Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

千葉詩亭・第十一回、ありがとうございました。

2011-08-21 20:39:22 | 出たもの
TREASURE RIVER BOOK CAFEのオーナーの宝川さんによると、千葉詩亭は他のイベントよりも、お客さんが食事を注文する量が多いそうである。確かに休憩時間など、なんだか皆さんよく召し上がっていらっしゃって非常に気持ちがいい。共同主催のイダヅカマコトの意見では、そういったことは私が大食いだからだそうである。自分だっていつも二人前くらい食べているくせによく言うと思うが、実際、宝川さんの料理はウマい。この日の食事メニューはきんぴら丼と冷やし中華の二種であった。私は冷やし中華を大盛りで食したにとどまったが、たいへんおいしかった。きんぴら丼の方は未食だが、お客様が皆喜んでいらっしゃったので、本当にウマいのだろう。ごちそうさまでした。

・・・ところで、千葉詩亭は食事も注文できるが、基本的には「千葉唯一の朗読オープンマイク」を標榜する朗読イベントなのである。

今回のゲストには、都内でポエトリーリーディングをやっている人なら知らない人がそんなにいないと思われる、高田馬場Ben's Cafeの「笑いと涙のぽえとりー劇場」主宰をこの5月のBen's Cafe閉店まで務め上げた、服部剛さんをお迎えした。

私は意図せずに微妙なところで服部さんの人生の筋に絡んでいる。昨年秋、服部さんが結婚した時の「ぽえとりー劇場」に、ちょうど私はゲストで出演させて頂いた。そして今回、こちらが服部さんをゲストとして千葉にお招きすることになってみると、なんと予定を一か月以上も早め、18日に服部さんには長男が誕生したという。この世に新しい生命が生まれ出でたことを、心からお祝いしたい。



服部さんは、人生が変化してもそのスタンスは変化しない不思議な人である。恋人がいなければ恋人がいないという詩を書き、誰かを愛すれば誰かを愛している詩を書き、結婚すれば結婚した詩を書き、子供が生まれれば子供が生まれた詩を書く。多分、戦場に飛ばされれば戦争のことを詩に書き、突然大金持ちにでもなれば突然大金持ちになったという詩を書くことだろう。要するに、自分に何かが足りないことの代償行為として言葉を紡いでいるのではなく、言葉を紡がずにはいられないのではないかと思う。千葉のお客様にも、その言葉たちはそれぞれの形で届いたのではないだろうか。

オープンマイク参加者は6名。

merry-andrewさん
佐藤有敏さん
OOMさん
midoさん
スモールさん
岬多可子さん

という皆様であった。初参加の佐藤さんは、18日に千葉市美術館でたまたま私と遭遇してなんとなく仲良くなり、今回ご参加くださった。自分が予期しなかった形で新しい輪が広がるのは、とても嬉しいことだ。

そして、私はこの秋から県内の某団体が管理する谷津田の生物調査を一年間かけて請け負うことになったのであるが(これまたTREASURE RIVER BOOK CAFEがらみの縁なのだが)、なんとこの日判明したところによるとスモールさんはその団体の創立時のスタッフだったのだそうで、思わず引っくり返りそうになった。今回はオープンマイク参加者以外の、初めていらっしゃったお客様も、話してみるとどうもそれぞれの世界の端っこの方でちょっとずつつながっているというケースが多く、何度も驚かされた。縁というのは本当に不思議だ。

いつもの通り、オープニング朗読はイダヅカマコトが、ラストは私が務めた。イダヅカは自ら翻訳したエリザベス・ビショップとテッド・ヒューズの詩を、私は自作の「戦争の英雄」をそれぞれ朗読した。

次回、第十二回は10月15日(土)の開催予定である。朗読を聴くのが好きな人も、朗読するのが好きな人も、人前でなんかしてみたい人も、人前でなんかしてる人を見るのが好きな人も、おなかのへった人も、是非お気軽にお集まりください。主催者・店主・スタッフ一同、心よりお待ちしております。


☆☆☆


帰宅後、いろいろと雑事をこなし、午前1時過ぎに布団に入った。寝入ってすぐに、4月にクローズしたWiCANアートセンターの夢を見た。

夢の中、栄町はよく晴れた日の午後だった。私はせっせと床の上に机や椅子を並べていた。本当に鮮明な夢だった。掌に感じる椅子の重さ、床の木目、白い壁、本棚にささっているアート関連の本の背表紙、太陽の光、全部があまりにもリアルで、とても夢とは思えなかった。目が覚め、現実に戻ると、なぜか、すごくいい気持だった。うまく説明できないけれど、これからもちゃんとやっていけるんだ、という気がした。