Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

5年に一度の

2015-06-21 12:12:42 | 出たもの
千葉詩亭ではこれまで、基本的に同じ人をゲストに二度呼ぶということはしなかった。例えば晴居彗星さんがしずくろんとして再登場したり、米本実さんが異常奏者さんとともに再登場するなどといったことはあったが、ユニットではなく個人を、同じ名義で再びゲストに招聘するというのは、三十四回目でこれが初めてである。

前回、猫道をゲストに招聘したのは千葉詩亭・第四回。2010年5月のことだった(その時の模様はこちら)。

5年というのは、長いような短いような時間だ。人は変わる。生活も変わり、周りの風景も変わる。千葉詩亭の会場はWiCANアートセンターからTREASURE RIVER BOOK CAFEに変った。ポエトリーリーディング、スポークンワーズというような世界でも、新しい人が出てくる一方、なんだかんだと言ってやめていく人もいる。2010年には、猫道は30歳で私は35歳だった。それが今、猫道は35歳になり、私は40歳になった。猫道にしろ、私にしろ、共同主催の山口勲にしろ、それはまあ、5年間のんびりしたことばかりではなかった。嬉しいこともあれば辛いこともあり、幸せなこともあれば寂しいこともあった。でも重要なのは、私たちは「続けている」ので、そうしている限り、私たちの目の前には果てしない可能性が広がっているということだ。



猫道35歳のパフォーマンスは、熱量・完成度ともにハイスペックで、かつてよりも深みを増し、この5年間を彼がいたずらに消費せず、その一瞬一瞬の経験とビジョンを肉体化し、声と言葉と動きの一つ一つの中に活かし続けてきたことをはっきりと確信させる、抜群のクオリティを有していた。初めて猫道を見た人も、5年前に見て衝撃を受けたことが忘れられず来場した人も、いささかも後悔させることはないものだった。

オープンマイクにご参加くださったのは、登場順に、

OOMさん
きむらやすしさんと荒俣夏美さん
さとうさん
桜井さん
冨士山絢々さん
林じゅんこさん
Miltonさん
小林徹也さん
村田活彦さん

という皆様。参加者のバックボーン、パフォーマンスの種類、国籍全てがバラエティに富み、それでいながら、マイクがパスされていくごとに、不思議に流れが形成されてゆく様子を見て、私は、この千葉詩亭を継続することを通じて、言葉というツールでもってなにがしかのことができるということをはっきりと感じることができた。

オープニングは山口勲が、ラストは私が「ハムを買ってください」「それは真夜中だった」の2編を朗読した。

次回から、千葉詩亭は偶数月の第三日曜の開催となる。千葉詩亭・第三十五回は8月16日(日)、ゲストは野村喜和夫さんだ。

また皆様とお会いできますことを楽しみにしております。

そして、猫道はまた5年後に千葉詩亭にゲストとして招聘します。その折には猫道40歳をお楽しみに!