Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

やるよ。

2011-01-06 20:57:41 | 出たもの
2011年最初のPoe-Tri、1月5日Poe-Tri Vol.31。会場入りしたら店内のビジョンで「燃えよドラゴン」をやっていて、それが今年最初に見た映画になった。

Poe-Triは平日夜のイベントであるので、毎回出演者の誰かしらがリハに間に合わず、出演時間ぎりぎりに会場入りするのだが、今回は7時半前には綺麗に全員が揃い、リハを終えていた。幸先がいい。

鈴川ゆかりさんに「大島さんの撮るカエルってなんかエロいですよね」と言われる。「そ、そう見えるのはあなた自身の心がエロいからなんだからねっ!勘違いしないでよねっ!」とキャロラインは申しておりました、ハイ。

そして開演の8時半を迎える。今年最初に3-triのマイクの前で朗読したのは、死紺亭柳竹さんである。


死紺亭柳竹さんはポップだけどいかがわしい。明るいのにアングラだ。笑えるのにシニカルだ。何より、すごく知的なのに意味不明だ。一年のオープニングはどうしてもこの人にやってもらいたかった。死紺亭さんのパフォーマンスで、新しい年のPoe-Triに何かが通った気がする。

鈴川ゆかりさんは、旧店舗時代にオープンマイクに参加していただいたことがあるが、キャストとしては初出演だ。


パフォーマーとしての朗読者には、「押し出し」型と「引き込み」型の二種類がいる。この夜の鈴川さんは「引き込み」型だったように思う。空間に静かに自分の声を置き、そこに込められた言葉の力でいつの間にかオーディエンスの集中力を絡めとってゆく。「引き込まれた」。

「市毛友里さんに包丁を持って朗読してもらったら面白いんじゃないですかね」というのが、もともと私のアイディアだったのか猫道さんのアイディアだったのか定かでないが、今回ついにそれが現実のものとなった。世の中には銃刀法というものがあるので、私としても事前に弁護士の先生に問い合わせ、「刃を潰してあればOK」という回答を頂いた。その刃を潰した包丁を手に、市毛さんは私の「大蛇をください」をカヴァーしてくださると言う。

そして本番は、こうである!


私の拙いレポのせいで誤解する人がいるといけないので書いておくが、この朗読はそれ自体めちゃくちゃ素晴らしかったのである。また、この「大蛇をください」がオリジナルテキストから大きく改変した内容だったのだが、それが実にこの佇まいと合致していて秀逸だった。この夜会場に居合わせた人々は新年早々女性に包丁を向けられるというレアな経験をしたわけであるが、正直言って得をしたと思う。

最後に私が「戦争の英雄」を朗読した。

オープンマイク参加者は11名。登場順に紹介すると、

ぐっさん。この男は何をやっているのだ(笑)。


カマコさん。この女も何をやっているのだ(笑)。


midoさん。毎月、Poe-Triの翌週はMido Midnight!


芦田みのりさん。2月25日には本八幡で朗読会を開催するそう。


矢ヶ崎芳也さんは、3月末に別名義での出版を控えている。


オープンマイク折り返しはジュテーム北村さん!


uraocbさんも、2月に自主企画をスタートさせる。


Poe-Triに通算最多出演の川島むーさん


あしゅりんさんは池上宜久氏の作品を。


そして猫道さんは今回、新たな生業に就く。


トリは後藤理絵さん


イベント全体を通じて、出演者、参加者のステージに触れてみて、正直、私は危機感を持った。自分自身についてである。みんなこんなに頑張ってるじゃないか、俺もやらなきゃ、というような、理屈以前のすごい原初的な危機感である。

自分自身の精神面、肉体面を向上させる努力をすることは、自分自身を自由にすることにつながる。私も運動選手の端くれだから、その程度のことは知っている。

目に見える形というのは、ほんの氷山の一角である。その下にあるものは、類推することしかできない。けれど、ふとした瞬間に、それが浮き上がって見えることがある。この夜がそれだった。

俺もやるよ。もっとやるよ。