Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

戦い続ける。

2012-04-22 20:01:26 | 出たもの
千葉詩亭が、WiCANアートセンターからTREASURE RIVER BOOK CAFEに会場を移してからちょうど1年が過ぎた。

正直、主宰の我々二人だけの力でここまでやってきたとはとても言い難い。あれがこれに繋がり、これがあれに繋がり、こんなことが起きて助かり、あんなことが起きて救われ、という綱渡り的な展開でなんとか継続してくることができた。様々な人に深く頭を下げたいところだが、いくら頭を下げてありがとうございますと言ったところで、次の一回が開催できなければそれも全て嘘になり、無に帰してしまう。どんな言い訳をあとからしたところで、口先ばかりで物事をなせなかった人間の言うことなど、悲しいかな誰も真剣には受け取らない。例えそれが正しい言葉であってもだ。これまでの人生で、私はそういう事例を何度も見てきた。

だからこの先何が待ち受けていようと、とりあえず私はできるだけ千葉詩亭を続けるつもりだ。自分の好きでやっていることと、今自分の立場でやるべきだと思っていることが、ある地点でイコールで結ばれていること。それはなんと幸運なことだろう。

今回のゲストにお迎えしたのは、旧アートセンター時代の千葉詩亭の最後のゲストだった晴居彗星さんともこもこさんの朗読ユニット、しずくろんだ。



私が感じるに、しずくろんの魅力のもととなっているのは、二人の関係性の絶妙な距離感である。ベタベタしてもいなければギスギスしてもいない。以前、Ustream中継の際にわざわざ「付き合ってません」と書かれたウチワを手にしてまで恋愛関係にないことをアピールしたり、オフタイムにはかなりひどいことを言い合ったりしている二人だが、実際のところそのパートナーシップは非常にフェアでフラットなものである。お互いについて、相手のキャラクターを過不足なくありのままに認識し、そういったキャラクターであることを表現者として信頼した上で、当たり前の作業を当たり前に積み重ねる。それがステージ上のあのコミカルで知性的なドライヴと、しっかりした緊張感をもたらしているのだと思う。

客席は爆笑に次ぐ爆笑だった。晴居さんは新著「お父さん、牛になる」を携えての登場であったが、そちらもたくさんのお客様が手に取り、購入してゆく姿が見られた。

オープンマイク参加者は、

さとうさん
青葉茂さん
beebeeさん
あしゅりんさん
……とある蛙さん
林じゅん子さん
The Stand River Tokyoさん
22さん

という皆さんだった。地元・千葉県在住の方とそれ以外からいらっしゃった方の比率がほぼ1対1なのは嬉しいことだ。付け加えておくと今回の食事メニューは「かき揚げ定食」であったが、会場にいたほぼ全員が注文し、ことごとく絶賛されていた。

例によってオープニングはイダヅカマコトが務め、ラストは私が「螺旋階段」を朗読した。

日常を生きる。日常は常に何かと向き合わなければ過ごすことができない時間だ。それは時に戦いである。生き、何かを培い、あるいは培われ、そしてそれを持って集まる。偶数月の第三土曜、千葉詩亭は続いていく。