徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

最高の二世帯住宅を創るための鉄則-どちらの親と住むのか

2016-10-12 08:38:42 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 二世帯住宅にはいくつかのパターンがあり、どちらの親と暮らす二世帯住宅なのかによって抑えるポイントが違ってくる。

 夫の両親との同居は嫁と姑の関係が最重要ポイント。それぞれが育った環境が違うので、価値観、意識がまったく違う。嫁は嫁の家庭でのルールで育っていて、その身についている「癖」を常識だと思っている。

 だから水廻りなど共用部分が多ければ多いほど衝突が多くなるのは必然。逆に言えば、生活ルールの墨分けと設計内容がマッチしていれば上手くいくということ。

 

 妻の両親との同居はどうか。夫は妻の実家の習慣に戸惑いつつも、環境の変化に順応するのがスムーズ。何故なら、夫は家にいる時間が短く衝突する場面が少ないから。

 よって共用部の創りこみも神経質にならずに済むもの。ただ夫の居場所(逃げ場)を小さくてもいいので創ってあげることが大事。

 片親と住む場合、個室がひとつ増えるだけのことが多く単世帯住宅と変わりないことが多い。片親の生活範囲も限られることなり、退屈な毎日になりがちである。

 しかしそれは親の領域が次第に狭くなっていくことを意味するし、前回書いた70年サイクルで考えると循環型住宅しての二世帯住宅は崩壊する。

 片親といえども70年サイクルで考えた場合、それなりのスペースを準備してあげる配慮が大切ではないか。

 以下に姑と嫁が衝突する代表的な理由を挙げてみる。

 1.玄関にものがあふれている(姑:お客様を出迎える為綺麗にしておきたい)

 2.洗濯の時間帯が遅い(洗濯機の使い方、洗剤の種類、洗濯物の干し方等々)

 3.洗面台の使い方が汚い(汚れだけでなく、使用後の化粧品やドライヤーが出っぱなし、孫のお風呂の入れ方でも一悶着有り)

 4.冷蔵庫の整理整頓(保管場所、詰め方に双方の癖が出る)

 以上あなたの家庭はどうですか?


 ~つづく~


 関連ブログ
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-各々の理由とその背景
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-70年スパン
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-同居プログラム
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-共用空間
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-完全分離プラン
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-バリアフリー
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-コストメリット


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最高の二世帯住宅を創るための鉄則-70年スパン

2016-10-06 08:59:23 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 子世帯が自宅の新築を考えるような年齢になる頃、親世帯は60~70代であることが多い。かつてあんなに元気だった親が、身体の衰えを感じ始める頃と言ってもいいだろう。

 この状況の変化に子世帯は「いずれは親の面倒を見なければ」と考えるもの。そのときが二世帯住宅を検討する絶好のタイミング。この時期を逃すと二世帯住宅への建替えを逃すということも言えるのだ。

 

 親は子供に相談無く水廻りのリフォームや耐震補強をすることがある。なので子世帯は二世帯住宅建替えを考え始めたら、具体的でなくても「二世帯」の話題を出しておくことが重要。

 かつて親世帯が住宅を建てたのは40歳前後が多くそのとき子供は小学生。その子供が40代後半で家を建替えようとしたら、その時点で親が建てた家は築35年を迎えてるはずである。

 築35年を迎えた人が退職金等で家を建替える理由は、寒さ、暑さ、耐震性もさることながら、間取りが不便、使わない部屋が多い、古くさいというような心象的理由を挙げる。

 つまりは、ライフスタイルの変化に耐えられるかが影響しているといっても過言ではないのだ。

 だからといって、新築時に将来のことまで見据えて家を建てるかといったらそこまで考えは及ばず限界がある。ライフスタイルの変遷を考えると、家はリフォームするものと思ってもいいのかもしれない。

 しかし二世帯住宅であれば、35年後親世帯が使っていたスペースを子世帯が使い、子世帯が使っていたスペースをその子供が使うことを念頭において家を建てることができる。

 このように二世帯住宅はスペースの循環をさせることにより、長期(35年×2サイクル)70年スパンで住み継ぐことができると考えていいだろう。

 今のストック時代に二世帯住宅は、上手く循環する住宅になるのではないかと思う。


 ~つづく~


 関連ブログ
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-各々の理由とその背景
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-どちらの親と住むのか
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-同居プログラム
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-共用空間
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-完全分離プラン
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-バリアフリー
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-コストメリット
 
 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最高の二世帯住宅を創るための鉄則-各々の理由とその背景

2016-10-04 08:40:59 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 少子化が進み若い世代では夫が家事をする時代となった。人生50年と言われたのはもはや昔のことで、親世代は定年後の生活も充実し長生きする時代。

 それに伴って、夫婦+子供2人の家族構成が崩れ、夫婦2人、1人住まいと世帯のモデルが崩れてきている。

 

 そんな中、二世帯住宅が増えて来ている。大震災後、人と人のつながり、家族の絆が見直されてきたことも根底にあるのだろう。

 しかしながら、これまで自由気ままに暮らしてきた子世帯が、親世帯と一緒に住むとなると心配事が多々あるはず。習慣の違い、感覚の違いがある親世帯と上手くやっていけるのか…。

 親はいつの間にか老い、身体は衰弱し介護が必要になることも考えなくてはならなくなる…。親子互いの違いを理解しながら、一緒に暮らしていく方法を模索することは喫緊の課題と言えよう。
 
 二世帯住宅を建てる理由は親世帯、子世帯各々に理由がある。

 親世帯としては、先祖代々の土地を守って生きたい、老後の面倒を見て欲しい、孫と一緒に暮らしたい、家を建て替えたいまたは改修したいが住宅ローンが組めない等であろう。

 子世帯としては、土地が無く買うのも大変、土地に当てる費用を建物に回したい、親からの援助を受け資金面で楽をしたい、共働きで親から子供の面倒を見て欲しい、高齢の親が心配等々。

 二世帯住宅という選択肢は、経済状況において子世帯の後押しになるのは言うまでもない。二世帯住宅は親と子と孫の橋渡し役となる器と言えるのである。


 ~つづく~


 関連コラム
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-70年スパン
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-どちらの親と住むのか
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-同居プログラム
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-共用空間
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-完全分離プラン
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-バリアフリー
 ・最高の二世帯住宅を創るための鉄則-コストメリット

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする