滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【1109/22:県産廃処分場】見て見ぬふりの過積載 / 暴走する“クリーンセンター滋賀”<1>

2011-09-03 23:57:56 | Weblog
■法令遵守を自ら踏みにじるクリーンセンター滋賀

 悲惨な交通事故を引き起こす「過積載」。静岡県牧之原市の東名高速道路で平成二十年、大型トラックのタイヤが脱落し、バスを直撃して運転手が死亡した大惨事も、トラックが最大積載量の約1.5倍の産業廃棄物を運んでいたのが原因だった。(財)県環境事業公社(理事長=嘉田由紀子知事)が運営する産業廃棄物管理型最終処分場「クリーンセンター滋賀」(甲賀市甲賀町神)でも、見て見ぬふりで過積載の搬入を容認していることがわかった。【石川政実】

 同センターに廃棄物を搬入しようとすれば、排出事業者には事前にさまざまな契約書類の提出が義務づけられている。

 例えば、同センターと締結する「産業廃棄物処理委託契約書」、どのような車両(車種、最大積載量など)を使って搬入するかを記載した「搬入車両届け出書」などだ。

 そして搬入の際には、車両は入場時と退場時に計量される。その差が搬入された“正味重量”となる。これに基づき、毎日、「搬入管理日報」が作成されている。同センターが「管理日報」の“正味重量”と「搬入車両届け出書」の最大積載量を照合すれば、“過積載”を瞬時に知ることが出来る。

 本紙は、3~4月の「管理日報」と、これに対応する「搬入車両届け出書」の情報公開請求を行った。それによれば、6月の月間の総搬入台数は約1400台。このうち正味重量が13トン以上の搬入車両は、96台(全体の約7%)に上った。最大の正味重量は20.5トンで、最大積載量の約二倍の過積載だった。また96台の中でA社の車両が64台(約七割)を占めた。

 本紙が入手した「搬入車両届け出書」によれば、最大積載量がトップの車両は11.9トンで、13トン以上の“96台”は全て過積載と見られた。

 しかし谷口秀治・同センター所長は「実は『搬入車両届け書』以外に、電話で排出事業者から搬入車両の追加を受け付けて、パソコン上だけで情報管理をしているものがあり、(九十六台が)過積載とは断定できない」と釈明。

 パソコン上だけに記録しているという追加分の搬入車両情報を求めると、そこには事業者名と車両登録番号はあるものの、肝心の最大積載重量はなぜか記録されていなかった。

 そこで谷口所長に、7割を占めるA社の追加された搬入車両の最大積載量の照会を求めたところ、最大積載量のトップが13三トンで、少なくとも同社の64台は全て“過積載”だった。もっとも最大積載量13トン以下の車両でも、過積載があり、過積載の実態は一割を超えると見られる。

 谷口所長は「当センターに来る搬入車両の最大積載量は12トン程度で、それを超える正味重量の車両は、過積載の可能性が高いとの認識はあった。このため7月22日、昨年度も過積載の傾向があったA社を立ち入り調査し、過積載防止対策を要請した」と弁明。しかし七月、八月になってもA社の過積載は続いているという。

 そもそも排出事業者に要請するまでもなく、同センターに過積載の廃棄物が持ち込まれた時に受け入れを拒否すればいいだけのことであり、同センターが道交法違反の過積載を黙認した責任は重大だ。

(9月1日付け滋賀報知新聞・電子版)

http://www.shigahochi.co.jp/info.php?type=article&id=A0008362