シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

阪本順治監督「この世の外へ クラブ進駐軍」(2004年、123分)

2024-08-31 12:05:59 | 日本・2010年~
タイトルはアメリカ人の軍曹が日本人のバンドのために作曲した歌「Out of This World」。
 
敗戦間もない1947年の東京。

楽器屋の息子で軍楽隊のサックス奏者だった広岡健太郎(萩原聖人)は輩でベースのジョー、ブラスバンド上がりのピアニスト大野明(村上淳)、カントリーバンドでトランペットを吹いていた浅川広行くMITCH)、ドラマー志望の池島昌三(オダギリジョー)とジャズバンド、「ラッキーストライカーズ」を結成。演奏活動を進駐軍のクラブ「EMクラブ」で行っていました。

新たに基地へ赴任してきたラッセル・リード(シェー・ウイガム)は弟ダニーをレイテ沖海戦で亡くし、日本人を憎んでいます。息子を想い出すので、「ダニーボーイ」の演奏を禁じています。

テナーサックス奏者としても一流のラッセルは、金目当てで実力がない広岡たちのバンドもきらっています。しかしそれも束の間、懸命に努力する彼らの姿を見て、ラッセルは打ち解けていきます。

演奏の腕も上がってきたバンドでしたが、やがてメンバー個人の問題が表にでるようになり、確執がたえなくなります。ピアノの明が他のバンドに引き抜かれたことで、解散を余儀なくされます。

時が流れ、トランペットの広行がヒロポン中毒で亡くなったことをきっかけに、バンドは再結成。

その矢先、朝鮮戦争が勃発。ラッセルたちアメリカの軍人たちは戦地へと送り出されていきます。
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小林達夫監督「合葬」(2015年、87分)

2024-08-28 12:07:56 | 日本・2010年~

原作は杉浦日向子による同名コミック。

将軍徳川慶喜の身辺警護と江戸の秩序守護の任をになった武士組織・彰義隊。
大政奉還はその存在根拠を剥奪しました。レーゾンデートルを失った青年志士たちの苦悩と確執が悲劇的に描かれています。

歴史の流れをうけいれられず、志士たちは暗雲立ち込める江戸に居座わります。
そのひとり秋津極(柳楽優弥)は、福原悌二郎(岡山天音)の妹で婚約者である砂世(門脇麦)へ別離を伝えます。砂世が蒙る迷惑を案じてのことでしたが、悌二郎は納得しません。

しかし、極は自らの決心変えず、さらに養子縁組をした家から追い出された青年、吉森柾之助(瀬戸康史)をも隊に引きずり込みます。

憤懣やるかたない悌二郎は極の上司たる森篤之進(オダギリジョー)に極の解任を求めますが、もはや異常なまでに膨れ上がった隊の歯止めになるのは悌二郎のような男だ、との森の言葉に乗せられ、彼もまた隊列に加わるのでした。

その間にも新政府の兵士と隊士の対立関係は悪化。徳川家は彰義隊との関係を持たないと宣言。隊は江戸警護の任を解かれます。

これに従おうとしない隊の若者たちと政府軍との衝突を案じて、穏健派幹部は希望者の脱退を許可すると決定。異議を唱えた森は隊士たちに粛清されます。

戦乱は避け得ない運命とする彰義隊。ついに新政府軍との一大合戦。上野戦争が始まります。青春を謳歌していたはずの若者たちはつぎつぎと地に斃れていきます。
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滝田洋二郎監督「天地明察」(2012年、120分)

2024-08-22 19:41:38 | 日本・2010年~

原作は冲方丁の同名小説。

江戸前期。鎖国中の日本。

将軍に囲碁を教える名家の息子として生まれ、数学、天体への好奇心が旺盛な安井算哲(岡田准一)。囲碁の実力もなかなかもの。

将軍・徳川家綱の後見人である会津藩主・保科正之(松本幸四郎)は算哲に、日本各地で北極星の位置を確認するようにと命じます。さらに日付がずれ始めていた当時の暦(宣明歴)を補正する改暦を命じます。

算哲は金王八幡宮に新たな和算の設問が奉納されたと聞き、その場で解き始めたところ、境内を掃除中の女性・えん(宮崎あおい)に注意されます。

城に戻る時間になるも、算哲が忘れた棋譜を取りに慌てて戻ると、自分がいなかったわずかの間にやって来た男がすべての設問を解き、新たな設問絵馬を残したことに算哲は気づきます。絵馬に書かれた「関孝和」という名に興味を持つ算哲。

以後、関孝和(市川猿之助)の存在が気になります。孝和がいると聞いいた村瀬塾を訪ねた算哲は、えんと再会します。えんは塾長の村瀬義益の妹でした。算哲は義益から借りた関の書いた本に夢中になります。

その後、算哲は上役の建部伝内(岸部一徳)、伊藤重孝(笹野高史)らと日本各地での北極星の観測に旅立ちます。

長い観測の旅の後、水戸光圀に呼び出された算哲は暦に二日のずれがあることを伝えると、光圀は朝廷の公家が利権確保のため暦を独占している経緯を聞かせると・・・。
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田中光敏監督「天外者(てんがらもん)」(2020年、109分)

2024-08-21 19:43:57 | 日本・2020年~


夭折した三浦春馬さんが最後に出演した作品です。合掌。

黒船襲来、250年の鎖国時代が終わった動乱の時代。
幕末から明治初期の激動期を駆け抜けた実業家・五代友厚(1836-85)の人生を描いた作品。

主要な舞台は長崎、薩摩(鹿児島)。

長崎の海軍伝習所で将来を嘱望された若者、薩摩藩の五代才助(後の五代友厚[三浦春馬])は、藩主島津斉彬(榎木孝明)や島津久光(徳重聡)、彼らに取り立てられた大久保利通(迫田隆也)や西郷隆盛(宅間孝行)、そして伝習所を仕切る勝海舟(丸山智己)から認められる才覚の持ち主でした。

さらに土佐出身の志士・坂本龍馬(三浦翔平)、岩崎弥太郎(西川貴教)、長州藩の伊藤博文(森永悠希)と友情を深めます。

遊女はる(森川葵)との出会い。文字を学び、広い世界を見たいというはるに、いつか自分がその願いを叶えさせると誓う才助。

時代の波は才助たちを翻弄します。

一年の長崎留学を経て薩摩に帰った彼は、開国主義者であるということで命を狙われます。

才助は上海に渡り、蒸気船を購入。薩摩藩の軍備増強をはかります。

その矢先、薩摩藩士がイギリス人を殺傷した「生麦事件」が起こります。

この事件はやがて薩英戦争に結果します。圧倒的なイギリスの軍備にたちうちできない薩摩藩。捕虜となった才助を救ったのは、イギリス人に見受けを決めたはるでした。

才助はイギリス商人グラバーの支援を受けて英国留学に向かいますが・・・
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パスカル・プサドゥー監督「92歳のパリジェンヌ(原題:La Dernière Leçon)」(フランス、2015年、106分)

2024-08-20 19:45:37 | フランス
尊厳死の問題をあつかった作品です。

リオネル・ジョスパン元フランス首相の母ミレイユがモデル。原案は娘で作家のノエル・シャトレによる小説『最期の教え(La Dernière Leçon)』。

邦題にある「92歳のパリジェンヌ」は、主人公の女性マドレーヌ(マルト・ヴィラロンガ)のこと。

かつて助産婦としての仕事をこなし子供や孫にも恵まれ、穏やかな日々をすごしていたマドレーヌ。しかし、高齢化とともに、体の自由がきかなくなり、今までできていたことが次々にできなくなっていました。

その矢先、92歳の誕生日を祝う席で、彼女は「2ヶ月後の10月17日に逝く」と宣言し、尊厳死を断行することをみなに伝えます。

家族一同は動揺し、そのようなことを思いとどまるよう説得しますが、マドレーヌの決意は固く、撤回しません。

しかし、一人暮らしのマンションの部屋で倒れ入院したマドレーヌの姿を見た娘ディアーヌ(サンドリーヌ・ボネール)は彼女の思いを受け入れる気持ちになり、最期の日々をともにいたわりあいながら過ごそうと決意します。

