一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2月19日の4時から男(前編)

2017-02-26 00:06:26 | 新・大野教室
Abema TVの飯野愛先生、あの1日のスケジュールはウソだろ? ライバルを油断させるためのフェイクだろ?

   ◇

19日(日)は夕方に大野教室に行った。いわゆる「4時から男」で、昼過ぎからガッツリの将棋はお腹いっぱいの向きには、夕方から軽く、のスタンスが心地いい。
私は今月4回目の教室となったが、これは数年振りだ。「4時から――」を含むとはいえ、これでは将棋好きのレッテルを貼られても否定できない事態になった。
駅前でShin氏といっしょになり、教室に入った。中は日曜なのに会員がいっぱい。ますます快調の大野教室である。
講師の大野八一雄七段は奥の和室で指導対局中。会員の増加に伴い、試験的にレイアウトを替えたようだ。
私は誰と指してもいいが、また奇数になって指す相手がいない。しばらくしてOg氏が来たので、一局お願いする。Og氏は大野七段の兄弟弟子で、元奨励会初段。退会はだいぶ前だが棋力に衰えはなく、その秀でた将棋理論には唸ることが多い。
平手で私の先手。Og氏は三間飛車できた。▲4六歩に△5四銀。Og氏はこう腰掛けることが多い。私は▲6六銀と応じ(かつてOg氏に教わった手だ)、▲5五歩に△6三銀引。ダイヤモンド美濃ができた。
私は5筋位取りに転じ、Og氏は銀冠から△7五歩。これを▲同歩は△7七歩▲同角△6五桂の角銀両取りがある。でも桂歩2と銀の交換なら悪くないと思い、私は堂々と▲7五同歩。Og氏は唸って、△7七歩を指さなかった。
その後数手進んで、私は金取りに▲4四歩。これに△同角が強手で、もし△同金なら▲同銀△同角▲3四飛と捌いて先手よし、と読んでいただけに意表を衝かれた。
その後私の飛車は金銀を打たれていじめられ、先手が劣勢に陥った。
せめて一太刀と▲4三角。

第1図以下の指し手。△5五飛▲同角△同金▲5一飛△7一歩▲6一角成△3九角▲7一馬△同金▲同飛成(第2図)

▲4三角には△5三飛ぐらいでも先手が負けと読んだが、Og氏は△5五飛。以下△7一歩までと進み、ここで▲5五飛成は△3七角がある。
ここでの読み違いは痛く、私は▲6一角成としたが、これでは全然自信がなかった。
△3九角に▲2七飛を読んだが、これでは勝てないだろう。続いて▲7二馬を読んだが、△同銀左でこの銀が働くのが気に食わない。それでちょっとヒネって、▲7一馬と指した。△同金▲同飛成。この局面を改めて見ると、意外に後手玉が受けにくい。

△7四銀引▲同歩△8二銀は、▲同竜△同玉▲7三金で詰み。といってほかにめぼしい受けも考えられず、おかしな展開に首をひねっていたら、何とOg氏が投了してしまった。
「▲7一馬をうっかりした」
とOg氏の第一声。
▲7一馬では▲7二馬でも難しかったと思うが、それはともかく数手前までは私が悪かっただけに、キツネにつままれた気分だ。
感想戦は中盤を中心に行なわれた。中盤、私が▲4五銀と金取りに突っ込んだ場面があったのだが、そこは▲4五歩と穏やかに指して先手十分。私は駒をぶつけるのが元気ある指し方と読んでいたので、この素朴な手に感銘を受けた。
ともあれ本局は、Og氏が巧妙に緩めてくれたと取りたい。
2局目はTod氏と指す。Tod氏は最近、大野教室によく参加している。それに比例して将棋も強くなっている。一応私の二枚落ちだが、油断のならない相手だと思った。
Tod氏は4筋の位を取ったあと、居飛車で臨む変則的な指し方。いくぶん損だが、堂々としていてよい。
Tod氏が5筋の歩を突かないので私は△5五歩から△5三金。しかし次に△4四歩と突いたのは悠長だった。ここは△4四金と上がって▲3五歩を取りに行くところ。せっかく優位になるチャンスだったのに、先は長いと動かないのはマズかった。
その後ゴチャゴチャした戦いになったが、私が銀2枚を手持ちにし、この流れなら私の勝ちかと思った。
ところが――。

第1図以下の指し手。▲2二歩△同金▲9七角△7四歩▲4三銀(投了図)
まで、Tod氏の勝ち。

Tod氏は▲2二歩を利かして▲9七角。これに私が△7四歩と打ったのがココセだった。▲7五銀を気にしたものだが、それなら△6三金と引いて何事もない。
Tod氏は▲4三銀。直前の▲2二歩△同金が利いて、ここに打てるのだ。これに△6三玉は▲6四角△同玉▲5四金で詰み。この時△7四歩が玉の逃げ道を塞いでいる。

といって▲4三銀を△同玉も▲6四角が厳しく、▲3一角成と▲7三角成を見られて上手が勝てない。これ以上指しても見苦しいので、投了した。
Tod氏は強くなったが、まだこの手合いを変えるつもりはない。次は頑張りたい。
会員はいるのだが、何となく対局がつかない。3局目はSar君と指す。
Sar君はゴキゲン中飛車の使い手で、攻めっ気100%。私も手を焼き、まだ1回しか勝った記憶がない。良い将棋は逆転負けをし、悪い将棋はそのまま負ける。我ながらどうしようもない。
私の先手で、今回は超速▲3七銀戦法を採った。Sar君の速攻には速攻で対抗である。
しかし第1図での次の手はマズかった。

第1図以下の指し手。▲4五桂△4二角▲5三歩△8二玉▲5五銀左△3三桂▲4四銀△同歩▲4三銀△5三角(第2図)

第1図で▲4五銀は、△5五銀がイヤだった。それで▲4五桂と跳ねたが、やや早かった。
それでも△4二角に▲5三歩は利いていると思った。
これにSar君の思考が狂ったか、△8二玉~△3三桂はマズかったようだ。
私は▲4四銀と取り、▲4三銀。△4六歩なら▲4二銀不成で先手勝ち。どうするのかと見ていると、△5三角ときた。

第2図以下の指し手。▲5三同桂成△同飛▲3四銀成△4五歩▲5七銀△6五桂▲5五歩(途中図)

△5七桂成▲同金△3七銀▲6八飛△4八銀打▲5六金(第3図)

私はよろこんで角を取る。△6五桂の反撃には▲5五歩(途中図)と受けた。
するとSar君は銀を取って、△3七銀! 貴重な手駒をここに使うとは…!!
▲6八飛にはさらに△4八銀打! 私は▲5六金と上がり、この将棋はさすがに負けないだろうと思った。
でも私は負けた。

(つづく)
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