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マーケティング研究 他社事例 481 「進化するプロジェクションマッピング 2」  ~色々なものへの投映が始まっています~

2020-01-21 09:33:57 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 481 「進化するプロジェクションマッピング 2」  ~色々なものへの投映が始まっています~


娯楽分野から飛び出したプロジェクションマッピングですが、医療現場以外で導入が進んでいるのが建設現場です。

大成建設などは2018年、トンネルの掘削工事で、掘削面をスクリーンに見立て地質情報を投映できるシステムを開発しました。

掘削面の正面にある削岩機の上部に搭載したプロジェクターが、事前に取得したデータを基に地盤の硬さなどを色分けしたり、作業員が打ち合わせで使用したメモ書きなどが入った掘削面のスケッチを投映する事が出来ると言います。

山岳地域でのトンネル工事は通常、昼夜交代制で行われるため引継ぎが必要となりますが、掘削面の情報をプロジェクターで映し出すことで情報共有がしやすくなります。

これまでは図面と実際の掘削面を照合しながら作業を進めていましたが、掘削面に図面情報を投映できるため、こうした手間も省けます。

清水建設でも、トンネル工事の掘削面の掘削すべき厚さごとに色を変えて投映しています。

従来は作業員が掘削工事を中断しては定規を使って適切な掘削の深さを測る作業を繰り返していたので、プロジェクションマッピングを応用した技術でこうした確認作業は十数分から1分程度に短縮出来ると言います。

生産現場でプロジェクションマッピングを用いているのがOKIです。

銀行ATMの製造工程で次に選ぶべき部品を知らせてくれ、作業員が向かう机の上に適切なタイミングで注意事項を表示します。

監視カメラとプロジェクターが連動し、工程の進み具合を捉えるとともに作業の進捗に沿った指示を出すのです。

作業員は目の前に出された指示通りに工程を進めればよいので、効率化につながるとともに、熟練した作業員でなくても働くことが可能になります。

同システムを使う事で生産量は6割増加していると言います。

エンターテイメントという華やかな場での活用が目立って来たプロジェクションマッピングをですが、今後は製造現場を始め、産業用として活躍の場が増えていく可能性が広がります。

理由は、すでにお示ししてきました通り、壁や机に土木現場、そして人の内蔵まで、投映する対象を選ばないからです。

パナソニックは高速追従プロジェクションマッピングの要となった毎秒1920回投映できるプロジェクターについて、他社は簡単に真似できないと自信を持っています。

現状ではプロジェクションマッピング関連の新技術では日本勢が先行していますが、技術進歩のスピードは速く、海外勢が同様の製品を出してくるのは時間の問題です。

産業分野などの新市場をどれだけ開拓できるかどうかがカギとなりそうです。



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