一方、ディアーヌの兄ピエール(アントワーヌ・デュレリ)は、これまで好き勝手に生きてきた母が死までも自分で勝手に決めたことを許せず、猛反対ですが・・・。
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ジョン・ファヴロー監督「シェフ 三ツ星フードトラック始めました(原題:Chef)」(アメリカ、2014年、115分)

2024-08-18 19:46:53 | アメリカ・2000年~
一流シェフが覚えたてのツイッターで大炎上をくらい、解雇されるも、移動販売でキューバ料理をふるまって蘇生する物語。

マイアミ出身のカール・キャスパー(ジョン・ファブロー)は、ロサンゼルスのブレントウッドにある一流レストラン「ゴロワーズ」の料理長。

厨房スタッフや店長のモリーから人気がありましたが、従来どおりのオーソドックスなメニューを望むレストランのオーナーのリヴァ(ダスティン・ホフマン)と衝突。
著名な料理評論家でブロガーのラムジー・ミシェルが店に来ることなり、リヴァはカールが出したがる革新的な料理ではなく、昔ながらの人気料理に変えるように直前に要求します。カールはしぶしぶリヴァの提言にしたがいますが、冒険をしない料理を酷評されます。

カールはラムジーへのツイッターでラムジーに対して口汚く反論します。彼はスタッフに好評の新しいメニューを考案し、ラムジーを「再戦」に誘いますが、再び従来型のメニューを指示するリヴァと対立し、とうとう解雇されてしまいます。

カールは元妻イネズ(ソフィア・ベルガラ)の誘いを受け入れ、彼女と小学生の息子パーシー(エムジェイ・アンソニー)とともにマイアミに里帰り。そこでキューバ・サンドイッチの魅力を発見。キッチンカーでキューバ料理の移動販売を思いつきますが・・・。
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レイフ・ファインズ監督「ホワイト・クロウ(原題:The White Crow)」(イギリス、2018年、126分)

2024-08-13 22:31:49 | イギリス
バレエ界のレジェンド、ルドルフ・ヌレエフ(1938-93)の半生を描いた作品です。

父親の赴任地に向うシベリア鉄道のなかで生まれたルドルフは3歳でバシキール共和国ウファに移住。幼少の頃から舞踊に興味を示し、11歳で当時ウファに転入してきた元ディアギレフ・バレエ団のアンナ・ウデルソヴァにバレエに手ほどきを受けます。17歳でロシアバレエの名門校ワガノワ・キーロフバレエ学院に編入し、本格的にバレエを学びます。名教師プーシキンに師事した後、ソリストとしてキーロフ・バレエに入団。

1961年に、海外公演の途中に亡命。1963年ごろから英国ロイヤル・バレエのゲストとして20近く年上のマーゴ・フォンテインとペアを組みます。1964年にウィーンに活動拠点を移し、1980年代にはパリ・オペラ座バレエ芸術監督に就任、という経歴です。

ホワイト・クロウ(白い烏)というのは「類いまれなる人物」「はぐれ物」の意。

主要な舞台はレニングラード、パリ。

作品の焦点は海外公演の途中の1961年6月16日、パリのル・ブルジェ空港でフランスに亡命するシーンとそこに至るまでの約5週間の滞在期間中の生活と公演での成功です。

作品の展開はそこに至る幼い頃の家族とくに母の想い出、レニングラードのバレエ学校時代のレッスンシーンを織り交ぜ、青年期におけるヌレエフの芸術的鍛錬と人生観の形成を掘り下げています。
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エリック・ベナール監督「デリシュ!(原題:Delicieux)」(フランス・ベルギー、2020年、112分)

2024-08-12 22:34:05 | フランス
この作品を観ると、誰も彼もがわけへだてなく食事をとれるレストランが誕生した秘密が明らかになります。細部まで実話かどうか不明。

