原作は辺見じゅんによるノンフィクション『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』です。
舞台はアジア・太平洋戦争期の満州、そしてソ連の強制収容所。
昭和20年(1945年)、妻モジミ(北川景子)と4人の幼い子供たちとハルピンで暮らしていた山本幡男(二宮和也)。アジア・太平洋戦争が激化するなか、現地招集で兵士となった幡男は、日本に帰還した妻子と離ればなれになり、ロシア軍の捕虜とされます。スベルドロフスク収容所、さらにハバロフスクの収容所に送られた幡男たちは、やっとのことで帰国のための帰還列車に乗車しましたが、途中で下車を命じられ、別の収容所へ。
冬期に零下40度にもなる過酷なシベリアで、強制労働に従事する幡男たち。生きる気力を失った仲間たちを、「諦めるな」と励まし続ける幡男。
その後、幡男は体調を崩します。彼をもっと設備の整った病院に移すことをもとめ、日本人捕虜たちは松田一等兵(松坂桃李)を先頭にストライキ。
2週間で病院から戻された幡男。咽頭癌の末期との診断でした。そんな彼に遺書を書くことを勧める捕虜の団長。
幡男は、1954年に45才で亡くなります。遺書を記したノートは没収。
1956年、ようやく帰国がかなった日本軍捕虜たちは、翌年から、収容所の仲間たちは幡男の家族の家を訪ね、記憶して来た幡男の遺書の内容を伝えます。収容所では日本語の書類は没収され、仲間たちは幡男の遺書を分担で暗記していたのです。