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マーケティング研究 他社事例 559 「企業買収の成否4」 ~勝算を見極めて高難度に挑む!?~

2020-05-19 10:16:24 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 559 「企業買収の成否4」 ~勝算を見極めて高難度に挑む!?~


どうリスクを分析し、手を打つか?

M&A巧者として知られる日清紡ホールディングスの例を見て見ましょう。

「1円とはいえ買収して大丈夫か。本当に立て直せるのか。やめた方がい」と昨年、同社の取締役会が紛糾した案件があります。

傘下の長野日本無線を通じて、富士通系の電子部品メーカー、FDKの事業買収を諮った時の事でした。

対象は車の電動化に欠かせないコイル製品など電子事業を手掛けるNJコンポーネント(中野区)という会社でした。

従業員数が183人と多く、失敗した場合のダメージは大きいとし、検討が長引いたのでした。

赤字を立て直す何度も高いモノがありました。

まずFDKの一部門として運営されていた事業を切り出すので、ITや管理部門のシステムを1億円近くかけて日清紡仕様に作り直す必要がありました。

買収時に最大の資産である技術者が流出してしまわないかという懸念もありました。

しかし村上社長が「モビリティーは我々の重点分野。かつ成長領域だからやってみる価値はある」と社外取締役らを説得、買収に踏み切ったのでした。

勝算はあったようです。

強みとなる基幹部品はNJコンポーネントはトランス(変圧器)、長野日本無線はフィルターコイルと異なり、顧客にお互いの製品を売り込めると考えました。

しかしそれでも、「1円で買ってもそのままではペイしない」とFDKにNJコンポーネントの資本金として約3億円、それとは別に今後の運転資金も一定額拠出してもらうことを買収条件にしました。

買収したのが昨年7月とまだ間もないため、その成否を論じるのはまだ早いですが、転籍した人員は1人もやめていないですし、FDK時代は傍流扱いだったため、「新規プロジェクトは取って来るな、何もしなくていい」と言われ、出張禁止にされていた従業員たちは、新しい環境でやる気も出ていると言います。

長野日本無線にとってもメリットがありました。

コイルなど電動車に欠かせない部品を作ろうにも、技術者を中心に人のリソースが足りず、引き合いが来ても受注を辞退することすらありましたが、NJコンポーネントの人員で補強することが可能になった為に受注する事が出来るようになりました。

「3年目にNJコンポーネントを黒字化させる」と西原社長は鼻息が荒いようです。

身の丈にあったリスクかを勘案し、条件交渉を含め財務への悪影響を最小化し、買収した企業が立ち直る要素と相乗効果を慎重に見極める事。

1円買収といえども、成功させる条件は通常のM&Aと同じです。

違うのは、1円で買ったがゆえにショックも喜びも倍増するところかもしれません。



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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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