![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/3b/b9b2bd2a153f05d4ad4de05c3a4187d8.jpg)
「アレクサンドロスの瞳」ってご存じ?
僕はこのコトバ、五島勉さんの著作で知りました。五島勉さんっていうのは、ほら、むかし「ノストラダムスの大予言」って著作シリーズを出して、文字通り一世を風靡したジャーナリストのことです。
1999年の人類滅亡の予言がはずれたというのでむちゃくちゃ攻撃されて、最近あまり見なくなっちゃいましたけど、お元気なんでせうか?
ま、そのへんはさておいて、僕は、彼の著作で前述した「アレクサンドロスの瞳」ってコトバを知ったのです。
これ、実際には占い用語なんですよ。マケドニアのアレクサンダー大王のような瞳、という意味なんだそうです。歴史に残る大帝国をつくり、若くして亡くなった稀代の英雄アレクサンダー大王。
彼は、口伝によると、ものすごーく暗い目をしておられたそうなんですよ。
暗いけど、ぎらぎらと光る大きな目。
孤独で、絶望しているくせに、その底のほうで凄く愛に飢えていて、でも、同時に外からもちかけられる愛に対して無言の「NO!」をいっているような---見ているひとの心を一瞬でうすら寒くさせてしまう、愛と孤独の両面をともに宿した、壊れそうな光の目。
「アレクサンドロスの瞳」と聞いて、すぐに連想するひとが僕にはふたりおります。
フランツ・カフカと川端康成---どちらも20世紀の有名な作家です。(川端康成の瞳を見たいというひとがおりましたら、僕のブログの徒然その9をご覧になってください。頭に彼の肖像を掲げてあります)
こちらの冒頭にアップしたのはカフカのほうの写真です。フランツ・カフカ。これ見てどう思われました?
ゾッとされました? したっしょ? いや、絶対しましたよね?
僕は、彼のこの正面写真を見るたびに、尾骶骨のへんがひんやり涼しくなるんです。
渋澤龍彦をはじめ多くの有名どころは皆カフカが狂人だっていっていますね。
実際のところはどうでせう? ちょろっと検証してみませうか。
----……誰ひとりわたしに助力の手を差しのべようとはしないのだ。要するに、そういう奇特な人間は誰もいない、皆無なのだ。しかし、ほんとうはちがう。助力の手を差しのべてくれる人間が皆無なのは事実だが、---この事実をべつにすれば、この皆無(ニーマンド)氏はなかなか気が利いた相手だともいえる。わたしは、この皆無(ニーマンド)氏の一行に加わり、大乗気で---乗気になっていけないわけがあろうか---ハイキングを試みる。もちろん目的地は山、ほかに、どこへ行けばいいのだ? 皆無(ニーマンド)氏たちがおし合いへし合いしている有様は、なんと形容すればいいのか、わずか数歩をへだてて、からみ合い組み合わされたおびただしい腕、そしておびただしい脚!(観察「山へ出かける」より)
うわあ、これは読んじゃいけない文章かもしれませんねえ……。(^.^;>
特に助力が皆無ってとこを皆無(ニーマンド)氏と人称化しちゃって、その皆無(ニーマンド)氏たちとなぜかみんなでハイキングに出かけるという展開のシチエーションが、鳥肌立つほどおっかない。
これは、演じてる錯乱じゃないですね。計算じゃない、フリでもない、モノホンだ、中心軸そのものがもうよじれてる。
なんか、深部から壊れてますよね、ひととして。
で、このよじれた迷宮の大作家フランツ・カフカの運勢を、西洋占星術の立場から解析してみる、というのが今回のこのページのテーマなのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_sup.gif)
イーダちゃんはいろんな趣味があるのですが、占星術もそんな古くからの道楽のひとつでありまして、いや、占星術の腕自体は下手の横好きで全然大したことはないのですが、ま、こんな角度からの取り組みがあってもいいかなと思い、今回のこの企画を試みてみたという次第なのです。
うーん、でまあ、下図がカフカの出世図ってやつです。はい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/1d/ced0b9969b6d00e2f7aa18ba517ff510.jpg)
カフカさんは蟹座の産まれ。
月は双子座の22度で水星・金星とタイトに組んでます。
惑星配分でいくと、男性宮が5、女性宮も5、
