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徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

引き寄せられた縁-5~焼肉さとるちゃん物語~

2024-04-24 07:57:03 | 店舗新築・リニューアル・リノベーション
 切羽詰ったスケジュールの中、一発OKをもらった店舗コンセプトとイメージスケッチ。

 その流れでクライアントとのやり取り、厨房器具、設備・電気との打合せも含め一気に設計図を仕上げて行った。

 ここまでクライアントと出会ってからわずか1ヶ月半。2016年もあと数日に迫った頃だった。

 

 年が明けてお正月の雰囲気も覚めやらぬ時期に、工事業者数社に見積依頼をかける。図面を渡し各社とも現地調査を行った。

 現地調査をする度に大変な工事になるな…と改めて再認識するのだが、工事業者も多聞に漏れず口々に大変だな…と呟くのだった。

 現地調査を終え1社見積提出を辞退して来た。理由は建物自体の手の入れ方が相当いること、工事スケジュールが短くオープン期限までに責任もって仕事を請けることができないと判断したという。

 言うまでも無く大変な作業量とスケジュールではある。辞退を受け入れざるを得なかった。

 大変な仕事だということは重々分かっている。でもやらなきゃならないこともある。

 今の自分、クライアントにとっては後者の感情だけしかない。「どんな条件だろうが、やるしかないんだ…。」

 さて、2週間程で各社見積書が挙がってきた。出てきた金額は私の予想の範囲内。

 予算との調整を図り一番安い見積を提出した業者とネゴを始めた。

 工事業者も内定し後は融資申請の許可が降りるのを待つのみとなった…。 

 ~つづく~
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引き寄せられた縁-4~焼肉さとるちゃん物語~

2024-04-17 08:20:48 | 店舗新築・リニューアル・リノベーション
 スケッチを描きながら思っていたこと…。それは以前の焼き鳥店の雰囲気を踏襲したいということだった。

 クライアントも元常連客、設計者である私も元常連客。あの焼き鳥店は酒田では有名店で、県外から出張の度に訪れる常連客も大勢いた。



 亡きマスターは焼き鳥を焼くときは甚平姿に下駄というスタイル。一見頑固そうな感じだが、実は割りと気さくで笑ったときの人懐っこい顔が忘れられない。

 私は友人達とよく囲炉裏の有った小上りで焼き鳥とお酒を嗜み、ワイワイと楽しい時間を過ごさせてもらった。

 

 その場所をリノベする訳なので、以前の多くのファン(常連客)の思いを新しい焼き肉店にも引き継ぎたいと思った。

 以前のお店はこじんまりとした10人も入ればギュウギュウの店構え。

 事前調査に行くと、実はその奥にお店として使用していなかった広いスペースがベールに包まれていた。そのスペースも最大限利用して新しい店構えとする。

 奥のスペースは長年使用していなかったらしく、建築物としてはかなり手を入れなければならない状態。こりゃ大工事になるぞというのが第一印象。

 それでもクライアント、私の思いは折れなかった…。

 

 「古民家焼肉」という枕詞が店名の前に着く。この言葉からクライアント、私の中でお店のデザインコンセプトは自ずと決まっていた。

 古くさくてかっこいい、古くさいけどオシャレ。そして以前のお店のテイストの踏襲。

 この地で、あの焼き鳥店だったこの場所で新しい店を構える。亡きマスターの思いも一緒に抱えながら…。

 その思いはまったくブレることは無く突き進むのであった…。

 ~つづく~
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引き寄せられた縁-3~焼肉さとるちゃん物語~

2024-04-10 07:54:52 | 店舗新築・リニューアル・リノベーション
 11月に突然当事務所に電話をかけてきたのは、実はクライアント自身ではなく群馬で焼き肉店を経営するクライアントの親友だった。

 電話口で熱き思いを語る親友。てっきりその親友がクライアントと思ったが、話をよく聞くと自分の親友が酒田の人間で、その彼が酒田で店を出すということだった。

 クライアントと同じ酒田の人間である私に是非設計をお願いしたいと…。一度会って詳しい話をしましょう、そう言って電話は終わった。

 クライアントとその親友と会ったのは11月半ば。あの電話から2週間ほど経っていた。

 私自身、電話を終えた時点で話の内容次第では断ろうと思っていたのだ。

 

 実際にあって話を聞くと、「あの焼き鳥店」をリノベーションしての開業を目指すと聞いた瞬間私のスイッチがONになった。

 突貫のスケジュール、フィーの件、他の仕事の状況等々、全てのものが吹っ飛んだ。

 そう…リノベーションする店は私が友人数名と通っていた「あの焼き鳥店」であった。

 亡くなったマスターには独立起業した当初、仕事を面倒みて頂いたり、焼き鳥片手に色んな愚痴も聞いてもらった。

 あの店の常連だったクライアントがあの店を焼き肉店として復活させる…。その設計は常連であった私がやるしかないだろう…。

 マスターへの恩返しの気持ちは固まった。クライアントと私の想いがシンクロした瞬間だった。

 不思議な縁で導かれたこの仕事。まずはマスターに報告しなければとマスターの奥さんに連絡し挨拶に行った。

 線香を上げマスターに今回のことを報告しなければ作業を進められない、そう思ったのである…。奥さんもクライアントから私が設計することを聞いていて大変喜んでくれていた。

 

 そこからのスケジュールの無い中、イメージを膨らませスケッチを描きまくった。マスターとの思い出が頭の中をよぎる。

 そこから1週間ぐらい経っただろうか、イメージスケッチをクライアントにプレゼンすると一発OK。

 頭の中でどんどん具体化していく「古民家焼肉さとるちゃん」だった…。

 ~つづく~
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引き寄せられた縁-2~焼肉さとるちゃん物語~

2024-04-03 08:25:02 | 店舗新築・リニューアル・リノベーション
 私なりの鶴の恩返しをしようと決めた仕事。それが「古民家焼肉さとるちゃん」である。

 2016年まで焼き鳥店であったお店をリノベーションして焼肉屋として歩を進める計画。

 焼き鳥店はクライアントが常連として通ってたお店。

 その焼き鳥店のマスターが数年前からの闘病生活の末2016年逝去。

 惜しまれながら店を閉めるしかなかった…。

 実はこの店、私も常連客の一人。

 私が独立起業した際仕事が無く、この焼き鳥店に行ってはマスターに愚痴を聞いてもらった…。

 どこでどう繋がったのかは天国にいるマスターにしか分からない。

 マスターが引き寄せてくれたと、私とクライアントは勝手に思っている…。
 
 

 クライアントは、大学の親友が群馬で焼肉店を経営してることから1年間親友の下で修行に出ていた…。

 何故焼き鳥店を焼き肉店にするのか…。

 そこには亡くなったマスターの遺言とも取れる彼への一言があったから…。

 「焼き鳥は儲からない…。焼き肉屋ならいいんじゃないか。」

 マスターは焼肉屋を営むことを条件に店の譲り受けに病床から応じたという。

 そして「古民家焼き肉さとるちゃん」の計画は動き出すのであった…。

 この時まだ私は影も形も存在していなかったのだ…。

 ~つづく~
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