徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

実施設計完了し、見積へと移行

2016-03-28 08:44:58 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 昨年の秋から提案、設計と進んできた2住宅のプロジェクト。1件は隣の鶴岡市に計画。

 

 昨年の夏に鶴岡市の現地を見に行った時に迷子になりそうな近隣環境に少し戸惑いを受けた。2面道路に接しているのだが、道幅が狭く1つは幅が2m弱。無論車は通れないがこれでも市道。

 もう一方の接している道路は私道で道幅が3.5mほどあるが、行き止まりの袋小路であった。電気、上下水道、ガス等のインフラはこの私道からの引き込みとなる。

 鶴岡市民でも道を間違えるような地域で、鶴岡の市街地にはこんな路地と言ってもいい道路がたくさんあるそうだ。

 もう1件も北隣の遊佐町の住宅。

 こちらは敷地内に、既存母屋と蔵と小屋が3棟。前述した鶴岡の敷地とは対照的な土地。広い土地の中に仮住まいを仮設で設け、半年間工事現場の進捗状況を見ながらの生活となる。

 2件ともこの年度末に実施設計がまとまり、これから見積期間に移行する。

 さて、目標金額に対してどんな数字が出てくるか、不安と期待が入り混じり桜の季節を迎える。
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住宅・建築設計と消費増税の移行措置

2016-03-25 08:44:02 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 予定では来年の4月に消費税が10%となる。もう一年、されど一年である。

 住宅等の建物を建設する場合の消費増税については、設計から工事に時間を要する為に移行措置というものがある。下記の図を参照して欲しい。

 

 来年4月までに完成すれば文句無しで8%。今年の9月までに工事契約を交わしたものについては、来年4月を越えて完成しても8%。

 また、9月以降に工事契約を交わしたものでも来年4月までに完成すれば消費税は8%のまま据え置きだが、4月を越えて完成すると10%になってしまう。ここで分るように、一つのリミットが今年9月に工事契約を交わせるか否かである。

 住宅の設計を行う場合(悪までも私の場合)、ヒアリングで要望を聞き提案するまでに1ヶ月、そこから計画のアウトラインを固める基本設計に1ヶ月、細部の打合せをしていく実施設計に2ヶ月、見積・調整に1ヶ月と最短で5ヶ月の歳月を費やす。

 最初のファーストプレゼンで、クライアントから気に入ってもらえなければ、再提案となり更に時間を要する。設計の難易度や規模によっても多少異なり、ましてや大規模建築物となると設計期間が長くなるのは必至。

 住宅新築の工事期間は、規模の大小あっても大体6ヶ月。となると、設計に5ヶ月、工事に6ヶ月、平たく言えば、設計から1年の歳月を掛けて住宅は完成を迎える。

 ということは…先の消費増税の経過措置から逆算すると、来年の4月までに工事を終えることを考慮すれば、1年前つまり今年の4月には設計に取り掛からなくてはいけない。今年の9月に工事契約を交わすことを考えれば、5ヶ月前…やはり今年の4月には設計を開始しなければならないのである。

 4月を過ぎて設計を始めて、2~3ヶ月で設計を完了することはできる。しかし、完成したものがいいものにはならない。

 細部が詰まっていない密度の薄い設計では、工事中に追加工事や大幅な増額という結果が目に見えるし、第一クライアントの納得する住宅ができるかと言えば、答えはNOだからだ。それは、クライアントや設計者、施工業者にとって喜ばしいことではない。

 決断の春はもうそこまでやって来ている…。

 
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工夫した本棚のある書斎スペース-4

2016-03-24 08:32:19 | こだわりの趣味の部屋を作る
 今回は外壁部分を少し工夫した一例を紹介します。

 2階にパソコンいじったりする書斎スペースが欲しいとクライアントに要望を出され、寝室前のホールに書斎スペースを確保した。このスペースの連なった窓からは近隣住宅の屋根の間から鳥海山が垣間見れる。

 そんな書斎スペースの外壁部分を、他の部分の外壁より≒30cm程外側に出した。窓の位置は通常の位置と同じなので外から見ると窓が室内側にセットバックしているように見える。外観写真の木調の部分。

 

 窓が内側に付いていて外壁が出ている。その奥行きの余っているスペースを本棚として設置した。室内側から見ると、本棚が外壁に埋め込まれてる感じ。

 

 こんな感じです。窓の上下ともに4m程の長さを確保。机をおく予定であったので、窓下の本棚は机の高さに合わせている。

 

 外観デザインと機能の融合。窓がセットバックしているのは庇の効果も狙っています。こんな方法で作った本棚も有りですよね。鳥海山を見ながらの作業は捗ること間違い無しです。

 

 
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工夫した本棚のある書斎スペース-3

2016-03-18 08:23:42 | こだわりの趣味の部屋を作る
 本がいっぱいあるんですよ。こんな言葉をクライアントから投げかけられた。書斎は必須の部屋であった案件。

 個室と個室が床レベルの違うフロアでつながる構成の設計。その個室と個室の間のスペースに書斎スペースを確保し、部屋として区切らなかった。

 それは、子供の走り回れる家がいいという要望もあったため、子供と触れ合いながらの空間作りを第一とした為だ。そして今回も吹抜廻りに書斎スペースはある。

 

 前々回のように吹抜け廻りの手摺を本棚にすることは勿論、その他にもある工夫を…。

 

 

 子供部屋2つに挟まれたこの書斎スペース。子供部屋との仕切りの壁は一般的な壁の構造とはせず、本棚で仕切った。壁2面が全て本棚という仕組み。

 

 本の大きさに合わせて本棚の全て棚を可動できる。机の上部にも本棚。4方を見渡す限り本棚。

 子供が走り回れる階段、吹抜廻りにクライアントこだわりの本棚に囲まれた書斎スペースが完成した。
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工夫した本棚のある書斎スペース-2

2016-03-15 08:25:58 | こだわりの趣味の部屋を作る
 書斎は男の秘密基地または隠れ家と言ってもいいかもしれない。次に紹介するクライアントはそんな書斎を欲しがっていた。

 オーディオが好きなクライアントは、映画をDVDで鑑賞するのが至福のひと時であった。

 

 オーディオラックへのこだわりを見せたクライアント。オーディオラックも自分が実現したい内容を事細かにメモに書いてきた。そして簡単なスケッチまでも付けてだ。

 そのときの機器リストがこれ。

 

 趣味のエリアは1ヵ所にまとめるほうがいいと判断し、間仕切り代わりのオーディオラックの裏側をご主人の書斎スペースに設定することとした。

 表側からは、テレビとプロジェクタースクリーン、それに伴った様々なオーディオ機器が納まる。そして裏側は書斎テーブルと趣味の書棚の数々。

 

 リビングでは奥様や子供とくつろぐスペースとなっているが、その裏側のスペースは少し奥まっていて一人になって篭れる書斎、そんなスペースとなった。書斎からは庭が広がる。

 打合せ時に頂いた、スピーカー、アンプやプロジェクター類の購入機器リストを見返すと、ご主人の思いの入れようが伝わってくる。いつもはクールなクライアントだが、機器の話になると笑いながら饒舌になる姿が忘れられない。

 オーディオラックの裏側は男の秘密基地。まさにピッタリの書斎となった。
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