滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【0707/07:県政】嘉田県政1年に関する各紙の特集記事(毎日、読売、朝日)-3

2007-07-02 23:37:17 | Weblog
(関連ニュース番号0706/117、7月1日;0707/01、7月2日)

【毎日新聞】

「凍結」の現場から:嘉田県政1年/下 廃棄物処理施設計画 
 
◇状況一変、混乱終息

◇住民説明、今後は必要--経緯や跡地利用

目の前は比良山系。木々の間から琵琶湖が一望でき、ふもとには美しい棚田が広がる旧志賀町(現大津市)栗原地区。この谷に予定された大規模ごみ焼却施設の建設計画がここ数年、町を二分する事態を招いたが、嘉田由紀子知事の判断で計画は「凍結」になった。

元々は民間ゴルフ場の予定地で、バブル経済の崩壊でゴルフ場が頓挫すると、町は「民間の手に渡れば、産廃の不法投棄場になりかねない」と県に購入を要請。県は廃棄物処理施設用地として先行取得を町に打診した。

01年3月、大半の住民には知らされないまま、町と県は計画を発表。「なぜ住民に話がないのか。手続きが間違っている」と反発した住民から反対の声が上がり、市民団体「志賀町産廃施設計画問題・住民ネットワーク(当時)」が結成されるなどした。

建設容認派と反対派の激しい対立に町は揺れた。用地取得を進めた町長のリコール(解職請求)が成立し、反対派の推す新町長が誕生したが、体調不良などを理由に8カ月で辞職。「再出直し町長選」で容認派が当選すると、町議会の解散を求める住民投票運動も起きる泥沼状態に。施設建設が争点となった町議選、県議選と合わせると、3年間で5回の選挙を繰り返す羽目となった。

当時、大津市との合併議論も進んでいた。反対派は、合併されれば、一地域の問題として、わい小化されると懸念。合併取消を求める訴訟(一審敗訴)も起こす対抗策に出たが、結局、06年に吸収合併が成立した。住民ネットの小原克博代表(41)は「なし崩しで建設されてしまうのでは」と不安だったと振り返る。

そんな最中、「計画凍結」を説く嘉田知事の当選で状況は一変した。

知事は就任後、事業主体の県環境事業公社が地質調査などを行う県の貸付金を凍結。計画を進めた国松善次知事時代と一変し、「栗原の皆さんには迷惑かけました。凍結ということになりました」と、県職員が栗原地区で頭を下げる場面も。今年度は同施設の予算は一切盛り込まれなかった。嘉田知事は6月議会で「産廃の資源化が進むなど、当初計画と同規模の施設の必要性は薄らいでいる」と答弁し、中止の可能性にも踏み込んだ。

同様に「凍結」を打ち出した新幹線新駅(栗東市)や各ダムと比べると、順調な「凍結」の達成だ。今後、懸念材料はないのだろうか--。

住民ネットの活動も昨年8月の知事会談後は休眠状態に。ただ「いつ、また建設が浮上するかわからない。今は力を蓄えている」と小原代表。

県が取得した用地はどうするのか。知事は地域での効率的なリサイクル・システムの確立により、問題となった処理施設を不要にするとの将来像を描くが、用地の活用法の結論は出ていない。県も「まず資源循環に軸足を置き、(その後)廃棄物対策に取り組む」と言うに止まり、将来像は不透明だ。元町議で建設反対を訴えた小松明美・大津市議(58)は「建設は受け入れ難いが、本当に施設なしで済むのか。住民、行政ともに考えていかなければならない」と議論の必要性を説く。

施設の見通しが立たない中、当初は建設に賛同してきた人たちは今、知事の「凍結」を受け入れる姿勢が目立つ。滋賀郡(当時)選出の松井俊治・元県議(75)は「県に用地を引き取ってもらい、管理に責任を持ってもらうことが大事だった。嘉田知事の凍結・中止には賛成する。施設は永久に作ってほしくないし、もう一度建設などと県が言ったら猛反対」と断言する。施設容認派の高山久七・元町議(63)は「できることなら、作りたくないというのが当時も地元の共通した思いだったが、自民党や(国松)前知事が『必要』と主張し、地元を振り回してきた。それなのに知事選で負けた途端、反省もないまま、凍結・中止を受け入れた。結局、(県議選で惨敗後、自民が凍結を容認した)新幹線新駅の問題とまったく同じだ」と憤りを隠さない。

