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マーケティング研究 他社事例 556 「企業買収の成否1」 ~小倉のコレットの例~

2020-05-14 09:17:18 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 556 「企業買収の成否1」 ~小倉のコレットの例~


1月上旬の平日昼下がり、北九州市のJR小倉駅前にある商業ビル「アイム」は大改装で工事中の区画が多い事もあって閑散としていました。

14階建てで売り場面積が約4万6000㎡と小倉駅まで最大の商業施設であるアイムの大改装の理由は2019年2月28日、地下1階から地上6階に入っていた商業施設「コレット」が11年にわたる営業を終え、閉店してしまったからです。

コレットは、地元百貨店の井筒屋が2008年に小倉伊勢丹を1円で買収して開業しました。

小倉伊勢丹は伊勢丹が70%、井筒屋が30%出資し2004年に開業した都市型百貨店でした。

しかし、開業以来赤字続きで伊勢丹が撤退し、その持ち分を1円で買収した井筒屋がコレットとして新装開店したのでした。

しかし、状況は改善しませんでした。

人口減に高齢化、近隣の大都市への消費者流出などを背景に地方百貨店が厳しいのは全国共通の課題と言えます。

根本的には、百貨店ビジネスも過渡期に来ていて、斬新なパラダイムシフトをする必要性は感じています。

それと、周辺環境だけのせいにしては、行けないと私は思っています。

さて、本文に戻ります。

コレットが苦戦したのはこうした構造問題だけではありませんでした。

小倉駅前という好立地のためコレットには「小倉ロフト」や「無印良品」、「ZARA」といった若者にも人気で集客力のあるテナントが入っていました。

これらのテナントはコレット閉鎖後も営業を続けており、個々のテナントとしては採算が取れていることがうかがえるのです。

井筒屋の撤退後に全館専門店となったアイムの運営を請け負うのは野村不動産グループのジオ・アカマツ(東京・新宿)です。

2020年4月の大改装オープンでは、ベスト電器を誘致したりしています。

集客力がないわけではないのですが、コレットは苦しみました。

「払う賃料ともらうテナント料が見合わなかった」ことが原因との指摘は多いとの事です。

コレットが入っていたビルの大家は北九州都市開発です。

同社はコレットの家賃を井筒屋の要請で何度も引き下げたと証言しています。

2018年夏に井筒屋がコレット閉鎖を発表したときも「賃料の減額交渉中だったが、いきなりニュースで閉鎖と知り驚いた」と北九州都市開発の木下総務部長は振り返ります。

賃料を下げてもらい、集客力のあるテナントを一部抱えながらも利益が出なかったコレットですが、地方経済をむしばむ構造問題ももちろんありますが、固定費の重さと適正なテナント料を確保出来なかった事も大きいのではないでしょうか?

1円で買収した当時の井筒屋の中村会長は「駅前の一等地を他に取られるわけにはいかなかった」と述べています。

コレットの前進の小倉伊勢丹から伊勢丹が撤退する際、残された形の井筒屋は地元の百貨店の威信をかけ、1円買収の妥当性をきちんと評価せずに店舗を引き継いでしまった可能性はあると思います。

コレットの閉鎖損失などが膨らんだため、井筒屋の2019年2月期決算は4期ぶりの最終赤字に転落しました。

1円と言うただ同然で買った百貨店は最後、大きな痛手を残して消えました。

結果は「タダより高い物はない」でした。

(続く)



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