
舞台は1990年のイスラエル。崩壊寸前のソ連からイスラエルに移り住んだ中年の声優夫婦を待ち受ける運命がユーモアをたっぷりに描かれた作品。
「雪解け」以降、旧ソ連にいたユダヤ人は、イスラエルに戻ることができるようになりました。声優夫婦のヴィクトル(ヴラジミール・フリードマン)とラヤ(マリヤ・ベルキン)も、生まれ育ったソ連を離れイスラエルに移住しました。
ふたりはともにハリウッドやヨーロッパの映画をロシア語に吹き替える声優で、イスラエルでもソ連からの移住者向け映画のロシア語吹き替え関係の仕事を探すつもりでいました。しかし、当時のイスラエルには、そういう仕事がなく、妻ラヤは仕方なく、夫に内緒で「香水販売(?)」(この仕事の内容は本作品を観てください)の仕事に就き、思わぬ才能を発揮して稼ぎます。
一方、夫ヴィクトルは声優以外の仕事になじめず、結局、レンタルビデオ店で声優の職を得たものの、この店が違法な海賊版を扱っていて、警察から営業停止の手入れになります。
ある日、ヴィクトルは映画館で映画を盗み撮りしていて、逮捕されます。映画館主のシャウルに助けられたヴィクトルは、ソ連からの移住者向けの映画のロシア語吹き替えをシャウルから依頼されます。浮かれ気分のヴィクトルは、・・・。