小原代表は「そもそも騒動が起こったのは、住民にほとんど説明なく、土地を取得したことが発端」とし、必要な情報を地元にまったく知らせず、決定方針のみを通告した県や町の姿勢に大きな問題があることを指摘。「今後、知事と『対話』を求めたい」とし、凍結に至った経緯や、跡地利用などの“後始末”で、県が住民に的確に説明することを求めている。【蒔田備憲】

(毎日新聞 2007年7月2日)

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070702ddlk25010163000c.html

【読売新聞】

「時代の願い」実現<3>

政策、生活者として判断

嘉田知事が初当選して2日でちょうど1年を迎えた。対話による県政運営にこだわる一方、マニフェスト(公約)からの後退も目立つ。栗東市の新幹線新駅建設問題や議会対応などについて、知事に聞いた。(聞き手 浜中伸之)

《県議会は最初からヤジが多かった。》

ヤジに答えたことがあります。(就任直後の)昨年7月の議会で、ついつい「じゃあ、あなたはどう思うんですか」と逆質問してしまった。

それはやらない方がいい、とアドバイスを受けたので、それからは一方的に聞くようにしている。

《聞いていてどう思ったか》

ある程度(相手の)意識が見えるので、ヤジはある方がいい。こっちだってヤジを飛ばしたいけど、飛ばせないんですよ(笑)。

《昨年7月末、支援者の集会で「議会がこんなに強いとは思わなかった。県議をやりたい人は手を挙げて」と訴えた》

あの時は本当に悲痛でした。 (議員の質問に対して答弁を作成する)答弁協議という、職員と議員の間ですでに出来上がった仕組みがあり、長年、両方が持ちつ持たれつだった。

《新駅問題などの政策が思い通りに進まないのでは、と最初は考えていたのか》

初めての所信表明を自分で書いた時、二つのアドバイスがあった。一つは『もう予算執行しません』とけ散らし、裁判をしたらいいというかなり強い意見。もう一つは、基本協定を合意で解除するというもの。どうしたらいいのか、かなり見えにくかった。

《県議選の結果で、新駅問題の方向性がはっきり見えたのでは》

しかし今だって、地権者も栗東市も納得していない。(凍結に向け)ステージ(段階)は変わっているが、地元の納得を得るにはエネルギーが必要。でも、今もそんな流れになっていない。(自民党の方針転換は)表向きの建前で、本当は違う。自民党の中にもまだ強硬な人がおり、そんなに変わっていない。

《県議選で、これまで対立してきた議員が同じ方向に歩き出した》

一番のキーパーソンだった(自民党員でもある)中谷哲夫さんと西村久子さん(の当選が大きい)。暮らしを守りたいというところで意気投合したので、政党にかかわらず、「対話でつなごう滋賀の会」のメンバーに「一緒にやっていきたい」と伝えた。

《県民の大きな力を感じるか》

新駅の問題のように動き出した公共事業でも、不必要だと思ったら勇気を持って折り返す。それが「時代の願い」だ。ほどほど便利に豊かになって、そして何を願うか。子どもがちゃんと育ってほしい、孫を抱きたい、そして不安なく老後を過ごしたい、ということだと思う。特に県北部の人たちが共鳴してくれた。

《自身のイメージは意識するか》

もちろん。県南部の特に新住民は、斬新さとか、政治家らしくない感じを抱いてくれている。だから戦略は別に作っている。県南部では、要するにマンションへの呼びかけ。「税金の無駄遣いどうなっている」「新幹線どうなっている」。そして、県北部へ行けば「お孫さんどう?」「次の世代は?」「田んぼは?」と。地域ごとに違う課題を持っているので、その課題に応えることが大事だ。

《2年目は新駅問題など現実的な決断、判断が求められると思うが》

もう判断せざるを得ない。放っておいたままで(協定)解除に持ち込みたくないので、できるだけ合意で解決したい。

《決断力、リーダーシップについてどう考えるか》

私は生活者としてまず、直感的にこうだ、と考える。そこに理屈をつける。今は、理屈をつけるプロセスが長くかかっている。例えば河川政策などがそう。私が納得するだけでなく、他者も説得する。それが対話だ。

(7月2日付け読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/kikaku/067/3.htm

【朝日新聞】

嘉田旋風1年 知事を生み出した力 下

【ねじれ】【「超政党」支持集まる】【「議会強い」と弱音も】

昨年7月6日、京都市で開かれた淀川水系流域委員会。委員の寺川庄蔵にほかの委員たちが次々と近づき、握手を求めた。嘉田由紀子が初当選を決めた知事選から4日後。寺川は嘉田の選対事務局長だった。国土交通省が設けた委員会は4年前、「ダムは原則建設しない」と提言した。その2年後、国交省は大津市の大戸川ダムなどは「当面建設しない」とし、余呉町の丹生ダムは規模を縮小して継続する方針を発表。当時の国松善次知事は両ダムの事業継続を求めた。嘉田も立候補表明までは委員だった。寺川らは「知事を取ったのは大きい」と笑顔を見せた。
   ◇
「新幹線新駅の経済効果を過大とする根拠は」「マニフェストを守れなければ政治不信につながる」

