(たてばざを/いぬにとられし/こたつかな)
一昨年のこと、風呂に入っていて、膝のすぐ上の太ももに大豆(ダイズ)大のイボのようなものができているのに気が付いた。入浴剤で濁っているうえ、私はド近眼なので、風呂を出てから確かめることにした。
できものだろうか、黒いから黒子(ほくろ)だろうか、もしかして癌ではないだろうか、と気の小さい私は不安になり、そそくさと風呂から出てしまった。
さて、眼鏡をかけて良く見ようとしたとたん、ぽろっとそのイボが床に落ちたのである。なんだこりゃ・・・・・・・
はたしてそれは、私の血を吸って膨れ上がった「ダニ」だったのである。たった1ミリ程のダニが、血を吸うと大豆大になるのだ。勿論すぐさま殺した。ああ、聖人にはなれないよなあ・・・・・
そのころのデンはまだ仔犬で、冬は炬燵の中で寝ることを許していたのだ。犬たちは、山を駆け回るから、山ダニを拾ってくる。それは防ぎようもなく、まあ飼っているようなものだ。しかし今まで一度も、私が刺されたことはなかった。まさか人間が刺されるとは・・・・それからは、デンに2度と炬燵に入ることは禁じた。
あれから2年経つが、いまだに刺されたところが痒い。2年経ったのにですぞ、犬をお飼いの方々、ダニには、ご注意あれ!
お陰で犬を飼うのは、楽し痒しである。