一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1128   前を行く女が曲がり初景色   一彦

2014年01月05日 | 新年

 緩やかな坂道を下りていくと、前を行く女がふっと路地を左に曲がって消えた。坂道の先には、光る穏やかな海が初島と大島を浮かべていた。

 海が目に飛び込んできたのは、正月の装いのたぶん和服の美しい女が消えたからに他ならない。

作者にとって、海を背景に坂道を歩く女そのものが初景色のはずだが、文法的には女が消えて初景色が現れたことになっている。だから不思議と言えば不思議な句ではある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする