ハリウッド映画のひとつのジャンルに「史劇」があります。「十戒」(1956年、セシル・B・デミル監督)、「クレオパトラ」(1960年、スタンリー・キューブリック監督)「スパルタカス」(1963年、ジョゼフ・マンキーウィッツ監督)など。
古代ギリシャ、伝承のトロイ戦争を題材にした本作品もそのひとつです。
原作はホメーロスによる叙事詩「イーリアス」「オデュッセイア」。
ごく簡単に言えば、この物語はトロイの王子がギリシャ(スパルタ)の王妃を連れ去ったことに端を発し、ギリシャ軍が彼女を取りかえすための戦争をしかけるという展開です。ギリシャ軍の詭計である「木馬」作戦でトロイが陥落したことは有名です。
紀元前1100年。繁栄を誇るトロイ市。近隣のギリシャ諸国には気になる存在です。
トロイ王子プライアム(サー・セドリック・ハードウィック)にはヘクター、ポリドラス、そしてパリス(ジャック・セルナス)の3人の王子がいました。
トロイ征服を唱える父を説得したパリスは平和使節としてギリシャへ向かいます。
途中、嵐にあいパリスはスパルタ海岸に漂着。その彼を救い、かくまったのはスパルタ王メネラウス(ナイオール・マクギニス)の妃ヘレン(ロッサナ・ポデスタ)でした。パリスがスパルタの王宮を訪れたとき、宮廷ではトロイ攻撃の軍議の最中。パリスの平和への希求は認められず檻禁されます。ヘレンはパリスを救出し、ふたりはトロイに向かいますが、怒ったメネラウス王がトロイ征服の兵をおこすと・・・。