近江八幡市立資料館(新町二丁目)で、テーマ展「平和への祈り」が開かれています。八月十九日までです。
戦争を実際に体験した人たちが少なくなっていく一方で、戦争の記憶を風化させないようにと、昨年から、夏のテーマ展として開催されるようになり、今年も二回目を開きます。
今回は、「戦時中の子ども(小中高校生)」を中心のテーマにすえ、当時の子どもたちの学校生活や日常生活を知ることができる写真を多く展示しています。
会場には、馬淵小学校や桐原小学校、八幡商業高校など市内の学校が所蔵する写真や、大切に残されてきた個人の写真や資料など、多方面から資料提供の協力を得て、約八十点の資料を展示しています。
「集団疎開」では、大阪市東区(現中央区)の国民学校(現小学校)の子どもたちが近江八幡に疎開した時の受け入れ学校、寮となった寺院などの施設の資料や直筆日記、また、学徒勤労動員で堅田の工場に動員された「八幡商業学校学徒隊」の立札と写真、その他にも防空訓練や満蒙開拓青少年義勇軍、青年団や処女会、運動会や授業風景、初等科修身教科書などが並べられています。
また、空襲にそなえて電球にかぶせた「愛国カバー」、“力”の字を布に一千個書いて兵士にお守りとして贈った「千人力」、“きっとかって下さい。僕もうんとべんきょうして国家の為にはたらきます”の文章に“バンザイ”“忠”の血染めの文字が添えられた児童から兵士に贈られた手紙、その他、衣類、生活用具、防空頭巾、出征旗や日章旗などの品々が、くり返してはならない戦争の歴史を訴えています。
同館では、「戦時下を生きた子どもたちと、今を生きる子どもたちの、時代を超えた交流の場に。また、見学を通して、戦争や平和、生活や社会について目を向けるきっかけに」と、特に子どもたち、親子、祖父母と一緒での来場を呼びかけています。
また、8月4日には、午前十時から「子どもたちに語る戦争のおはなし」(小学生の親子三十人、要申し込み)と、同十一時から「戦時食の体験」(先着百人、申し込み不要)を開催します。
同館は月曜日と祝祭日の翌日休館。入館料は一般500円、小中学生300円。ただし、近江八幡市民はテーマ展のみ無料で入場できます。おはなしへの参加申し込みと問い合せは、近江八幡市立資料館(TEL0748―32―7048)へ。
(7月30日付け滋賀報知が報道)
http://www.bcap.co.jp/s-hochi/07-07/n070730.html#4