北京・胡同窯変

北京。胡同歩きが楽しい。このブログは胡同のあんな事こんな事を拙文と写真で気ままに綴る胡同お散歩日記です。本日も歩きます。

第81回 通州 紫竹庵胡同28・雪の日のメモランダム(その三) 雪の「会話」

2016-01-25 10:26:13 | 通州・胡同散歩
雪の降る、人の往来の途絶えた紫竹庵胡同。ひっそりと静まり返っていました。



写真向かって手前左側に、紫竹庵胡同を訪れると、いつもシャッターを切ってしまう、
塀の上に素敵な「飾り」のある二軒続きの家があります。




それを見る者の気持ちを和ませ、心に潤いを与えてくれる、ちょっとした工夫。



まるで住んでいらっしゃる方々の「体温」が伝わってくるようです。




上の写真を撮っていると、背後から声をかけられました。
振り返ると、顔に笑みを浮かべた女性が傘をさして立っていました。瞬間、失礼にもどなたか
分らなかったのですが、この胡同で二、三度すれ違ったことのある女性で、言葉を交わすのは
初めてでした。
笑みを浮かべると眉が八の字になり、どことなく日本の女優さんを思い起こさせるお顔立ちで、
その笑みは「こんな雪の日にお寒くありませんか・・・?」と問いたげです。
お訊ねすると、この女性は、これから南大街にお買い物にいらっしゃるとのことでした。



雪の降る日だからこそ、胡同だからこそ出会えた温かい後姿に、シャッターを切らせて
いただきました。