ベンジャミン・バトン 数奇な人生 を観ました。
ずーっと昔に、似たような内容の本を読んだことがある。
そっちは、若返っていくのは女性だった。
山田太一の・・・・・・タイトルが思い出せないので調べたら、「飛ぶ夢をしばらく見ない」だった。
あり得ない設定なのに、妙に現実感があり、生々しくエロティックな印象が残っている。
映画化もされていたんだ!知らなかった
石田えりと細川俊之か、見た目が濃すぎ、ちょっと違うなぁー
80歳の老人の身体で生まれ、見た目は若返っていく男の物語。
一緒に時を共有できない男と女の切ない話でもある。
映画は想像していた展開とは随分と違うものだった。
この奇妙な状況を、周囲も本人も至って自然に受け入れて、あるがままに生きて行く。
うろたえて取り乱したり、恨んだり、嘆いたりしない。
何故なのだろう、不思議なんだよね。
幼い子供の頭の中では、みんなこんな風なのだと思っていたのか。
老人施設の前に捨てられ、たくさんの老人に囲まれて育ち、幼い時から身近に死があったから、
特別な人生観が出来上がったのかな。
見た目は逆行して若返っていくけれど、その時々に経験していく事柄は普通の人と変わらないような気もする。
赤ちゃんが立ち上がって歩けるようになり、成長して、女性・酒を知り、仕事に就き、自立、親の死。
恋愛、別れを経て、愛する人との間に子供が生まれて自分が親になる。
しかし、外見上の身体と精神の状況が一致しない。
老人に見えても心は子供、どんどん若返って最後は赤ちゃんの身体になるが頭脳は老化の一途を辿る。
ベンジャミン(ブラッド・ピット)とデイジー(ケイト・ブランシェット)の人生は、節目節目で交差する。
お互いに惹かれ激しく愛し合うが、一緒に暮らせる期間は僅かな間だけ。
愛する人と一緒に人生を歩んで行けないのは悲しいことだね。
それでも、二人の間には見た目とは関係無く、終生変わらない愛があった。
他の人とは全く違う時を歩んだ訳だけど、幸せな人生だったのかもしれない。
愛する人の腕の中で最期の時を迎えられたのだから。
上映時間167分、これは流石に長過ぎて途中で退屈した。
この映画には、何故だか気持ちがあまり動かず、傍観者的に観ただけだった。