学習障害と英語指導を考える

特別支援の視点から。
どの子もハッピーになるような指導を。

『ディスレクシアなんて怖くないDavis Method簡単に紹介

2012年03月16日 | 学習障害について

アルファベット圏のディスレクシアは10%とも言われているため、

「あ、あなたもディスレクシア?」くらいに認識されているそうです。

(だからといって、彼らが苦労しないわけじゃないです)

読み書きの苦手分野にあわせて様々な指導法や指導ツールが生み出されてきています。

多感覚学習法は皆さんご存じ(あるいは聞いたことがある)でしょうが、

デイヴィス式のディスレクシアプログラムは、おそらく見たこともない人が多いと思います。 

 

Davisメソッドは、『ディスレクシアなんか怖くない』というタイトルで

品川裕香さんの翻訳で出版されています。

 

読まれた方、・・・・・・驚きませんでしたか?

 

え?  なんだこれ???

 

どうするんだ!?

 

 

って。

 

 

オリエンテーションポイントって、なに?

手のひらのケーキが”見えるか見えないか”って、面白いけど・・・

と、さまざまな疑問が湧きました。

 

この本の目的は

簡単に言うと、先生が「読み書きを教える方法」ではなくて、

ディスレクシアの人が、右脳を使って情報を処理している状態を「ギフト」として大切にしつつ、

自分で意識的に“見え方”をコントロールして、

二次元の情報を読むときにディスレクシアの能力を

オン・オフできるようにすることです

 

特に、3D、立体視の得意な子どもには向いているようです。

 

 

 

作者のDavis氏自身がディスレクシアを持つ彫刻家で、

読み書きには非常に苦労したそうです。

ですが、同時に自分の認知特性が、自分の芸術表現に欠かせない能力であり、

大切なものであるとも感じていました。

 

そこで、自分のディスレクシアの能力を温存したまま

どうすれば二次元の“文字”を正しく認識できるようになるか、を

自らの体験を通して発展させたものです。

ディスレクシアによる、ディスレクシアのための指導法です。

 

”オリエンテーションポイント”と呼ばれる頭のちょっと上の方に

想像上の視点を固定することで、

知覚を混乱させずに文字を“見えたまま”に認識できるように訓練します。

「どう見るか」をコントロール?なにそれ?

と思った人は、詳しく知りたければ本を買うか、本家のHPへどうぞ

 

子どもの能力をそのままに、読み書きの時だけ知覚をコントロールなんてできたら、

素晴らしい。

 

 

 でも本だけじゃわからない。

 

 

どうしてももっと知りたくて

昨年ハワイを訪問した際にデイヴィス式でディスレクシアの読み書き

トレーニングをしている先生のお宅で中学1年生の女の子へのレッスンを見学させていただきました。

先生は、ディスレクシアのことを、”picture thinker"と呼び、

クレイを使って、”特に認知を混乱させやすいワード”を中心に、

文字をイメージ化していきます。

フォニックスが合わない子(もちろんいます)も引き受けます。

 

私が訪問した日は、a, the, other などをしてくれました。

その後の読解練習も、とにかくイメージ化(picturize)させながら読みます。

指導者には高いスキルが必要だと感じました。

 

other

the

a

 

facebookにもDavis Symbol Masteryの写真が何枚か紹介されていましたよ。

 

 

 

この方法は、日本人の英語学習者に使えるかというと、

少し難しいかな・・・

でも、国語に応用できると感じました。

 

本当に興味深い指導法です。もっと知りたいなあ。


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2 コメント

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フォローありがとうございます (品川裕香)
2012-03-22 14:58:35
村上様

 初めてご連絡さしあげます。
 偶然、このブログにヒットした編集者から転送してもらいました。いろいろとありがとうございます。
 まだまだディスレクシアの子どもたちの存在自身が知られていないなか、多様な方法がもっと周知されれば、と強く願って日々取材しています。デイヴィス方式がどのディスクレシアの子にも合うわけではないとよくわかっていますが、一人でもこれにマッチする子がいたらいいなあと思って8年ほど前に訳した本なので、村上さんのブログはとてもうれしく思いました。
 とりいそぎ、御礼の気持ちをお伝えしたくてメールいたします。

品川裕香
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ありがとうございます。 (村上)
2012-03-23 13:19:58
コメントありがとうございました<(_ _)>。まさか品川先生からコメントいただけるとは思わず、何度も読み返してしまいました。

私のようなアマチュアでも、日本のLD児や発達障害の子供たちへの指導支援が相当遅れていることはわかります。
支援、支援、と言うわりに、実際に子どもに対峙している教員への教育が手つかずです・・・という私自身、どうすればいいのかわからないところです。

先生の今後の子供たちの教育のためのご活躍、心から応援・お祈りしています。
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