当選直後の7月県議会一般質問。嘉田は登壇する自民県議らから厳しい質問を浴び続けた。「凍結」を訴えた新幹線新駅問題では、JRに7月分の工事負担金を支払う方針を選択。マニフェストに掲げた県職員の削減や35人学級の完全実施は実現困難と認めた。「こんなに議会が強いとは」。一般質問が始まる直前、嘉田は支援者の集会で弱音をはき、呼びかけた。「県議をやりたい人がいたら、ぜひ手を挙げて」
    ◇
知事と議会。二元代表制のねじれは、新幹線新駅やダムの問題などで衝突を起こし、解決への道筋は見えにくい状況が続いた。寺川も「知事だけではだめだ。議会も変えないと」と考え始めた。今年1月、嘉田を支持する「対話でつなごう滋賀の会」の会合で、無所属で県議選に出ようという人の名が数人紹介された。「おい、いけるで」。代表の寺川は身を乗り出した。嘉田も「いいわね」と応じた。

対話の会は1月末、県議選に公認8人、推薦3人を擁立すると発表。最終的には19人の擁立が決まった。だが、選挙戦が始まると擁立した候補の陣営から不満が聞こえてきた。「なぜ知事は応援に来てくれないのか」。政党の枠組みにとらわれない「超政党」の立場から、嘉田は選挙応援はしないと明言していた。「会の候補に勝ってほしいのが嘉田の本心。ただ、選挙後の議会対応も考えたのでは」。寺川は嘉田の分まで応援に走り回った。 4月8日夜、大津市の対話の会事務所。張り出した候補の名前に、寺川は次々と当選の「バラの花」をつけていった。花は12まで増えた。逆に、自民は過半数割れに追いやられた。
    ◇
約1カ月後、自民党県連は新駅の建設推進から嘉田が示す解決策を支持する方針へと転換した。知事と議会のねじれは解消したかのようだ。「対話の会の目的は嘉田マニフェストの実現。様々な要因でその通りにいかないかも知れない。ダム問題もマニフェストのすっきりした形ではなくなった」。嘉田がダム容認に転じたあとも、寺川は治水政策の方向はぶれていないと信じている。「何よりも、流域の人たちが川や治水を考えるようになった。この意識付けが最も大事だ」

「私たちに近い人」から知事にまで押し上げられた嘉田が、滋賀をどんな姿に変えるのか。

(7月2日付け朝日新聞)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000707020004




【0707/06:ダム問題】県議会、県営ダムの計画・工事の中止求める請願を反対多数で不採択

2007-07-02 02:25:51 | Weblog

6月県議会は6月22日、一般会計補正予算など28議案を可決、2つの請願を採択し閉会しましたが、大津市民から出された「県営の芹谷ダム、北側第一ダムの計画、工事の中止を求める請願」を、共産党以外の5会派すべての反対により不採択としました。

請願を行なった大津市の田中敏雄さんは「ダム計画を凍結・見直すとした知事のマニフェストを支持していた対話の会、いままでダム問題についての態度を明らかにしていなかった民主系会派を含め、県議会のほとんどの会派が、県の負担分だけでも約400億円(総工費約800億円)にも達するとされるダム計画に賛成であることがはっきりした、財政危機といいながら議会が請願を否決したのは非常に残念」と話しました。

■写真は6月県議会の主な議案、意見書、請願などに対する各会派の態度を示した一覧表。クリックすると大きくなります。

(7月1日付け滋賀民報+直接取材)

【0707/05:医療問題】湖北町、10月から子どもの入院費を中卒まで無料に、長浜市も来春から

2007-07-02 02:10:03 | Weblog

湖北町が10月から、子どもの入院費を中学校卒業まで無料(現在は小学校入学まで)にすることを明らかにしました。6月18日に光られた町議会の一般質問で、町健康福祉課長が答えたものです。

同町はこれまで、県が導入した一部負担金や所得制限も町独自の助成でなくしてきました。中学校卒業までの医療費(入院費のみ)も童謡に完全無料化の方向で進め、9月議会で予算措置を提案する予定です。

中学校卒業までの医療無料化は、県内では米原、野洲、高月の3市町で実施(入院のみ)しており、長浜市も来春に実施(入院のみ)する意向を表明しています。

(7月1日付け滋賀民報が報道)

【0707/04:新幹線新駅問題】地権者らが知事と2度目の面談、知事「最終責任は覚悟」

2007-07-02 01:48:09 | Weblog

栗東市の新幹線新駅問題で、滋賀県の嘉田由紀子知事は6月30日、新駅周辺の土地区画整理事業の地権者らと市役所で面談しました。新駅計画とともに同事業が事実上の凍結状態にある中、県の責任を問う地権者らに対し、嘉田知事は区画整理事業の責任は市にあるとする姿勢を崩さず「被害を最小限にする努力はしたい」と述べるにとどまりました。

地元の同市蜂屋、上鈎、下鈎甲、手原4自治会と地権者が話し合いを求め、自治会長と地権者代表13人が出席しました。両者の地元での面談は昨年9月以来2回目です。

蜂屋自治会の中井建夫会長が「区画整理は県や市に依頼されて進めてきたのに、地権者はこの間、かやの外に置かれてきた」と県の姿勢をただしました。嘉田知事は「説明が遅れたことはおわびしたい」と謝罪した上で「事業の施工主は栗東市。県は市がどうするのかを聞き、その支援はしていきたい」と、これまでの主張を繰り返しました。

責任の所在を追及する地権者に対して、嘉田知事は「最終責任は取らせていただきたい」としながらも、具体策については「予算と法律で決めるので、この場では言えない」と示しませんでした。

地権者らは、事業用地が野ざらしになっている現状や、市街化編入で生じた新たな税負担などの苦境を訴え、傍聴席では地権者ら約20人が両者のやりとりに食い入るように見守っていました。

面談後、嘉田知事は「責任の取り方はさまざまある。県が市の区画整理事業に踏み込むのは越権行為」と述べました。中井会長は「嘉田知事の回答は納得いかない。今後も会合を求めていく」と話していました。

(7月1日付け京都新聞など各紙が報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007063000173&genre=A2&area=S00

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070701ddlk25010244000c.html

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news002.htm

【0707/03:参院選】年金、格差、憲法問題などで立候補予定の3氏が公開討論会

2007-07-02 01:34:23 | Weblog

7月12日公示、29日に投開票される参院選滋賀選挙区(改選数1)に立候補を表明している自民党現職の山下英利(54)、民主党新人の徳永久志(44)、共産新人の坪田五久男(48)の3氏による公開討論会が30日、草津市野路町のしが県民芸術創造館であり、年金記録不備問題や憲法改正などで主張を繰り広げました。

日本青年会議所近畿地区滋賀ブロック協議会が主催し、三重大の石阪督規准教授の進行で行なわれました。700席の会場に集まったのは約160人で、空席が目立ちました。

年金記録不備問題について、山下氏は「1日も早く国民の不安を払拭するには窓口対応が重要。社会保険庁の構造的問題を解消しなければ、信頼回復にはつながらない」と強調しまsた。徳永氏は「社会保険庁と国税庁を統合して歳入庁をつくり、国の責任が及ぶ公務員で対応すべき」と、参院で可決された社保庁改革関連法案を批判しました。坪田氏は「年金は国民の財産。国が責任を持つことが大切」と指摘しました。

憲法改正については、山下氏が「国民的議論を起こすには、憲法の不具合を指摘する必要がある」と述べ、徳永氏は「環境権など現行憲法で足らない部分を補う視点を持ち、合意形成することが大切だ」と主張しました。坪田氏は「改正の狙いが九条にあることは間違いない。九条を変えることは時代の流れに逆行する」と反対の立場を訴えました。

格差是正については、山下氏は「小泉政権の聖域なき構造改革の中で景気が回復してきたが、雇用の正規と非正規の問題などが新たに出てきた。安倍政権では地域が元気になるプログラムもある」と説明しました。 これに対し、徳永氏は「小泉、安倍政権下で、あらゆる分野で市場原理の考え方が取り入れられた。この6年間の経済分野の政策を総括し、市場原理がなじむ分野となじまない分野を分けるべき」としました。また、 坪田氏は「大企業中心の弱肉強食の政策をやめ、中小企業の活性化を図るべき。具体的には、地方交付税の削減や無駄な公共事業をやめ、施設の耐震工事などで中小企業の受注確保に努めるべき」と主張しました。

(7月1日付け京都、読売、毎日、産経など各紙が報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007063000121&genre=A1&area=S00

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070701ddlk25010242000c.html

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news004.htm

http://www.sankei.co.jp/chiho/shiga/070701/shg070701001.htm