舞台はフランス革命前夜のパリ郊外。

宮廷料理人のマンスロン(グレゴリー・ガドゥボワ)は、公爵主催の食事会でいつものように料理をふるまっています。

ところが、自慢の創作料理「デリシュ」にジャガイモを使ったため、公爵(バンジャマン・ラベルネ)をはじめとした貴族たちの不興を買い、解雇されます。

失意のなか息子(ロレンゾ・ルフェーブル)を連れ、旅籠をほそぼそと経営する父親の実家に身をよせたマンスロン。

そんな彼の前に、ある日、謎めいた中年の女性ルイーズ(イザベル・カレ)が「料理を学びたい」とやってきました。弟子はとらないと断りますが、雨にうたれても動かない彼女その熱意に根負けし、彼女を受け入れます。

彼女の案もとりいれ、再び美味しい料理を作る喜びを再発見するマンスロン。そして、ついに、初めて一般人のために開かれたレストランを開業。店はたちまち評判となります。

その存在がくだんの公爵に知られます。貴族と庶民が同じ場所で食をとるなどが考えられなかった時代に、彼のレストランでそれが実現。

しかし、ルイーズには何か暗い過去、怨恨があってここに来て、弟子になるべく懇願したようで・・・。いったいそれはどんな?
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ナンシー・マイヤーズ監督「マイ・インターン(原題:The Intern)」(アメリカ、2015年、121分)

2024-08-11 22:35:46 | アメリカ・2000年~
ハートウオーミングな作品です。若い女性がCEOである会社に、インターンとして入った70歳の男性。二人の世代を超えた交流を描いています。

電話帳作製会社の役員を退任し、妻と死別した70歳のベン・ウィテカー(ロバート・デ・ニーロ)。

引退生活は退屈でヒマで・・。

その矢先、ベンはブルックリンにある急成長中のファッションのeコマース新興企業「About The Fit」がシニアインターンの公募をかけていることを知り、挑戦。

めでたく採用され、CEOのジュールズ・オスティン(アン・ハサウェイ)のもとで働くことになります。

彼女はベンをあてにしておらず、彼は閑職。

しかし、ベンはその気さくな人柄と経験を活かした有益な助言で同僚たちの心をつかみます。

よく気がつき、散らかったデスクの整理で信頼を得ます。

ジュールズの運転手がこっそり酒を飲んでいるのをみると、自ら運転してジュールズを家まで送り届け、数日後には彼が専属の(?)運転手となります。

ジュールズはベンに仕事を与え始め、彼は彼女の業務負担を軽減します。

「About The Fit社」の社内マッサージ師、フィオナとの交際が始まります。

ベンはジュールズの家族にも受け入れられるようになりますが・・・。
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ピエトロ・フランチーシ監督「ヘラクレス(原題:Le fatiche di Ercole / Hercules)」(イタリア、1958年、107分)

2024-08-06 22:29:57 | イタリア
舞台は古代のテッサリア(現・ギリシャ)。イオルコスの王位をめぐる政争のなかのヘラクレス伝説。
 
イオルコスの国王エリーネを弟ペリアが殺害し王位に就きます。彼はさらに王位の正統な継承者であるエリーネの幼い息子ジャソーネをも殺めようとしますが、ジャソーネは近衛隊長のキローネと国外逃亡。

ペリアは勇士の聞こえ高いヘラクレス(スティーヴ・リーヴス)を新たな近衛隊長として呼び寄せます。途中、彼はペリアの娘ヨーレ(シルヴァ・コシナ)の危難を救います。

その矢先、城の近くにライオンが出没し、血気はやるペリアの息子イフィトスはヘラクレスの制止を聞かずに立ち向い殺されます。ペリアはイフィトの死がヘラクレスに責であるとし、罪の償いとして牡牛と戦うことを命令。ヘラクレスは牡牛を倒しますが、そのおり牛に傷つけられ死にかけているキローネと出会います。

