一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

6月18日の4時から男(後編)

2017-07-03 00:12:00 | 新・大野教室
3局目はShin氏と指す。Shin氏も4時から男で、家が近いことからわりとこの制度を利用している。
私の先手で、やはり中飛車。Shin氏は△3二銀から左美濃に組み、銀冠。私は4筋と5筋の位を取り、銀多伝みたいな形になった。

第1図以下の指し手。△5四歩▲同歩△同銀▲3三角成△同金右▲5三角△6五桂▲同桂△同銀▲4七銀△7七桂▲6四角成△6二飛▲5三馬△6一飛▲7九飛△6九桂成▲同飛(第2図)

△5四歩から歩がぶつかる。私が角を換えると、Shin氏は△3三同金右と取った。これならすぐ▲2五歩と行けるが、含みに残して▲5三角と打った。
だが▲6四角成を恐れずの△6五桂が好手で困った。△7七桂不成は許せないので私は▲同銀だが、Shin氏はさらに△同銀。自玉は固いから、どんどん交換を迫ってくる。私は▲4七銀と引くが、つらい退却だった。
結局△7七桂を喫し、△6一飛のあと、飛車はさすがにやれないから▲7九飛だが、△6九桂成とされ、一手パスした形になった。ここでは先手劣勢である。

第2図以下の指し手。△7八角▲6八飛△8七角成▲2五歩△同歩▲同桂△2四歩▲3三桂成△同桂▲4四歩△同歩▲4三歩△4五歩▲3七銀△7七馬▲6九飛△2五桂(第3図)

ところが第2図で△7八角がありがたい気がした。というのは、働きのわるい飛車に働きかけてくれたから。▲6八飛△8七角成の交換は、明らかに先手が得をした。
私は▲2五歩から待望の反撃。だが▲2五同桂に、△2四歩と穏便に収めてくれたので助かった。ここは△2四金と強く出られるほうがイヤだった。
私は▲4三歩とと金作りを目指し、だいぶ元気が出てきた。しかしShin氏も△4五歩から△2五桂と跳んで、私にラクをさせてくれない。

第3図以下の指し手。▲4二歩成△3七桂成▲同金△2二金▲1五歩△2五桂(第4図)

私は▲4二歩成と攻め合う。△3七桂成▲同金に△2二金が粘り強い手で、後手は馬も自陣に利いているから、先手は容易でない。
おかわりの△2五桂にはどうするか。

第4図以下の指し手。▲1四歩△1七歩▲同香△同桂成▲同馬△5六銀打▲2六桂△1六歩▲1五桂△1七歩成▲2三桂成△同金▲1三銀△同金▲同歩成△同玉▲1四歩(投了図)
まで、一公の勝ち。

私は▲1四歩と強く取り込み、勝負になったと思った。
△5六銀打には、▲1四の拠点を守って▲2六桂。△1六歩の馬取りは無視して▲1五桂と打ち、これで勝ちになったかもしれないと思った。
▲2三桂成からは容易な詰み。この将棋を勝てるとは思わなかった。

感想戦はOg氏を交えて行った。中盤、Shin氏の△6五桂ハネがいい手で、私の主張するところは何もない。
Shin氏の疑問は▲2五歩△同歩▲同桂に△2四歩と弱気な受けをしたことで、やはり△2四金がベターだった。
「本譜で△3三同桂の形にするんなら、最初から▲3三角成を△同桂と取るんでした」
とShin氏。まったくその通りで、私は僥倖の勝利だった。

4局目はYaさんと戦う。私の八枚落ちである。前回はYaさんにアドバイスが飛んだが、今回はなしとする。
「でもあんまりヒドかったら待ったするよ」
とW氏。やっぱり上手に過酷な状況なのだ。
Yaさんは序盤から落ち着いていた。早々に竜と馬を作り、私はなす術がない。
上手△3二金・△4一玉・△5四歩、下手▲1二竜・▲5三馬の局面で、▲2一竜までの詰みがあったが、YaさんはW氏の「取れるものは取っときましょう」というアドバイスを受けて、▲5四馬。
私は九死に一生を得たが、それも一時の小康を得たにすぎない。最後はうまく寄せられた。
私は泣きの再戦である。今度はW氏がパソコンに向かって事務作業を始めたので、私はどんどん指し手を進めてしまう。
Yaさん、▲5一竜の局面で、▲5二歩!?という奇怪な手を指したが、駒をタダ捨てするわけではないので、私はそのまま進める。
将棋は激戦になり、一手を争う好勝負となった。

第1図は私が△8八とと銀を取った局面。ここからYaさんは▲2三竜! これで詰み、の意だったかもしれぬが、私は平然と△同角。
果たしてYaさんも動揺したが、やがて▲1五金を発見した。

Yaさん、以前より格段に強くなっている。あとはもっと実戦を経験して、自信をつけることである。
もう7時を過ぎているが、YaさんはChi氏とも八枚落ちを行う。
これは私も元奨三段の指し手を注目したが、Chi氏は歩を突かないで玉の左右移動を繰り返す。どこかの歩を突くと▲2四歩の合わせから取られてしまうからで、なるほどと私は唸った。
将棋はもちろんYaさんが勝った。ただ、その後のChi氏の教えもためになったが、Yaさんにはやや高度だったかもしれない。
さて、食事である。今夜は大野八一雄七段、W氏、Og氏、Ham氏、Chi氏、Yaさん、Hon氏、Shin氏、私の9名。以前渡部愛女流初段と行った和食屋に行った店だ。
中は9人まとめて座れなかったので、私とHon氏、Shin氏は別テーブルとなった。
Hon氏は焼肉定食、Shin氏はミックスフライ定食を注文。私はステーキ丼を注文したが、これは費用対効果がわるかったかもしれない。
食事のあとは、25日の社団戦の打ち合わせ。私は第1日目だけ出る予定である。
それが終わると、何となく私の話になった。私が新卒でサラリーマンになってから、現在までの状況を駆け足で話した。いちばん盛り上がったのは失恋の話で、Shin氏は初耳だったから、おもしろく聞いてくれたようだ。
だいぶ話し込んで、10時に店を出る。そのまま散会し、帰りはHam氏、Chi氏と一緒になった。Ham氏の奨励会入会時の話を聞いたが、入会に際し、面接があったという。
面接官は大山康晴十五世名人、二上達也九段、大内延介九段、滝誠一郎八段、松浦隆一七段など。
何ともすごいメンツだが、Ham氏は大山十五世名人のオーラがものすごく、Ham氏は椅子に座っているにもかかわらず、体がグワアァァッ、と押され、平衡感覚がなくなってしまったという。
十五世名人の知られざるエピソードは、世の中にまだまだ眠っている。
コメント
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