火地風水の配分は、0,1,5,4 で「風」がやや過剰かな。
あと、残念ながら正確な出生時間が不明なので、ASCとMC、部屋区分などは使えません。
それと一日に12度動く月の位置のぶれを最小限に抑えるために、月位置が12度のちょうど真ん中になる正午の時間でもって本チャートは作成してあります。
え~ で、このひとのチャートをざーっと読んでいきますと、
おっ。このひと、基本的に「情」のおひとと出ています。
永遠の幽囚みたいなカフカが「情」のひと!? とこれを書いている僕自身もややびっくりしちゃうんですけど、占星術的見地から見るとどうしてもそうなりますね。
このカフカさん、太陽が木星と合で組んでいて、元々はかなりいいひと、信仰深く、ひとを信じやすいタイプのようです。
いってみれば、じゃあカフカさんが人生を通じて作り上げてきた、彼の不信と孤独との巨大な迷宮は、彼の愛への渇望がその渇望ゆえにおのずから生み落としてしまったもの、といってしまっていいのかもしれません。
要するに、愛されたいから苦しいんです。
愛されたいという気持ちがあるからこその孤独なワケであって。
その気持ちがてんでなかったら、まあ、つまんない薄情な世界だわ、産まれてきて損したなあ、でも産まれてしまったんだし仕方ない、産まれてきた以上はせいぜいこの世での酷薄さに慣れて、毎日毎日をせいぜい面白おかしく楽しみませう、美味しいものをいっぱい食べて、できるだけ贅沢ないい服を着て---と、これだけでまあ済んじゃうワケですから。
この程度の安手の経済学で生きていけるなら、それはそれで素晴らしいことかもしれません。
もっとも、幸せにはなれないでせうけど。
ええ、幸せになるためには、人間、ある程度の誠実な不幸が絶対に必要なんですから。
話がヘビーに飛びすぎました。次、月!
カフカさんの月は双子座の22度。あと、水星も金星もおなじ双子でこの月と絡んでます。
これは頭のいい、心の足の速い、機敏な、はしこい子ですねえ。
言葉の喚起力とセンスがハンパない、しかも、これが乙女の天王星と超タイトな90度ですから。
なおさら切れる。というより切れまくる。切れまくりすぎて平凡な生活を憎む、みたいな若干のヒネクレの暗示もありますね。
でも、作家性としたら、これはいいサインなのかもしれない。
で、非常に強いのが、カフカさんの牡牛座の海王星。
これがおなじく牡牛座の火星と合の座相をつくってる。
火星と海王星の合の意味は「サイキック」---これが牡牛座の感覚的な領域で発揮されるワケですから、これはちょっと、感覚的な魔術、といっちゃってもいいかもしれませんね。
このアスペクトが作品に反映されたのかなあ。どうなんだろう?
たしかに部屋にこもって迷宮の話などを黙々と書いているカフカには、中世の錬金術師のイメージがかなり似合うとは思うのですが。うーむ、なに書いてるのか自分でもわかんなくなってきちゃったゾ。
だめだあ、ヘボだあ。(xox;>
大作家フランツ・カフカの天才の印は、彼のホロスコープからは、あいにく見つけられませんでした。
だもんで、ちょっと即興の詩でお茶を濁したりしてみませうか。
「カフカの瞳のなかのアパートの窓辺で葉巻を吸う話」
カフカの瞳のなかのアパートにすんで
カフカの瞳のなかの夜空にうかぶ月をながめてみたい
窓辺に古いロッキングチェアーを置いて
それに乗ってゆられながら
葉巻の青いけむりをぷーっと夜空に吹きあげて
冷たい瞳のお月さまを思いきりいぶしまくってやるんだ
それが、カフカの瞳のなかの町に暮らすぼくとぼくの猫との長いことの夢
カフカがまばたきをしてこの影絵の世界が終っちゃうまえにぜひそうしてやりたいんだけどな---。
今夜はもうケツまくって寝ちゃうことにします。お休みなさい。m(_ _)m
絶対にお宿のワルクチを言わないで、いつも高ポイントを付けられる姿勢が好ましかったです。
いろんなご趣味をお持ちのようで、中でも占星術とは意外でしたね。
他の人も占っていただきたいものです。日本の作家(明治、大正、昭和初期)などは如何ですか?
nifty温泉でjujuさんのこと、探したのですが、残念、見つけられませんでしたね。
日本の作家についての占いのアドバイス、サンクスです。ただ、日本の作家さんの場合、出生時間が曖昧なケースが多いんです。
そうなると、占いのテクの8割が使えなくなっちゃう。
だもんで、海外の方がやはり多くなると思うんですが、いずれ必ず大正文士なぞを狙ってみるつもりです。