一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の北海道旅行2016(8)

2016-02-25 12:47:11 | 旅行記・北海道編
小樽運河の欄干の手前には、観光客がズラッと並んでいた。そのほとんどが撮影しているのだが、彼らが一向に動かない。東京に観光に来た人が、東京は何て人が多いんだ、とウンザリする笑い話がある。あなたもその一人じゃないですか、というオチだが、今の私の心境がまさにそうである。
背伸びをして覗くと、運河に浮き玉キャンドルが整然と浮き、右手の倉庫群と奥に見える山々、それに群青の空が混然一体となって、幻想的な光景を創りだしていた。陽が暮れかかっている今がちょうどいい時間なのだ。なるほどこれは、世界中から観光客が訪れるわけだ。
改めて「小樽雪あかりの路」は、今年で18回目。大雪像の類はないが、各会場にお手製のキャンドルが灯り、癒しの時間を満喫できる。イベントやステージがあるわけでもないが、それだけにほっとできる。参加会場も年々増え、今年は40を越えているようだ。
手前のスペースには、大きなハートが造られていた。この内側に人が入り、スタッフが無料で撮影してくれるのだ。私も何年か前、ここで記念写真を撮ったものだ。
私は人の間から運河を撮影して、先に進む。運河脇の歩道は、市民手作りのアイスキャンドルや雪像で、ロマンチックに演出されていた。観光客が作品を愛でる、という意味では、ここ小樽が最も秀でていると思う。





蛇足ながらアイスキャンドルは、バケツに水を張って1日置くと、バケツに接している箇所が凍る。その後中心部分の水を掃きだせば、アイスキャンドルの完成である。北海道ではポピュラーなカサだ。
運河の終点に突き当たり、そこを左折する。ゆるゆると坂を上ると、旧手宮線の廃線跡があった。ここが雪あかりの路・第2のメイン会場だ。
手宮線は南小樽から分岐していた全長2.8kmのミニ路線で、昔は旅客営業をしていたが、1962年に貨物専用線となり、1985年に廃止された。踏切があった場所には数年前まで、(自動車に対して)「一時停止の必要はありません」の看板があった。
私は昔、この廃線跡を全線踏破したことがある。その後手宮線跡は整備され、雪あかりの路のメイン会場にまで「昇格」した。廃線跡の使い道はいろいろあるが、結果的に人が訪れる場になるのが理想的だ。その意味で手宮線は、幸せな廃線だと思う。
ここ手宮線会場も、積雪を絶妙に整形してアイスキャンドルを配し、幻想的な光景になっていた。観光客ももちろん多く、その密度はさっぽろ雪まつりを凌駕している。若者やカップルが多いのがおもしろくないが、私も雪あかりを堪能する。
ここはさっぽろの喧騒はなく、出店もほとんどない。観光客のおしゃべりだけが響き、これが雪まつりの原点とも思える。







その途中、地元のオバチャンが雪像の脇でお餅を焼き、観光客におすそわけしていた。私はもらい損ねたが、その気持ちがうれしかった。
行き止まりになった。この大道路を隔てた先は、JRの現役線路だ。私は引き返し、焼きジャガイモを一片いただいた。無料の食べ物は、なんでこんなに美味いのだろう。

雪あかりに大いに満足した私は、小樽駅に向かう。その途中、アーケード街があった。ここを少し入ったところに美味い蕎麦を食べさせてくれる店があるのだが、私は一刻も早くすすきのに向かわねばならない。
一応その店をあたってみたが見当たらず、もうそれ以上は詮索せずに、小樽駅に着いた。
駅構内には「雪あかりの路」の看板が掲げられ、モニュメントも展示されていた。
札幌方面の列車は、18時04分発の快速エアポート184号があった。私は再びSuicaで入場する。
快速エアポートは、旅行者にお馴染みの721系だった。やはり先客は多く、今回も立たざるを得ない。ホームの反対側には18時08分発のいしかりライナーが待機していてガラガラだったが、今は数分でも惜しい。予定通りエアポートに乗った。
定刻に出発。小樽滞在はちょうど2時間だったが、意外に長く感じられた。
札幌には18時36分に着。ちなみにこのまま乗ったら新千歳空港に行ってしまう。
次に見るべきはすすきの氷の祭典だが、歩いていくには時間がかかりすぎる。ここはさすがに地下鉄の利用とする。
南北線の改札前に行くと、18時43分の電車があった。腕時計を見ると18時42分である。パッと見たところ、改札はSuicaでも通れそうだ。しかしそのままタッチして、バタンとゲートを閉じられたら赤っ恥だ。そのまま行くか、券売機で切符を買うか。
(つづく)
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