北京・胡同窯変

北京。胡同歩きが楽しい。このブログは胡同のあんな事こんな事を拙文と写真で気ままに綴る胡同お散歩日記です。本日も歩きます。

第77回 胡同で見かけた落書き・どれがお好きですか?

2016-01-11 09:20:15 | 街角便り
落書きは描かれたその時代の時代性や地域の地域性を物語り、
そこには描いた人の喜怒哀楽がぎゅっと詰まっています。
だからどの落書きも見ていて楽しい。

次の四種類の落書きは、北京や地元・通州の胡同で見かけたもの。
応接間(客間)でも奥座敷でもない、お茶の間性たっぷりな場所・胡同だからこそ
そこに描かれた落書きは多種多様です。
ご覧の皆さんは、どれがお好きですか?


一番目


ウサギかな、それともピースサイン?
この絵は、北京の鐘鼓楼近くの胡同で見かけたものですが、同じものをやはり鐘鼓楼近くの
「铃铛(リンダン)胡同」の出入り口で見かけた時には、何かの暗号かなと思いました。



二番目





見た瞬間、ドラえもんかなと思ったのですが、見方によっては通州のマスコットキャラ
にも似ています。日中間で島問題が起こった年、それって何? どこの国の話?って感じで
通州の胡同を歩いている時に出遭いました。



三番目


地球村と書かれています。日本と中国との関係がやはりギクシャクしている時のもので、
大気汚染が今ほどひどくない頃のものと思います。ある意味で時代を先取りした絵。
今は色落ちしていますが、描かれた当時は青空だったのでしょう。その中を飛びまわる鳥、
そして力強い緑豊かな大樹。古くて新しい絵。北京の胡同にて。



四番目





爆発してます。パンチがあって、イカス!! 北京の胡同にて。

胡同にはなぜかお洒落な自転車が似合います。
ちなみに二輪自転車、三輪自転車は持っているのですが、もちろん絵に書かれたGEARではなく、
ごく普通のもの。通州の運河沿いには素敵なサイクリングコースがあるんですよ。


胡同にはどんな落書きも似合ってしまうから不思議。
個人的には二番目の落書きが好きなんですが、私には合っているようです。

落書き関連の写真をもう一枚。
このおじさんが大好き。



胡同の壁などに油性インクで描かれた絵や電話番号を消したり、貼紙などを
剥がしているおじさんです。



  
   にほんブログ村






第75回 謎の年賀メールが来た。

2016-01-04 10:10:34 | 民間交流
東京の親戚の園児から年賀メールが来た。


まんぷくちゃん
あけましておめでとうございます。











どちらがはやいの。


訳の分らないメール。
さすが私の親戚、感激した。

しばし考え、私なりの答えを2つ用意した。しかし、まったく自信がないので、
とりあえず
「まんぷくちゃんが とうきょうにいったら いっしょにかんがえようね。」
と返事をしておいた。時間稼ぎである。

見抜かれてしまうだろうが、トーマスが好きな子供なので、東京に行ったら
トーマス談義に花を咲かせて誤魔化してしまおう、とも思っているのだが・・・。
あざとく、いけない大人である。

「謎」を解くのは、おもしろい。しかし、導き出された答えよりも「謎」それ自体の
方がもっとおもしろいのかもしれないと考えさせられたメールである。
「あ と お どちらがはやい」のだろうか。


   
   にほんブログ村




第74回 2016年 明けましておめでとうございます。

2016-01-01 12:16:44 | 民間交流
新年快楽!!

明けましておめでとうございます。

本年も当ブログ『胡同窯変』にご来訪くださいますよう、
よろしくお願いいたします。


昨年は胡同の絵葉書を賀状代りに貼らせていただいたのですが、
本年は私のお気に入り「農民画」にいたしました。
その素朴で何ともほんわかとした味わいが自分には合っているようです。

















改革・開放から35年ほどが経ちましたが、その間の中国経済の発展には
目を瞠るものがありました。しかし、皆さまも実感していらっしゃるように
その発展と共に大気汚染も進み、「青空」を失いました。農業が主体であった
国家が工業などが主体の国家に変化したわけですから当然と言えば当然なの
かもしれません。

かえりみますと発展の恩恵に私は何らかの形で浴しているわけですが、同時に
私も暖房器具を使ったり、車を利用したりなど、何らかの形で知らず知らずの
内に大気汚染の加担者のひとりになっている訳で、なんとも複雑な気持ちです。

ところで、私などが個人的に気になっていますのが、この大気汚染のほかに
私たちにとって大切な「食」を日々生産しているにもかかわらず経済発展に
置いてきぼりを食らっている農業従事者のこと。

かつてこの国の90パーセント以上の人が農民だったと言われていますが、現在その
数、約13億人の国民のうち、その実体、正確な数は不明ながら激減しているそうです。
農業では経済発展の恩恵を受けることの出来ない農民たちが発展の恩恵に浴そうと
農業から離れ、いわゆる「農民工」などになって都市部に流入した結果であることは
言うまでもありません。

この国の「食」を支えていたにもかかわらず、経済の発展から置いてきぼりを
食らってしまった人々に対し、発展の恩恵を何らかの形で様々な面で受けている
のは私など都市部に住む人たちと言ったら言い過ぎすぎでしょうか。

大気汚染はもちろん重要な問題。しかし、以前からあった農村問題も今もって政府
にとって解決しなければならない喫緊の問題の一つ。先に挙げました「農民工」など
の給料も年々上がっているようですが、同時に物価も上がり、経済発展が減速して
いる昨今、農民や農村が抱える問題は、これからどうなることか。
そして、都市生活者であろうが農村生活者であろうが、生活している場所に関わらず
影響を与え続ける大気汚染は?

今年は「都市と農村の関係」「誰にとっての、何のための豊かさなのか」、そんな
問題について考える時間、心のゆとりが持てれば良いと思います。


2015年12月30日。
いつもお世話になっている理髪店で土ぼこりだらけの
二人の農民工のお客を見かけて。




 にほんブログ村