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マーケティング研究 他社事例 565 「M&Aを繰り返し成長する2」 ~シナジー生む「カンパニー会」~

2020-05-26 09:29:13 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 565 「M&Aを繰り返し成長する2」 ~シナジー生む「カンパニー会」~


農業・食品関連のM&Aは、主に北海道と長野県をベースに行われています。

FA(ファイナンシャルアドバイザー)を使わずに、地縁や買収した企業の紹介を通した案件が多いのが特徴の一つです。

「エア・ウォーターに任せたら大丈夫」

いつしかそうした評判が広がり、相談を受けるようになりました。

後継者難に直面した会社が「ぜひ、うちも頼みたい」と手を挙げるケースや、「設備を改善する資金がなくて困っている」というケースなど様々だと言います。

こうした地域のつながりは、買収後のシナジーを生むのにも好都合となります。

もともとゴールドパックは野菜ジュースを生産していましたが、原料調達先は別会社でした。

そこへ2014年に旧キューサイファーム千歳がグループ入りし、コーヒーなどのペットボトル製品を生産する北海道恵庭市の工場から、車でわずか15分の距離に原料調達先が生まれたのでした。

そこでゴールドパックはエア・ウォーターからの投資を受け、2017年に恵庭市搾汁用の工場を新設し、パック詰めまでを一気通貫するサプライチェーンがグループの中に完成しました。

こうしたシナジーの源泉となっているのが、グループ関連会社の社長が月に1度顔を合わせる「カンパニー会」です。

例えば2019年にグループ入りした、調理用の冷凍食材を製造・販売する見方は、規模は小さいながらも厨房設備と商品開発に強い人材がそろっており、小回りが利く強みがありました。

カンパニー会でホテルや高級レストラン向けの業務用の冷凍食材を提供するグループ会社と知り合い、商品開発を受託、付加価値の高い新商品のアイデア出しや開発は、「自社の従業員のモチベーションアップにもつながった」と見方の青山社長は話します。

農業・食品カンパニーは、農機具メーカーの日農機製工や小売りチェーンの九州屋など、原料生産・製造・物流の川上から川下まで14社を傘下に収めました。

2019年3月期の売上高は1366億円と5年前の約2倍です。

農業・食品と並ぶもう一つの新たな柱の医療事業もM&Aで成長してきました。

大同ほくさんの前身、大同酸素の時代から医療用ガスを扱っていたため、祖業との関連がある事業でした。

大きく動き出したきっかけは、病院のガス配管設備など医療設備工事の事業拡大を狙った、2005年の川重防災工業の買収です。

「なぜエア・ウォーターの傘下に入らなければいけないのか」

川重防災工業は、川崎重工業の造船所を源流にもち、潜水艦に必要な酸素マスクや航空機の消火設備を製造していた歴史ある企業です。

買収を機に会社を去る社員もいるなど、抵抗は小さく無かったと言います。

グループ入りから1年後、川重防災はエア・ウォーター防災に名称を変えました。

それと同時に、思うように上がらない業績を改善すべく派遣されたのが、エア・ウォーターの現会長兼CEOの豊田喜久夫氏でした。

「上から人が送り込まれたら、あれこれ言われたのでは、買収された側も気分がよくない」というのが、エア・ウォーターのM&Aの考え方です。

「本社からの派遣は最少人数に」というルールに従い、単身乗り込みました。

豊田会長がまず手を付けたのが業務の効率化でした。

朝7時からの社員の行動を24週間にわたってチェックし、改善すべき点を洗い出しました。

例えば医療設備の工事業務では、現場の判断で無償で追加工事を請け負っていることが分かったため、毎日、工事の進捗レポートを提出するように求めたのでした。

様々な改善を浸透させようと研修センターを設け、毎週のように勉強会を開催しました。

新しいやり方に慣れず、泣きながら参加する社員もいたと言います。

ここまで厳しく取り組んだのは、結果を出す猶予が3年だと考えていたからです。

それは、1年で改革の素地を作り、2年目で実行、そして3年目に新しい取り組みを始めるといったものです。

買収されたことに反発を覚える社員が少なくないことも肌で感じていたと言います。

「新しい親会社として期待に応えなければ、社員はつまらないと思ってやる気をなくしてしまう」

本社のやり方を押し付けるのではなく、結果を出して納得してもらおうと考えたゆえの方法でした。

(続く)



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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 



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