一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

189    網干場猫の額に春の蝿    海人

2011年03月18日 | 

 漁港の網干場に猫がいる。その猫の額に春の蝿が止まっている。唯それだけのことだ。猫は老いて眠っているのだろうし、蝿はまだ生まれたばかりなのだ。

 

 老いた猫と幼い蝿との労わり合いがなんとも微笑ましい。周りには漁を終えた漁船がかすかに揺れ、漁師が網を繕い、穏やかな日差しが降りそそぎ、波の音も聞こえてくる春の一日である。

              

 作者にとって、見慣れた故郷の一景であれば、こういう無理のない自然な句ができるのも肯けるというものだ。


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