イーダちゃんの「晴れときどき瞑想」♪

美味しい人生、というのが目標。毎日を豊かにする音楽、温泉、本なぞについて、徒然なるままに語っていきたいですねえ(^^;>

徒然その4☆スペイン映画「ミツバチのささやき」について☆

2010-10-09 13:24:42 | ☆映画レヴューだ、ぱるるんぱ☆
  聖少女アナ・トレント (^.^;>




 僕がいままで見たなかで最も美しい映画がこれ。
 ええ、「ミツバチのささやき」---。
 好きすぎて客観的に語るなんて到底できっこない。
 この映画は、小さな奇跡だと以前から思っております。時代設定はスペイン内戦のころ。でも内戦の影響はあんまり描かれてません。内戦が人生にもたらした蔭のようなかすかな「印」を、エリセ監督の繊細なまなざしが注意深く、ひとつひとつ丹念に拾い集めていくのです。
 内戦はあくまでも遠景。ですが、遠景だからといって、知らんぷりに徹するってわけにもいかない、大人たちはみんなそれぞれに打ちのめされ、傷つき、絶望しているんです。ちょうど現代ニッポンの、我々大人たちのように。
 こうした鬱々とした環境のなかで生きる少女、アナ・トレントの演技が、また一世一代モンの超ド級の怪演。とゆーより、コレって演技なんでせうか。無垢すぎ、可愛すぎ、真に迫りすぎてて、なんか怖いんですけど……。
 抒情派の作家はその青春期に一世一代の傑作を撮る、というのが僕の持論なんですけど、ビクトル・エリセ監督においてのソレは、やっぱりこの「ミツバチのささやき」なんでせうねえ。
 この映画、はっきりいって人知を超えてマス。
 偉そうに高みから評価なんておこがましい、はっと気がついたらこっちが逆に値踏みされてる、そんな鏡みたいなおっそろしい映画です。
 浮気してるひとは見んほうがいいよ、アナの瞳の光に裁かれますよ。
 嫌いなひとに笑いかけてるひともご用心、あざといもの、嘘の花、アナはみーんな見てますよ---。
 ああ、こんな阿呆なことを書いていても、映画のアナの瞳を思い出すと、僕の胸はきりきりと痛んでくるのです。
 で、映画とは縁のない日常の暮らしに回帰していくワケ。
 でも、しばらくたって、日常の垢に再びまみれる暮らしに慣れはじめると、またしても映画のなかのアナに逢いたくなってくるのです。
 なぜ? 理由は判んない。けど、いつも決まってそうなりますね。間違いなく。
 イコン画のなかの小さな聖者のようなアナ・トレントに出逢うなら簡単です。「ミツバチのささやき」のDVDを見ればいい。すると、ほーら!---そこはもう人生の向こう側です……。(ToT;>

           http://soundcloud.com/iidasama/tdpuo2tgxvpn

 ◆上記アドレスは、海外サイトの soundcloud という音楽サイトです。アナがひとりで郊外の脱走兵の小屋を訪ねていったときに鳴るギター曲「さあ、嘘ごっこしましょう(スペイン民謡)」を耳コピして、イーダちゃん自身が演奏・録音したものです。40秒ほどの短い曲だけどね、哀切感があっていいんだ、これが。google で検索すると行きやすいかと思います。興味ある方は、是非!


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