまま、自分の殻に閉じこもっています。

政美は島田のやっかいになります。そんな政美を島田は豆腐作りを通して、静かに見守り続けます。

豆腐をつくる作業に関心をもつようになり、手伝いをはじめた政美は、勇作と志保とに支えられて少しずつ心をひらきます。

しかし勇作が豆腐の販売にでかけ、政美がひとりで家の留守番をしていたおりに、大きな地震が始まり・・・。

勇作が自宅に戻ると、政美の姿がみあたりません。
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