シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

アンヌ・フォンテーヌ監督「ボヴァリー夫人とパン屋(原題:Gemma Bovery)」(フランス、2014年、99分)

2024-01-28 23:09:26 | フランス
フローベルの「ボヴァリー夫人」を耽読しているパン屋のマスターが、隣に越してきたイギリス人夫妻の姓が小説のなかのボヴァリーだったため、その妻と小説のなかのボヴァリー夫人とを重ね合わせ、妄想をふくらませていく、という物語。

フローベルの「ボヴァリー夫人」の内容はおおかた忘れました。それでもざっと思い起こすと、田舎の平凡な結婚生活に倦怠した若い女主人公エマ・ボヴァリーが華やかな世界に憧れ、不倫や借金地獄に追い詰められた末、人生に絶望して服毒自殺する悲劇的作品です。

本映画作品の主人公マルタン(ファブリス・ルキーニ)はパリで12年間出版社に勤務した後、平穏で静かな生活を求めて故郷に戻り、パン屋を継いでいます。日々の単調な生活の中で文学だけが想像の友。ボロボロになるまで読みふけっているのは、ノルマンディーを舞台にした「ボヴァリー夫人」でした。

そんなある日、イギリス人夫妻、その名もジェマとチャーリー・ボヴァリーが越してきます。思わぬ偶然に驚くマルタン。小説さながらに行動する奔放なジェマ(シェマ・アンタートン)から目が離せません。

一方ジェマもマルタンの作る、芳醇な香りのパンに魅せられます。ボヴァリー夫妻と親交を深めるうちにマルタンの好奇心は、単なる文学好きの域を超えていきます。しかし、ジェマは勝手に自分の人生を生きているのでしたが・・・。
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