Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

東京ポエトリー倶楽部6th、ありがとうございました。

2014-03-24 17:59:34 | 出たもの
3月23日の「菊池奏子×大島健夫ツーマンライヴ 東京ポエトリー倶楽部6th」、あんな天気のいい日曜の午後に、地下のライヴバーへ多数のお客様に詰めかけて頂いた。まずはそのことに心から感謝したい。

2012年の『詩のボクシング』全国王者・菊池奏子は、ローズピアノを用いての朗読。



告知の段階で、彼女は「弾き語りではなくて語り弾き」とかなんとか言っていて、内心なんじゃらほいと思っていたのだが、いざ実際に目の当たりにして、なるほど語り弾きだと思った。40分間で10篇あまりの詩を読んでいたが、トータルで聴いてぴったりと辻褄が合う丁寧な構成。そして、いつもながらトーンの乱れない囁くような発声、幻視的でありながら五官に強く訴えかけるテキストの世界に絡み合うことで、ピアノの音が、音楽としてよりもむしろ視覚的なアクセントとして脳にアプローチしてくるかのよう。紺色の着物姿とあいまって、回り灯籠が静かに回転しているような空気感を醸し出していた。

表現圧力で押すタイプではないのでそう言われることは少ないかもしれないけれど、私が常々思うに、彼女のパフォーマンスは、ポエトリーリーディングの世界のみならず他のジャンルを探しても実のところ似た匂いのするものが見当たらないという点で、非常にオリジナリティの高い、独自性の強いものである。この日の40分間は、是非とも同じ内容での音源化や映像ソフト化を希望したくなるような素晴らしい内容だった。

私は、新作の「夢を見たことがない」を朗読した。

もとを正せば菊池奏子と私は2007年の詩のボクシング神奈川大会の同期組で、その時は「眼鏡をかけた女子大生の子がいて、母親に関する詩を読んでいた」というくらいの印象しかなかった(もっとも向こうも「みみずの詩を読んだ人」というくらいの印象しかなかったっぽいが)。それから7年、私がPoe-Triや千葉詩亭をやって、小説を出版して、なんだかんだとしている間に、彼女も真摯に朗読活動を続け、大学を卒業して社会人になって、結婚もして、詩のボクシングの全国王者になった。昨年からはバーベキューファミリーで雑誌制作も一緒のチームでやっていたりして、お互いまだ朗読という同じ場所で競い合えることをともかくも喜びたい。

次回の「東京ポエトリー倶楽部」は5月の開催です。また素敵なゲストとともに、皆様にお会いできることを楽しみにしております!