キローネは苦しい息の下からペリアとエユリストが前王を殺したこと、ジャソーネが王位に就くべきであることと告げます。

ヘラクレスはジャソーネをペリア王に紹介しますが、ペリアは王位の象徴である黄金の羊毛を持たないジャソーネを甥とは認めません。そこでヘラクレスはキローネがコルキーデの海岸にかくした黄金の羊毛を探す旅に出かけます。艱難辛苦の末、王位の象徴はジャソーネの手に戻りますが・・・。
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ウォルガング・ピーターセン監督「トロイ(原題:Troy)」(アメリカ、2004年、163分)

2024-08-05 22:32:10 | アメリカ・2000年~
数日前に観たロバート・ワイズ監督「トロイのヘレン(原題:Helen of Troy)」(アメリカ、1955年、118分)のリメイク。

壮大な一大叙事詩。

今から3200年ほど前。ギリシャとトロイとの戦闘が描かれています。この頃、ミケナイの王アガメムノンはギリシャの諸国々を同盟国とし、残すはテッサリアのみ。
弟のメネラオスは長きにわたった戦い疲れ、エーゲ海の向こうにあるトロイとの和解を目指していました。その矢先、和平協定を結ぶためにスパルタを訪れていたトロイの王子パリスが、あろうことかメネラオスの妃ヘレンと恋におち祖国に連れ帰ったため、これが契機となって戦闘が始まります。

本作品ではギリシャの勇士アキレスの猛者ぶりと彼のブリセイスとの恋にに焦点があてられています。アキレスのスタンスはギリシャ軍の一員でありながら、王のアガメムノンを軽蔑し、異端のポジション。

<ギリシャ側の主な登場人物>
アガメムノン(ブライアン・コックス)、メネラオス(ブレンダ・グリーン)、アキレス(ブラッド・ピット)、ヘレン(ダイアン・クルーガー)

<トロイ側の主な登場人物>
プリアモス(ピーター・オトゥール)、ヘクトル(エリック・バナ)、パリス(オーランド・ブルーム)、ブリセイス(ローズ・バーン)

ギリシャVSトロイの大軍団の壮絶な戦闘シーンとともに、ヘクトルVSパトロクロス、アキレスVSヘクトルの一騎打ちのシーンが見ものです。
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ロバート・ワイズ監督「トロイのヘレン(原題:Helen of Troy)」(アメリカ、1955年、118分)

2024-08-04 22:33:38 | アメリカ・1950年~
ハリウッド映画のひとつのジャンルに「史劇」があります。「十戒」(1956年、セシル・B・デミル監督)、「クレオパトラ」(1960年、スタンリー・キューブリック監督)「スパルタカス」(1963年、ジョゼフ・マンキーウィッツ監督)など。

古代ギリシャ、伝承のトロイ戦争を題材にした本作品もそのひとつです。

原作はホメーロスによる叙事詩「イーリアス」「オデュッセイア」。

ごく簡単に言えば、この物語はトロイの王子がギリシャ(スパルタ)の王妃を連れ去ったことに端を発し、ギリシャ軍が彼女を取りかえすための戦争をしかけるという展開です。ギリシャ軍の詭計である「木馬」作戦でトロイが陥落したことは有名です。
紀元前1100年。繁栄を誇るトロイ市。近隣のギリシャ諸国には気になる存在です。

トロイ王子プライアム(サー・セドリック・ハードウィック)にはヘクター、ポリドラス、そしてパリス(ジャック・セルナス)の3人の王子がいました。

トロイ征服を唱える父を説得したパリスは平和使節としてギリシャへ向かいます。
途中、嵐にあいパリスはスパルタ海岸に漂着。その彼を救い、かくまったのはスパルタ王メネラウス(ナイオール・マクギニス)の妃ヘレン(ロッサナ・ポデスタ)でした。パリスがスパルタの王宮を訪れたとき、宮廷ではトロイ攻撃の軍議の最中。パリスの平和への希求は認められず檻禁されます。ヘレンはパリスを救出し、ふたりはトロイに向かいますが、怒ったメネラウス王がトロイ征服の兵をおこすと・・・。
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