シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

ジャン・ルノワール監督「フレンチ・カンカン」(フランス、1955年)☆☆☆☆

2019-09-12 10:55:44 | フランス


ナチスから逃れて長くハリウッドにとどまったジャン・ルノワール監督(有名な画家のルノワールの息子)が帰国後、最初に着手した作品です。

フレンチ・カンカンは、19世紀後半にパリで人気を呼んだショーダンスの一種です。速いテンポの二拍子、または四拍子の曲にのって女性がスカートをたくし上げ脚を交互にあげたり、開いたり、随所に見せ場をつくりながら踊ります。とにかく華麗で激しい踊りです。この映画の舞台であるモンマントルにあるムーラン・ルージュは、パリ万国博覧会のあった1889年にオープンしました。現在も花の都パリの名所です。
この作品は、ベル・エポック(良き時代)にパリでカンカンの殿堂であるムーラン・ルージュを開業した興業主ダングラール(ジャン・ギャバン)を主役に、踊り子同士の確執をおりまぜたものです。

ダングラールは、ムーラン・ルージュの創始者、シャルル・ジードレルがモデルですが、ルノワール監督は実像に拘泥せず、フリーハンドでこの映画を作りました。

舞台は19世紀後半のパリ。ダングラールは下町のダンス・ホール「白い女王」で妖精のように踊るニニ(フランソワーズ・アルヌール)を見こみ、彼女をダンサーとしてスカウトします。そして、カンカンを売り物とした殿堂の開業準備を進めます。話はそこから始まります。
カラフルな画面。登場するシャンソン歌手の歌を楽しめます。エディット・ピアフ、パタシュ、アンドレ・クラボなどなど。これぞフランスとでもいうべき雰囲気が横溢しています。陽気で明るいフランス人気質もよく出ています。
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