北京・胡同窯変

北京。胡同歩きが楽しい。このブログは胡同のあんな事こんな事を拙文と写真で気ままに綴る胡同お散歩日記です。本日も歩きます。

第172回 北京の胡同・福昌里 娘娘廟と天橋の著名双簧芸人孫宝才ーやはり工事中ー

2017-12-15 11:23:03 | 北京・胡同散策
福昌里。
前回、前々回ご紹介した永勝巷とおなじく「不通行」と書かれています。
場所はやはり前回ご紹介した永勝巷の東側。



中に入る前に、この胡同に関する話題を二つ。
小さな路地ですが、胡同関係の本によりますと、ここには、昔“娘娘廟(ニアンニアンミャオ)”
があったそうです。

娘娘は、皇后や貴妃を指すこともありますが、ここでは、女神のこと。
その娘娘にはたくさんの種類があるそうで、その一部を挙げると、たとえば、出産を促進す
る崔生娘娘、子授けの送子娘娘、子孫を授けたり、生育を助ける子孫娘娘、眼病とくに子供
の一切の眼病を治してくれる眼光娘娘、子供の天然痘を治す痘疹娘娘など。(窪徳忠著『道
教の神々』より)

なお、前々回ご紹介した北斗七星の母親といわれる“斗母”は、上掲書によりますと同じ女
神でも道教では高位で“斗母元君”と呼ばれ、一説では、斗母娘娘と呼ばれることもあるそ
そうです。

また、“斗母”は同書によりますと「摩利支天から思いつかれた、もしくは摩利支天を道教
に引き入れた神」で、「戦前までの東北部や河北省方面では子授けの神として多くの人びと
から崇拝されていた」とのこと。

別の話題をひとつ。
胡同関係の本によりますと、この胡同には、著名な天橋の双簧芸人孫宝才さんが住んでいらっ
しゃったとのこと。残念ながらわたしはその芸を観たことはないのですが、「双簧(シュアン
フアン)」とは、二人でやる芸で前にいる人はただ口を動かしたり動作したりするだけで、実
際に発声する人はその後ろに隠れている、といった演芸の一種なのだそうです。孫宝才さんは、
義和団事件のあった1900年に生れ、1991年にお亡くなりになっていらっしゃいます。

さて、出入口の前に立って路地の中を見ると、たくさんの工事関係者の姿がありました。







初めはためらいがあったものの、福昌里の歴史の一コマの記録として出来る範囲で写真を
撮っておきたいと思い、中に入ってみました。





写真を撮っていると奥で工事関係者達がなにやら相談中。
さっそく行ってみました。



工事関係者の肩ごしに覗くと、なにやらパイプを埋設中でした。





次の写真奥に見える玄関がこの胡同の北端。
その手前の玄関脇では新たにタイルを貼るためか、外壁の状態を調査中。



出入口を入って歩くと、あっという間に北端で、胡同関係の本によりますと、長さ30
メートル。ちなみに、北京の胡同で最も短い胡同は1965年に楊梅竹斜街に編入された
“一尺大街”で、その長さ20メートルあまり。福昌里より短いわけですが、この福昌
里も短い胡同の中に入るのではないかと思われます。



北側のお宅にもパイプを埋設するそうです。

福昌里の変貌ぶりは、後日報告させていただきます。




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