学習障害と英語指導を考える

特別支援の視点から。
どの子もハッピーになるような指導を。

指導事例~Be動詞の主語えらび

2010年08月30日 | 掲示板~ケースなど
今日は、中学一年生の一学期、
Be動詞の主語と動詞を一致させる活動の事例を紹介します。

中学一年生のディスレクシアの診断のある男児です。


I, You, She, He, It, They, We, Tom, Megという主語に、

is, am, are のいずれか正しいものを選ぶことができないと、

He am a student. なんて言ってしまいます。


実際、こんな感じです。

↓↓
準備として、それぞれの主語のカードを作り、Be動詞カードを作りました。
それぞれの意味を確認、ドリルを数回繰り返した後、自分で選択する場面。
まずは選択のみに集中して欲しかったので、カタカナで読みをつけました。

T: じゃあ、正しい動詞を選んでね。 I。
S: ...am。
T: She。
S: ... areやったっけ。えっと・・amやったっけ。
T: Sheは、is だよ。じゃあ、Megは?
S:  are.


彼の場合、意味を説明しているときに、
しっかり聞いてるようでしたが実は頭に入っていませんでした。

「ううむ、これはもう一つ別のアプローチで・・・」と、

今度はShe, He, I...それぞれの日本語の意味にくわえ、自分との関係性のイメージをくわえました。

例えば I は私だから自分を指さす。
You はあなただから相手を指さす。
They はあっちのほうを指さす・・・など。

そして同じドリルをしました。

また、同じように "She are" "You is"などのような間違いを繰り返しました。

どうも、Sheは彼女で単数、とわかっていても、isと結びつかない。


単数と複数のペアが覚えられないようでした。


「そうか。全然効果無し。じゃあ、こんどはこれでどうだ!」


今度は、数の概念を視覚的にくわえました。

Sheは1人だから、単語に丸い点を一つ。
Theyは複数だから、丸い点を二つ。

動詞も同じように、単数は丸一つ、複数は丸二つ。



(写真参照)

写真のように、実際は
動詞を3つ縦に並べて、主語カードを一枚ずつ、正しい動詞の横に置かせました。


本人は、このやり方だと一回で全問正解したので自信を持ったようでした。


彼は「彼女=1人」という意味と数の概念の両方を、

いっぺんに覚えるのに困難を持っていたのでした。



このまま連続で、do, does、動詞の三人称単数に進みましたが、間違いはありませんでした。


まずは、「正しいペアを選べるようになるお手伝い」、成功~。

よく、「でも、ずっとこれだったらわかってるってことにならない」

と心配される方がいますが、そんなことはないんです。


このカードも、徐々にふりがなを減らし、点を消し

・・・と段階的に補助情報を減らしていくことができます。

子どもは賢いです。必ずゆっくりですが学んでいきます。


私も勉強中です。もっといい方法あったら教えて下さいね。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