北京・胡同窯変

北京。胡同歩きが楽しい。このブログは胡同のあんな事こんな事を拙文と写真で気ままに綴る胡同お散歩日記です。本日も歩きます。

第23回 馬家胡同 4 愛鳥家は三輪車に乗って

2015-02-10 18:11:31 | 通州・胡同散歩
前回は多田麻美さんの『老北京の胡同』(晶文社刊)をご紹介させていただきました(^^)


前々回はといえば・・・
馬家胡同で見かけた「華洋折衷」のこんなおウチや・・・


北京の胡同で見つけたこんなおウチを・・・


ご覧いただいたわけですが・・・

今回は馬家胡同をさらに歩いてみたいと思います。


まずは、「華洋折衷」のおウチを斜めから・・・

玄関脇になかなか味のある石でこさえたテーブルがございます。



天気のよい日、イスを持ち出しこのお洒落なテーブルを囲んで日向ぼっこと世間話に花を咲かせるのでしょうか。

さてさて、
胡同を歩いているとこんなものが門前や道端に置きっぱなしになっているのを見かけることがあります。
これは前にご紹介した安家大院をちょっと横に入ったところで撮影したもの。





中国将棋。象棋(シアンチー・xiangqi)

こういう光景を見ると、先にご紹介したテーブルと同じくゆったりとした時間が流れてるなぁーって感じます。
このゆったりと流れる時間、人の心と体にどのような影響を与えるんでしょ? 胡同を歩きながら考えること
があります。森林浴なんて言葉があるようですが、「胡同浴」っちゅう言葉があってもよい。これからは、出
かける時、ちょっと胡同浴に行ってくるよ、なんて声をかけて出かけることにしたらどうでしょ?(^^)


ここから牛の涎のようなだらーっとしたつぶやきが・・・ご覚悟を!!

これは中国もですが、日本はある時急激な変化を体験。
普段あまり体を動かしていなかった人が急に激しい運動をしたようなもので、きっと体のどこかしらに故障が
出るかも・・・。「出るかも」じゃあなくて、もう故障してるよ・・・なんて声も聞こえてきそうですが。

でも、人間はお利口さんだからその故障部位を直したり、故障部位を補ったりする何らかの方法を講じます。
このような点が、お利口さんな人間がお利口さんたる所以です。そこで、お利口さんを「問題を解決する人」
と定義できるかもしれません。

が、
断るまでもなく、問題を起こしたのはお利口さんな人間自身なわけですから、話がややっこしくなります。
これでは、お利口さんじゃあなくて、小(こ)利口さんになっちゃいますです。

それに、故障に関して言えば故障をもたらした根本的な問題が解決された訳でもなんでもないわけですから、
今後もあっちこっちに何らかの故障が出てもおかしくないわけで・・・。

理由は色々でしょうが、毎日を「あわあわ」「いそいそ」「せわせわ」とお暮らしの方は多いのではないで
しょうか。断るまでもなく「あわあわ」は「慌ただしい」、「いそいそ」「せわせわ」は「忙しい」ことで
すが、文字通り、心が荒れたり、心が亡くなっちゃったりしたら、大変なんだな、これが。

ふるさとは遠きにありて思ふもの・・・

なんて言いますが、この「ふるさと」って、あわあわ、いそいそ、せわせわしていない時間が流れている場所の
ことなんじゃあないか、ひょっとして。そんな時間の流れている場所だからこそ、遠くにあるわけで、しかも、
「悲しくうたふもの」なんじゃあないか。それは、二度と戻ることのできないかけがえのない場所。二度ととり
戻すことのできない場所なんじゃあないか。

としたら・・・
慌ただしくもせわしくもない時間の流れている場所を求めて、日々あわあわ、いそいそ、せわせわしちゃいます
ね(^^)

私は犬を飼っています。
日本でのこと、ある日本人から「ペットに癒されるでしょう?」というお言葉を頂戴したことがあります。
もちろんその方に悪気はなかったにちがいありません。まあ、社交辞令ぐらいに受け止めておけばよいのですが、
私には違和感がありました。だって私は癒されるために犬を飼っているわけではないし、そもそも私は病気でも
なんでもないっつーの!!(こんなこと言ってる輩にかぎって自覚症状のない病人なので、要注意かも!!)

「カワイイ」(絶対に「可愛い」でも「可愛らしい」でもない)と「癒し」という言葉が多用されるようになった
のは、いつごろからでしょうか。
必要だから使うわけですが、ほぼ同時代ではないでしょうか。
日本人は今でも「癒し」という言葉を使いますか?(^^)


そんなことより次に行きましょう。

次は、上の前のおウチです。


このおウチの壁沿いに進行方向。


ちょっと前に進んで、胡同正面。



左側のおウチ。

壁が新しい。煉瓦状のタイルですが、胡同の煉瓦壁に合わせているんですね。

ここにもイスが置かれていました。


その隣、左側のおウチ。



次は右側。


正面。


門dun(土偏に敦)





上のおウチを撮った後、進行方向を見ると、こんな光景が目に飛び込んできました。

ワンちゃんが先導する三輪車に乗った愛鳥家さん。
もちろん、写真を撮らせていただきましたぁー(^^)/
こういうのを見つけるとパブロフの犬のように、ついカメラのシャッターを切ってしまいます(^^)ゞ

その後、ワンちゃんと愛鳥家は私の前をゆっくりと通り過ぎて行ったのですが・・・
やはりパブロフの犬のように愛鳥家さんのあとを小走りに追いかけて行きました。


すると・・・

愛鳥家さん、おもむろに三輪車を止めて下さり、感激しましたぁ~!!


で、ここでもパチリ。


鳥と鳥かご


ワンちゃん



そのあと、愛鳥家さん、おもむろに三輪車から下りて一休み。感激三連発!!

荷台にも鳥かご


愛鳥家、犬、鳥

お話を伺うと、これから愛鳥家のお仲間のところへいらっしゃるとのこと。

この写真を撮らせていただく時、絵的にはカメラに向って片手を挙げて下さればなぁ、なんて期待したんですが、
結果はご覧の通り。

撮り終わり、お礼を言うと、「どういたしまして」と片手を挙げながら返してくださったのには参った。

でも、この写真、後になってみると、これで良かった。きっと自然体だからだと思います。


その後、三輪車にまたがった愛鳥家がお仲間たちの所へ向かうのを見送ったわけですが、その時の先導役のワン
ちゃんのいかにも得意げな姿が、可愛らしくも頼もしく、心温まる光景として今でも瞼に焼き付いています。

北京にお住まいでまだの方はもちろん、ご旅行で北京にいらっしゃる方も、北京で愛鳥家を見かけたらお気軽に
声をかけてみたらいかがでしょうか。
ひょっとして気が付いたらご自身もいつの間にか愛鳥家になっているかも・・・!?(^^)


これは通州・安家大院で見かけた愛鳥家さん

鳥かごをぶらさげてさっそうと歩く姿が、なかなか粋(いき)なのだ。