徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

OLAHO物語-8

2024-07-31 07:43:25 | 店舗新築・リニューアル・リノベーション
 見積依頼を3社にかけ見積書が提出されたのが3月末。

 予想の範疇内で金額を出してきたのが2社。もう1社は予想をはるかに超えた金額…。

 予想をはるかに超えた1社はやる気がないのかと想像した…。

 

 クライアント夫婦は東京にいる為、ご両親と金額の打合せをすることとなる。

 資金調達の相談に金融機関、創業支援センターの担当者にもお母さんが奔走。

 ここでの私の役どころは、提出された工事金額をいかに有効な減額案を提示し金額を下げるか。

 しかも店舗のイメージは崩さないことが前提だ。

 この後数日間で一捻り、二捻りした減額案を作成した。

 減額案の項目一つ一つ、それを加味した全体金額をご両親と打合せし概ね了解を得るが、最終的に減額案を受け入れるか否かはクライアント当人たちに最終確認しなければならない。

 あらかじめ減額案と全体金額の資料をクライアントに送り、仕事の休日に電話で打合せを行った。

 減額項目一つ一つ説明しほぼ全項目において了解を得た。

 これで全体金額が確定し事業計画&資金計画に頭を捻ることになる。

 勝負はクライアント夫婦が帰省する時だ。さあここまで何とかたどり着いた。

 通常ここまで辿り着くのに約6か月。

 今回はクライアントと始めて会った時から足掛け4ヵ月半、よく走り抜けたものだ…。

 ~つづく~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

OLAHO物語-7

2024-07-24 08:21:44 | 店舗新築・リニューアル・リノベーション
 2016~2017年、酒田市の繁華街に計画を進めていたOLAHO。

 2階客席の雰囲気をエロくし過ぎた感があったのでもう少し落ち着いた雰囲気で再提案。

 クライアントからも了承を取り、外観も含め全体のイメージが固まった。

 

 ここからは詳細の打合せ。各部位の仕上材の選定、トイレのイメージやそれに合わせた陶器選び、カウンター廻りを含む収納の使い方等々。

 これらも資料を作成しあらかじめメールで送り、クライアントの休みの日に電話で打合せ。

 お店の各所のデザインは奥さんが主導。

 厨房内の機器・作業動線、全体的な視野はご主人、収納の機能・使い方、BGMなどの音響設備、空調機器の選定は二人で相談しながら。

 適材適所ではないがそんな感じで打合せは順調に進んで行った。

 設計図が仕上がったのが2017年3月初旬。設計スタートしたのが2016年12月初旬。ここまであっという間の3ヶ月。

 大晦日も夫婦と私3人で打合せをした。それもすごい昔の出来事のように思われた。

 さてこの後、施工業者を決めるための見積依頼をかけることとなる…。

 ~つづく~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

OLAHO物語-6

2024-07-17 08:26:52 | 店舗新築・リニューアル・リノベーション
 宿題として残ってた2階店舗のデザイン。大人の雰囲気で落ち着いた空間にしたい。

 奥さんの一言が耳に残っている「エロい感じで…。」

 2階のレイアウトは変えることなく、色使いや装飾品でエロい雰囲気をプログラミングする。

 前日にメールで打合せ資料を送り、打合せ日にお互い資料を見ながら電話で打合せを行う。

 時は2017年になって1週間ほど過ぎていた。

 自分の中ではエロくを表現できたかなと思っていたので意気揚々と電話番号をプッシュする。

 送った資料を目の前に電話打合せがスタート。

 2階の店舗レイアウトをテーブル席からソファ席に変更したプランを説明し、続いてイメージスケッチで雰囲気を説明する。

 

 奥さんの口から出てきた言葉…。「エロくなりすぎた…。」

 そう、あまりにも私の中で「エロく」というワードが飛び交ってしまったせいだろうか、奥さんの予想を超えた雰囲気となってしまったようだ。

 「やり過ぎたかぁ~。」と思わず電話口でこの言葉を発した後、私も奥さんも大笑いしてしまった…。

 コミュニケーションをとる度に、クライアント夫婦との距離感が縮まっていく感じがたまらなく快感だった。

 もう少し落ち着いた雰囲気を次回は提案しよう…。
 
 ~つづく~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

OLAHO物語-5

2024-07-10 09:31:02 | 店舗新築・リニューアル・リノベーション
 2日後に夫婦は再度事務所を訪れてくれた。12月31日、大晦日である。

 この日の打合せの目的は厨房レイアウト。

 夫婦で考えてスケッチを書いてきた厨房レイアウト。それを基に打合せを始める。

 厨房のレイアウトに沿って厨房器具の大きさ、仕様を落とし込む。

 厨房の大きさは先日のファーストプレゼンからほぼ変わらずにいけそうだった。

 この日は大晦日ということもあり厨房レイアウトのみの打合せで終了。

 今後は東京~酒田間での打合せ。資料を前もってメールで送信し、その資料をお互いに眺めながら電話で打合せすることにした。

 

 1階にはカウンター5席とテーブル10席。2階には当初テーブル席20席。

 しかし2階はソファ席にしたいという要望から10~15席に落ち着くと思われる。

 1階はカジュアルな雰囲気。ファーストプレゼンでも1階店舗のデザインについては夫婦も大筋納得。

 宿題として残っているのは2階店舗のデザイン。

 テーマは1階とは雰囲気をガラリと変え、大人の雰囲気で落ち着いた空間にしたい。そしてエロく…だ。

 ~つづく~
 ~本文と写真は関係ありません~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

OLAHO物語-4

2024-07-03 08:03:46 | 店舗新築・リニューアル・リノベーション
 年末にクライアント夫婦は当事務所を訪れてくれた。いよいよプレゼンである。

 イメージスケッチと平面レイアウト図でプレゼンをするが、夫婦のレスポンスが私の思っていたものではなかった…。

 

 気に入って貰えてないのか…という一抹の不安な気持ちが私の心の中に浮かんでくる。

 息子さんが重い口を開いた。その言葉は厨房レイアウトに向けられた。こんな厨房器具を入れたい、この機器は不要である等々。

 自分なりに頭の中で厨房での作業内容、動線等々を試行錯誤している模様だ。朴訥に話す息子さんだったが否定的ではない…。

 厨房レイアウトと厨房機器の選定は今一度夫婦で整理することとなった。

 

 そうすると奥さんが店舗デザインのことについて堰を切ったように話し始めた。

 1階はカジュアルに、2階は落ち着いた雰囲気のソファ席ででカップル、ファミリー向けにしたい等々。

 今まで1回しか会ってない若夫婦と私。特に奥さんとはあまり言葉を交わしていなかった…。

 しかし店舗デザインの件でかなり奥さんとコミュニケーションをとることができ、なんとなく私と若夫婦の距離感がぐっと近くなったと感じたのである。

 打合せ中に時折見せる奥さんのはにかんだ笑顔、朴訥だが確信を射るように話す息子さんの姿に、修正点はあるがファーストプレゼンの結果は悪くなかったと感じ始めた。

 厨房機器の選定と厨房レイアウトの整理をすること、デザインの方向性をもう少し整理することをお互いの宿題にしてこの日は打合せを終了し、2日後に厨房の件を中心に再度打合せをすることにした。

 店舗デザインの方向性を話していたときに、奥さんの言った言葉が私の中に強く印象に残った…。「2階はエロい感じで…。」

 ~つづく~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする