昨日、2ヶ月の音韻意識とフォニックス指導を終えた中学1年生に、事後テストを実施しました。
その時、音韻意識の課題で初めて「指を折って数える」のを見ました。
音素削除課題といって、とても難しい課題なのですが、
例をあげると
「spot の/ p/を取ったら?」
と聞いて、
「sot」
と答えれば正解です。
音素の分解ができることがもちろん前提ですが
さらに、1音抜いて、混成しなおす、というワザです。
別に日ごろこういう練習をしているわけじゃないのですが
事前・事後課題では変化を見るために実施します。
不思議と、事前テストではできないのですが、
事後テストではこうした操作ができるようになっていることが多いです。
これまでテストした子は、リズムを取りながら考えたり、
頭だけで考えたりしていましたが、
昨日テストしたAくんは、数えるときに指を使っていました。
写真では、左手の指を一本だけ折っていますね。
それが「削除する音素」を表しているようでした。
そして、右手で左手を指さしながら、ぶつぶつと混成させていました。
彼はこの課題は満点でした。
デコーディングも非常にアップした子です。
音韻意識指導をしていて感じるのは、
これはスペリングに直結しているなあということです。
読むのは混成活動が必要なのですが、
単語に含まれる音素がいくつ、あるいは音節がどこで分かれ、それがどのように文字に対応しているかというのは、
分解の操作スキルがなければできません。これがとても大切です。
フォニックスは文字と音の対応だけでなく、音と文字の対応知識も教えています。
フォニックスをしても、スペルミスが多いというのは、
聴覚的に認知した音韻をうまく分解し、
分解した音素やライムを文字に対応できていないのではないでしょうか。
スペルミスは、書き手の音韻ー符号対応知識だけでなく、音韻意識そのもののレベルが表れるのです。
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